［国内大会］

下関インターハイ　女子シングルスは面手凛（山陽学園）が初優勝！

2025.08.04

　高校生たちの祭典、全国高等学校総合体育大会（インターハイ）の卓球競技が7月31～8月4日に山口県下関市のJ:COMアリーナ下関（下関市総合体育館）で開催される。
　最終日となった本日8月4日は、女子シングルス準々決勝〜決勝までが行われ、面手凛（山陽学園）が初優勝を果たした。

優勝　面手凛（山陽学園）　

▼女子シングルス準々決勝
山室早矢（桜丘）　7,2,3　熊田陽花（正智深谷）
青木咲智（四天王寺）　8,9,-8,4　田旻一（桜丘）
髙森愛央（四天王寺）　8,6,2　髙橋美羽（駒大苫小牧）
面手凛（山陽学園）　6,7,6　大野紗蘭（希望が丘）

▼女子シングルス準決勝
山室早矢（桜丘）　9,7,-9,6　青木咲智（四天王寺）　
面手凛（山陽学園）　3,-3,10,-9,5　髙森愛央（四天王寺）　

▼女子シングルス決勝
面手凛（山陽学園）　2,4,8　山室早矢（桜丘）

　4シードが全員順当に準決勝まで勝ち上がるという、実力通りの勝ち上がりとなった女子シングルスを制したのは面手凛（山陽学園）。
　準々決勝で九州優勝の大野紗蘭（希望が丘）をストレートで下すと、準決勝では同じ岡山県出身でT.Cマルカワの後輩、髙森愛央（四天王寺）と対戦。鋭いボールが行き交うハイレベルな打撃戦はゲームオールにもつれたが、「2対2になると思っていたので最後は強気でいけた」という面手が、最終ゲームも臆さずに鋭い両ハンドを放って髙森を振り切り、第2シードを守って決勝進出を果たし、第1シードの山室早矢（桜丘）と対峙した。
　面手と山室は今年の全日本ジュニア女子の準決勝で対戦しており、その時は面手が見事なカット打ちで山室に勝利している。インターハイ女王の称号が懸かる決勝ではどうなるか注目されたが、「カットマンは得意で、強化してきたフォアハンドが生かせた」という面手がすごかった。山室の変化をしっかり見極める選球眼の良さをベースに、回転量の多いフォアハンドとストップを交えて山室を前後左右に揺さぶり、スピードドライブでとどめを刺す完璧なカット打ちで、数々の強打者をカットで拾い倒してきた山室を圧倒。
　ストレートの快勝で2年連続ベスト8の壁を打ち破り、ついにインターハイ女王の座をつかんだ。

■面手凛選手のコメント
　2年連続ベスト8という結果に終わってしまっていて、今年はすごく優勝したいという気持ちが強かったんですけど、みんな強いので一戦一戦向かっていく気持ちでやろうと考えてプレーしました。
（準決勝は）髙森さんも強いので、そこを越えられるように向かっていく気持ちでやろうと思って戦いました。簡単に勝てる相手ではないので、2対2になると自分の中では思っていました。最後は強気で攻め切れたことが勝因だと思います。
　カットマンは自分の中では得意だったんですけど、決勝の山室さんも強いので、「1球ずつ」ということを思って戦いました。（優勝を決めた瞬間は）あまり気持ちを表に出すタイプではないんですけど、すごくうれしかったです。
　技術的には、バックハンドは得意ですが、今大会に向けてはフォアハンド、特にカウンターをすごく強化してきました。決勝はカットマンで、フォアハンドで攻めなければいけない展開が多かったので、そこでフォアハンドを練習してきたことが生かせたと思います。
　今後は、支えてくださる方への感謝を忘れずに、その中でさらに上を目指して戦っていけるような選手になっていきたいと思います。まずは全日本で上位に行けるよう頑張りたいと思います。

2位　山室早矢（桜丘）

　
　第1シードで今大会に臨んだ山室早矢（桜丘）は、準々決勝で熊田陽花（正智深谷）、準決勝で青木咲智（四天王寺）と実力者を連破して決勝進出。面手には圧倒されて勝機を見いだせなかったが、　コート狭しと動き回る守備範囲の広いカットと、カットからの得点率の高い反撃で大いに存在感を放った。

■山室早矢選手のコメント
（決勝の面手は）本当に強くて、今年の全日本ジュニア女子でも当たって負けてしまって、そこから反省もして次につなげていたんですけど、それ以上に相手がすごく強くて世界を感じました。
　一年前のインターハイで3位に入って今年の全日本でも3位に入れて、ベスト4の壁は本当に難しいなということを経験しました。今年のインターハイでは絶対決勝に上がって日本一を取るという気持ちで、苦しかったんですけど毎日練習してきたので、その結果がこの大会に結びついたのが本当にうれしかったです。
（桜丘の高校生活を振り返ると）同期の3人が本当に仲が良くて、どんな時でもいつも明るくて、どんなに苦しい時があってもいつも笑顔で3人が支えてくれたので、そのおかげでいろんなことも乗り越えられたし、卓球面でも生活面でもすごい楽しかったなという印象が多くて、本当に助けられたなという感じです。
　今回は日本一を目標にしていたんですけど、あと一歩で届かなかったので、これからは実業団に行くので、カテゴリーがランクアップして厳しい世界にはなると思いますが、もっと上に立てるよう、1番を目指して頑張ります。

3位　髙森愛央（四天王寺）

3位　青木咲智（四天王寺）　

　
　3位には、髙森愛央と青木咲智（ともに四天王寺）の四天王寺勢が入った。
　髙森は準々決勝でノーシードから勝ち上がってきた髙橋美羽（駒大苫小牧）をしっかり打って前回ベスト8の壁を乗り越えてクラブチームの先輩・面手と対戦。フルゲームまで互角の打ち合いを演じたが、終盤に引き離されてしまった。
　二年ぶりの優勝を目指した青木は、準々決勝で田旻一（桜丘）とのハイレベルなラリー戦を制したが、昨年の準々決勝でも敗れている山室のカットにつかまり、敗戦。
　髙森と青木の敗戦により、四天王寺勢は2012年長野インターハイ以来の無冠に終わった。