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2024年全日本卓球 女子シングルスはベスト8が出そろう。平野は勝ち残り、伊藤は敗れる

 
 2024年(令和5年度)全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部)が1月22日から28日まで東京体育館で開催される。
 大会5日目は女子シングルスの4回戦〜6回戦が行われ、ベスト8が出そろった。
※写真は平野美宇(木下グループ)

平野は重圧を乗り越えてベスト8進出

「乗り越えようと頑張ったがたどり着けなかった」と伊藤

木村は質の高い両ハンドで伊藤を撃破

危なげない勝ち上がりを見せている早田

張本は橋本との激闘を勝ち抜いて8強

 
 パリオリンピック女子シングルスの代表がかかる決戦の金曜日、平野美宇(木下グループ)と伊藤美誠(スターツ)の明暗が分かれた。
 平野は、初戦となる4回戦で面手凛(山陽学園高)の思い切った攻めにゲームオールまで迫られる苦しい展開。しかし、「昨日の記者会見で話した『自分の人生は自分でコントロールする』という言葉を思い出して戦うことができた」という平野が気持ちを強く持って踏みとどまると、5回戦では森さくら(日本生命)との打ち合いを制して6回戦へ。6回戦では、昨年11月の2023 全農CUP 大阪大会で敗れている大藤沙月(ミキハウス)にストレート勝利でリベンジし、8強に勝ち残った。
 一方、平野よりも先に負けられない伊藤は、4回戦の野村萌(デンソー)、5回戦の出澤杏佳(専修大)ともゲームオールの大接戦を勝ち抜き、6回戦で木村香純(トップおとめピンポンズ名古屋)と対戦。シェーク異質型の野村、出澤には苦戦を強いられたが、両面裏ソフトラバーの木村は伊藤にとってくみしやすい相手かと思われた。しかし、ゲームカウント3対1とリードしてからの第5ゲームをジュースで落とすと雲行きが一変。選考レースのプレッシャーに加え、大会前に肋骨を痛めていたという影響からか、伊藤はプレーに精彩を欠き、両ハンドドライブが冴えてきた木村に逆転を許してしまった。
 選考レースでは、平野が伊藤を34.5ポイントリードして迎えた今回の全日本だが、この勝敗によって平野のパリオリンピック女子シングルス出場がほぼ確定になった。

■平野美宇選手のコメント
「自分の試合が終わった後に決まったので、まだ実感が完全にはわいていないんですけど、決まったことは事実なので、まずはすごく嬉しいですし、ここまで来るには家族だったり、倉嶋監督、チームのみんながいなかったら、周りの方の支えがなかったら絶対に来られていなかったと思うので、本当にたくさんの方に支えられているなと感謝しています。
 正直、本当に東京オリンピックがしんど過ぎて今回は短かったのもありますし、東京の時の感じをもう一回味わいたくないという気持ちで頑張った部分もあるんですけど、でも自分の中では変われたというか、すごく乗り越えました。この2年では卓球もそうなんですけど、人間的にもかなり大人になれたかなと思います。
 パリでシングルスに出るからにはメダルだったり、中国選手に勝って金メダル以上は必ず取らないと面白くないなって自分も思うので、そういう姿をお見せできるよう一日ずつ成長していきたいです」

■伊藤美誠選手のコメント
「(咳の影響で痛めた肋骨が)やっとここ2〜3日前に3割くらいの痛みになってきて、耐えて耐えて耐えまくろうと思っていたんですけど、最後自分で耐えることができなくて、自分の目標にしていたオリンピックが壊されてしまったんですけど、でもこういう悔しい経験というか、最後まで戦えたところは本当に良かったと思います。
 優勝したいと気持ちもあって、あとはやっぱり自分がやり方を変えていくときに、一緒についてきてくれたチーム美誠のいろんな方と一緒に出たかったのがすごい心残りというか、目標にしていたので、そこが一番悔しいです。自分がオリンピックに出られないというよりは、(チームのみんなと)一緒にオリンピックに出られなかったことが悔しいです。
 私はずっとシングルスでの優勝を目標にしていて、シングルスで成し遂げたいっていうのがあったので、団体戦に選出されても出るかどうかはまだはっきり決まっていないんですが、まずはどこまでやるかをしっかり考えたい。でも、昔からの自分の目標は「良いところでやめたい」というのが一番なので、これで終われない気持ちはすごくあるんですけど、終わりたいっていう気持ちもあります。でも良いところで終わりたいから、ちょっと欲張って、もうちょっと頑張ります」

 第1シードで連覇を狙う早田ひな(日本生命)は5回戦で原芽衣(四天王寺高)、6回戦では芝田沙季(ミキハウス)を下し、順調な勝ち上がりを見せている。

 ジュニア女子連覇を達成し、女子シングルスでも上位進出の期待がかかる張本美和(木下アカデミー)は、6回戦で橋本帆乃香(ミキハウス)との激しく長いラリーに耐え、ベスト8に勝ち残った。ジュニア女子に続いて二冠なるか注目だ。

 そのほか、強烈なチキータが武器の長﨑美柚(木下グループ)、強打で佐藤瞳(ミキハウス)を下した赤江夏星(デンソー)、質の高い両ハンドドライブを見せている横井咲桜(ミキハウス)、第2シードの木原美悠(木下グループ)がベスト8に勝ち残っている。

 女子シングルス4回戦〜6回戦の記録と、1月27日に行われる準々決勝の組み合わせは以下の通り。

▼女子シングルス4回戦の結果
早田ひな(日本生命) 3,7,3,6 竹前裕美子(エクセディ)
原芽衣(四天王寺高) -8,11,-6,11,-7,9,4 奥下茜里(レゾナック)
芝田沙季(ミキハウス) 3,8,8,3 松岡優香(愛媛銀行)
井絢乃(中国電力ライシス) 8,6,-8,-5,7,6 伊藤ゆづき(桜丘高)
南波侑里香(トップおとめピンポンズ名古屋) 4,6,3,8 皆川優香(大阪成蹊大)
面田采巳(愛知工業大) 5,9,-6,7,4 横田心(日本体育大)
髙橋あかり(中央大) 9,9,9,8 山本愛織(立命館大)
長﨑美柚(木下グループ) 7,-8,6,6,-8,4 竹谷美涼(貝塚第二中)
佐藤瞳(ミキハウス) 4,4,-9,5,5 木塚陽菜(神戸松蔭女子学院大)
永尾尭子(サンリツ) 7,8,4,7 工藤夢(中央大)
赤江夏星(デンソー) 12,8,-10,10,12 笹尾明日香(日本生命)
安藤みなみ(トップおとめピンポンズ名古屋) 7,5,7,6 小塩遥菜(JOCエリートアカデミー/星槎)
大藤沙月(ミキハウス) 5,6,8,8 伊藤百華(エクセディ)
菅澤柚花里(デンソー) 14,7,11,10 白山亜美(サンリツ)
森さくら(日本生命) 10,3,7,6 鶴岡菜月(十六フィナンシャルグループ)
平野美宇(木下グループ) 2,4,-9,7,-5,-7,5 面手凛(山陽学園高)
横井咲桜(ミキハウス) 6,5,8,5 今枝愛美(愛み大瑞穂高)
永野萌衣(愛知工業大) 6,5,-6,4,7 三島日菜之(オークワ)
枝廣瞳(中国電力ライシス) 8,5,7,9 上田真実(豊田自動織機)
三村優果(サンリツ) 7,6,9,5 石田心美(石田卓球N⁺)
伊藤美誠(スターツ) 3,-7,-9,4,8,-6,6 野村萌(デンソー)
出澤杏佳(専修大) 9,7,7,-11,7 高森愛央(ミキハウスJSC)
木村香純(トップおとめピンポンズ名古屋) 9,4,-8,-5,5,-5,5 青木咲智(四天王寺高)
岡田琴菜(愛知工業大) -8,5,7,8,5 出雲美空(サンリツ)
橋本帆乃香(ミキハウス) 6,9,3,9 吉岡桜子(中央大)
栗山優菜(桜丘高) -10,-7,8,8,3,-7,11 佐藤清乃(神戸松蔭女子学院大)
青井さくら(筑波大) 8,8,5,9 藤田知子(四天王寺高)
張本美和(木下アカデミー) 6,5,9,5 中森帆南(中国電力ライシス)
黒野葵衣(キヤノンメディカル) 3,10,-10,-8,8,-9,9 岩越帆香(エクセディ)
成本綾海(中国電力ライシス) 8,10,8,7 信田ことみ(愛知工業大)
小林りんご(青山学院大) 10,11,-5,-6,10,9 梅村優香(サンリツ)
木原美悠(木下グループ) -6,-11,-8,7,10,9,9 牛嶋星羅(レゾナック)

▼女子シングルス5回戦の結果
早田ひな(日本生命) 5,1,2,8 原芽衣(四天王寺高)
芝田沙季(ミキハウス) -3,-6,4,4,10,5 井絢乃(中国電力ライシス)
南波侑里香(トップおとめピンポンズ名古屋) -8,5,3,-9,7,7 面田采巳(愛知工業大)
長﨑美柚(木下グループ) 5,3,8,8 髙橋あかり(中央大) 
佐藤瞳(ミキハウス) -6,11,-13,5,8,-10,7 永尾尭子(サンリツ)
赤江夏星(デンソー) 11,7,9,-8,-3,4 安藤みなみ(トップおとめピンポンズ名古屋)
大藤沙月(ミキハウス) 4,-6,-8,-8,8,8,8 菅澤柚花里(デンソー)
平野美宇(木下グループ) 5,-7,7,6,-8,10 森さくら(日本生命)
横井咲桜(ミキハウス) 9,-5,-5,-7,6,7,9 永野萌衣(愛知工業大)
枝廣瞳(中国電力ライシス) 8,7,-6,3,6 三村優果(サンリツ)
伊藤美誠(スターツ) -7,-8,5,5,6,-9,1 出澤杏佳(専修大)
木村香純(トップおとめピンポンズ名古屋) -9,3,6,9,8 岡田琴菜(愛知工業大)
橋本帆乃香(ミキハウス) 6,2,6,5 栗山優菜(桜丘高)
張本美和(木下アカデミー) 4,2,11,-10,1 青井さくら(筑波大)
成本綾海(中国電力ライシス) 4,5,6,6 黒野葵衣(キヤノンメディカル)
木原美悠(木下グループ) 10,10,5,5 小林りんご(青山学院大)

▼女子シングルス6回戦の結果
早田ひな(日本生命) 7,-6,13,10,5 芝田沙季(ミキハウス)
長﨑美柚(木下グループ) 5,7,12,-10,-12,4 南波侑里香(トップおとめピンポンズ名古屋)
赤江夏星(デンソー) 6,9,-9,7,11 佐藤瞳(ミキハウス)
平野美宇(木下グループ) 11,8,8,4 大藤沙月(ミキハウス)
横井咲桜(ミキハウス) 8,-9,8,5,-9,6 枝廣瞳(中国電力ライシス)
木村香純(トップおとめピンポンズ名古屋) -7,11,-7,-8,10,9,7 伊藤美誠(スターツ)
張本美和(木下アカデミー) -10,11,8,-8,5,9 橋本帆乃香(ミキハウス)
木原美悠(木下グループ) 7,-8,4,8,6 成本綾海(中国電力ライシス)

■女子シングルス準々決勝の組み合わせ(1月27日 09:00試合開始予定)
早田ひな(日本生命) - 長﨑美柚(木下グループ)
赤江夏星(デンソー) - 平野美宇(木下グループ)
横井咲桜(ミキハウス) - 木村香純(トップおとめピンポンズ名古屋)
張本美和(木下アカデミー) - 木原美悠(木下グループ)


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詳しい試合の結果は日本卓球協会大会公式サイトでご確認ください。
全日本卓球:https://www.japantabletennis.com/AJ/result2023/

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