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世界卓球2025ドーハ 
男子シングルス準々決勝 戸上はモーレゴードに敗れ、メダル獲得ならず


 世界卓球2025ドーハ(個人戦)が5月17日〜25日までカタールのドーハで開催される。ドーハでの開催は2004年以来2度目で、個人戦は今回が初開催。
 大会7日目の5月23日(金)は男子シングルス準々決勝が行われ、戸上隼輔はモーレゴード(スウェーデン)に敗れて準決勝進出はならなかった。
※写真は試合を終え、握手を交わすモーレゴード(スウェーデン)と戸上隼輔

林詩棟とのハイレベルな同士打ちを制した梁靖崑
初の世界卓球はベスト8に終わった第1シードの林詩棟

剛腕で林昀儒との左腕対決を制した王楚欽

万全でない林昀儒は前でリスクを負ったが王楚欽に跳ね返された

大胆かつ巧妙なプレーで戸上を破ったモーレゴード

戸上は鋭い攻撃でモーレゴードを圧倒する場面もあったが惜敗

メダル獲得ならずも上田コーチとの二人三脚での挑戦は続く

豪打で安宰賢を下したカルデラーノ

ブラジルに初のメダルをもたらした

安宰賢はカルデラーノの圧に押され、連夜の最終試合での勝利とはならず

▼男子シングルス準々決勝
梁靖崑(中国) 5,8,-7,-5,8,-8,7 林詩棟(中国)
王楚欽(中国) 10,8,8,10 林昀儒(中華台北)
モーレゴード(スウェーデン) -14,-3,7,8,10,9 戸上隼輔(日本)
カルデラーノ(ブラジル) 4,6,-9,7,10 安宰賢(韓国)



 梁靖崑(中国)対林詩棟(中国)の同士打ちは、超ハイレベルなラリーを繰り広げながらゲームオールにもつれたが、梁靖崑が勝利し、2019年ブダペスト大会から4大会連続の準決勝進出を決めた。試合は、林詩棟の電光石火のバックハンドを梁靖崑が両ハンドでしのぐ展開で進んだが、前後左右に必死に動いた梁靖崑が林詩棟を振り切った。
 一方、敗れた林詩棟は堂々の第1シードで今大会に臨んだが、メダル獲得ならず。男子ダブルス、混合ダブルスもメダル獲得を前に敗れ、いまひとつ存在感を発揮できないまま大会を終えた。

 王楚欽(中国)対林昀儒(中華台北)の世界最高峰の左腕対決は、王楚欽が剛腕をうならせ、ストレート勝利で準決勝進出。
 林昀儒は昨日のフランチスカ(ドイツ)との4回戦で痛めた左足首の状態が思わしくないのか、前陣でのリスクを負ったプレーに活路を見出そうとしたが本来のプレーには遠く、王楚欽に対しては勝機を見いだせなかった。

 4回戦でヨルジッチ(スロベニア)との激戦を制した戸上隼輔はメダルを懸けてモーレゴード(スウェーデン)と対戦したが、ゲームカウント2対4で敗れてメダル獲得ならず。
 試合は、序盤、ギア全開の戸上が2ゲームを連取し、ペースを握る。戸上の球威や動きのキレから、このままメダルまで突っ走るかに思われたが、数々のビッグマッチで結果を出してきたモーレゴードが第3ゲームからさすがの対応力を見せる。
 ラリー内容では戸上が押しているように見えるが、モーレゴードが緩急をつけて攻めにはやる戸上のミスを誘いつつ、要所で強打を決めるプレーで追い上げを開始。2ゲームを連取して追い付くと、第5ゲームは8-10の劣勢からしぶとく点を拾って逆転。第6ゲームも競り勝ち、終わってみれば4ゲーム連取で逆転勝利。大舞台での強さをあらためて証明し、準決勝進出を決めた。
 一方、敗れた戸上は、メダル獲得の可能性を大いに感じさせるプレーで迫ったが、モーレゴードの大胆かつ巧妙なプレーの前に涙をのんだ。
「2対0でリードしていましたし、2対2の時も10-8リードでゲームポイントを握っていたにもかかわらず、そこから立て続けにミスを連発してしまって、すごく勝つチャンスがあったから悔しいです。(終盤は)点数を離されることもあって、かなり心が折れる瞬間もあったんですけど、それでもベンチの上田コーチが『大丈夫大丈夫、1本1本!』と1球ずつ声をかけてくださって、そのおかげで最後まで戦い抜くことができました。悔いは残るんですけど、実力は出し切れたと思います。(モーレゴードは)今まで勝ったことがない相手でしたが、この試合はすごくチャンスを感じたし、次に生かせるよう、もう一度反省して頑張りたいと思います。
 次のオリンピックに向けて上田さんとコンビを結成しました。ここでくじけず、また上田さんと共にいろいろな大会や練習を共にして苦楽を共にして、次のオリンピックでメダルを獲得できるようお互いの目標に向かって頑張りたいと思います/戸上」
 落胆を全身からにじませつつ、一定の手応えを感じたと声を絞り出した戸上。惜しくもシングルスでのメダル獲得はならなかったが、篠塚大登と組む男子ダブルスはまだ勝ち残っている。気持ちを切り替えるのは容易ではないと思うが、ぜひもう一度奮い立って、男子ダブルスでの頂点を目指してほしい。

 ベスト4最後の椅子は、カルデラーノ(ブラジル)がつかんだ。投げ上げサービスからの強烈な両ハンドで安宰賢(韓国)に終始プレッシャーをかけ、ゲームカウント4対1で勝利。ワールドカップ優勝の実力を発揮して、ブラジルに初の男子シングルスでのメダルをもたらした。
 一方、ここまで2日連続で最終試合に登場して大接戦を勝ち切り、報道陣のあいだで「最終試合の男」とひそかに呼ばれていた安宰賢。今日も最終試合での出場が決まり、また接戦で勝つのかと報道席がざわついたが、カルデラーノの豪打に敗れ、三夜連続の最終試合での勝利とはならなかった。

 この準々決勝の結果により、男子シングルス準決勝の組み合わせは以下の通りになった。

▼男子シングルス準決勝の組み合わせ
梁靖崑(中国) - カルデラーノ(ブラジル)
モーレゴード(スウェーデン) - 王楚欽(中国)


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詳細な記録は下記サイトでご確認ください。
WTT:https://worldtabletennis.com/eventInfo?eventId=3108


(取材/まとめ=卓球レポート)

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