世界卓球2025ドーハ（個人戦）が5月17日〜25日までカタールのドーハで開催される。ドーハでの開催は2004年以来2度目で、個人戦は今回が初開催。
大会5日目の5月22日（木）は女子シングルス4回戦が行われ、大藤沙月、早田ひな、張本美和、伊藤美誠がそれぞれ勝利し、ベスト8に勝ち上がった。
※写真は伊藤美誠
▼女子シングルス4回戦
王曼昱（中国） 6,10,5,6 スッチ（ルーマニア）
大藤沙月（日本） 3,9,7,5 ラコバッチ（クロアチア）
王芸迪（中国） 7,7,7,8 パバド（フランス）
早田ひな（日本） 5,-8,-8,5,5,9 石洵瑶（中国）
張本美和（日本） 5,9,4,6 ツォン・ジェン（シンガポール）
陳幸同（中国） -10,7,8,7,8 B.タカハシ（ブラジル）
伊藤美誠（日本） 8,19,6,9 鄭怡静（中華台北）
孫穎莎（中国） 8,-7,6,5,-10,10 申裕斌（韓国）
第2シードの王曼昱（中国）はヨーロッパの第一人者・スッチ（ルーマニア）に完勝し、準々決勝進出。安定した両ハンドでラリーで上回り、チャンスでの一発の威力でも上回ってスッチに付け入る隙を与えなかった。
今大会3種目で大活躍中の大藤沙月は、2回戦で平野美宇を下したラコバッチ（クロアチア）と対戦。投げ上げサービスからの強打が武器のラコバッチに対し、得意の巻き込みサービスから決定機をつくってペースを握り、ストレート勝利で世界卓球初出場にしてベスト8に勝ち残った。
王芸迪（中国）はパバド（フランス）に完勝して、順当にベスト8入り。快速を生かした強打が持ち味のパバドを、鉄壁の両ハンドで寄せ付けなかった。
早田ひなはベスト8を懸けて石洵瑶（中国）と対戦。世界ランキングでは早田より格下の相手だが、中国のハイレベルな選考会を勝ち抜いて世界卓球の切符をつかんだ強敵だ。
試合は、早田が強打で押し込めば、石洵瑶が安定感抜群の両ハンドでコースを突いて点を取り合う展開で進む。しかし、「ピッチの早いボールに強い選手だったので緩急を使った」という早田が、高いボールをうまく混ぜて石洵瑶の目線を狂わせ、そこから強打をたたき込む頭脳的なプレーで得点を重ね、強敵を退けてベスト8に駒を進めた。
「1ゲーム目を取られてからの（石洵瑶の）戦術の切り替えの早さはすごいと思いましたが、それをさらに自分が上回って勝つことができたので頭の部分でも冴えていたのかなと思います。明日以降も自信を持って、これよりいいパフォーマンスができるように頑張ります」と早田。前回に次ぐ連続の表彰台に向けて、視界は良好のようだ。
張本美和（日本）は、3回戦でA.ディアス（プエルトリコ）を接戦で下して勝ち上がってきたツォン・ジェン（シンガポール）と対戦。ミスの少ない両ハンドを武器にするツォン・ジェンに対し、威力のある両ハンドでワイドに揺さぶって得点を重ね、ストレートの完勝でベスト8に駒を進めた。
陳幸同（中国）はB.タカハシ（ブラジル）に勝利し、ベスト8進出。 B.タカハシがフラット系のバックハンドと思い切ったフォアハンドで第1ゲームを先制するが、第2ゲーム以降はB.タカハシのプレーを読み切った陳幸同が落ち着いて両ハンドでさばき、寄り切った。
陳幸同はメダルを懸けた準々決勝で早田ひなと対戦する。
伊藤美誠は、鄭怡静（中華台北）にストレート勝利でベスト8進出。19-17までジュースを繰り返した第2ゲームの競り合いを物にし、経験豊富な鄭怡静を振り切った。
「2ゲーム目を取れたことで気持ちがちょっと違いました。あそこで2対0にすることができたので、自分の中でもう一回気持ちを入れ直して戦うことができました。4対0で勝てたことにびっくりしています。いつも接戦になって、何回もやっているので分かり合っている相手ですが、こういう大事なところで勝つことができたのが本当にとても嬉しいです／伊藤」
準々決勝では、2021年ヒューストンの同じステージで敗れている王芸迪（中国）と対戦する。「接戦になったら絶対に勝ち切りたい。まずは目の前の1点、1ゲームを積み重ねていきたい」と、今大会好調の変化速攻でリベンジを目指す。
孫穎莎（中国）対申裕斌（韓国）はバック対バックをメインとした激しい打ち合いになったが、ゲームカウント4対2で孫穎莎が申裕斌を振り切り、ベスト8進出。孫穎莎は果敢に両ハンドを振ってくる申裕斌に2ゲームを奪われ、ゲームカウント3対2で迎えた第6ゲームも6-10とされたが、そこから圧巻の6連続得点で申裕斌を振り切った。
女子シングルス4回戦の結果により、女子シングルス準々決勝4試合は、全てが中国選手対日本選手のカードになった。
▼女子シングルス準々決勝の組み合わせ
孫穎莎（中国） - 大藤沙月（日本）
伊藤美誠（日本） - 王芸迪（中国）
陳幸同（中国） - 早田ひな（日本）
張本美和（日本） - 王曼昱（中国）
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WTT：https://worldtabletennis.com/eventInfo?eventId=3108
（取材／まとめ＝卓球レポート）
