世界卓球2025ドーハ(個人戦)が5月17日〜25日までカタールのドーハで開催される。ドーハでの開催は2004年以来2度目で、個人戦は今回が初開催。
大会初日の5月17日(土)は男子シングルス1回戦が行われ、日本勢や有力選手が出場。日本の吉村真晴、篠塚大登はそれぞれ勝利し、2回戦へ駒を進めた。
※写真は篠塚大登
吉村真晴(日本) 4(-9,11,3,-8,5,9)2 レジムスキー(ポーランド)
篠塚大登(日本) 4(-9,-9,11,14,12,4)2 薛飛(中国)
日本男子の先陣を切ったのは吉村真晴。ヨーロッパ期待の若手・レジムスキーと激しく打ち合い、シーソーゲームになったが、勝負どころで得意の変化サービスからの3球目とバック対バックで得点を重ね、ゲームカウント2対2から2ゲームを連取。日本男子に勢いをもたらす勝利を挙げた。
そして、圧巻だったのが篠塚大登。初戦で中国のし烈な代表選考会を勝ち抜いてきた薛飛と当たる厳しいドローになったが、やってくれた。
第1、第2ゲームは競り合いながらも終盤の勝負どころを物にできず、2ゲームを連取される苦しい展開になったが、「前半は工夫しようとしすぎて迷いが出た。後半からは利いているところを狙って真っ向勝負しました」と、第3ゲーム以降は果敢なロングサービスとツッツキをメインにした長いレシーブでラリー戦に持ち込み、真っ向から打ち合う展開で得点を重ねる。粘り強く打ち合いつつ、狙い澄ましたバックハンドカウンターも要所で決めて薛飛にプレッシャーをかけ続けた篠塚が、4ゲームを連取して逆転勝利。薛飛優勢の下馬評を覆して勝利を決めた瞬間、篠塚は会場のルサイル・スポーツ・アリーナ中に響き渡るような咆哮で歓喜を表現した。日本選手が世界卓球の個人戦で中国選手に勝つのは、2013年パリ大会で松平健太が馬琳を下して以来、実に12年ぶりになる。
「パリ(五輪)でとても悔しい思いをして、本当に強くなりたいという思いでここまで頑張ってきました。100点と言っていいくらいの試合だったかなと思います」と篠塚。
この勝利は、本人の自信になったのはもちろんのこと、日本チーム全体の士気を大いに高めたに違いない。大きな試練を乗り越えた篠塚の次戦以降に期待大だ。
▼男子シングルス1回戦
ヨルジッチ(スロベニア) 4(4,10,6,4)0 ラコトアリマナナ(マダガスカル)
ダン・チウ(ドイツ) 4(6,-7,5,-6,8,-3,8)3 ゼリコ(クロアチア)
F.ルブラン(フランス) 4(7,5,9,8)0 ピスティ(スロバキア)
梁靖崑(中国) 4(12,6,-10,3,8)1 ハム・ユソン(北朝鮮)
フランチスカ(ドイツ) 4(5,3,-3,-8,8,-4,7)3 廖振珽(中華台北)
王楚欽(中国) 4(6,4,2,4)0 N.ナレシュ(アメリカ)
上位進出の期待がかかる有力選手も初日から続々登場。
ヨルジッチ(スロベニア)は強烈なバックハンドで快勝し、2回戦進出。
2022年ヨーロッパ王者のダン・チウ(ドイツ)は、ゼリコ(クロアチア)の強打にゲームオールまで迫られたが、最後は安定感でまさり、勝ち切った。
パリ五輪銅のF.ルブラン(フランス)、世界卓球で3大会連続4強と安定した力を見せている梁靖崑(中国)もそれぞれ快勝。
フランチスカ(ドイツ)は、廖振珽(中華台北)にゲームオールまで迫られたが、最後は球威で振り切った。
優勝候補筆頭の王楚欽(中国)も迫力満点の両ハンドで順当に初戦を突破している。
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WTT:https://worldtabletennis.com/eventInfo?eventId=3108
(取材/まとめ=卓球レポート)




