WTTチャンピオンズ 横浜が、神奈川県横浜市の横浜BUNTAIで8月7〜11日に開催。WTTにおいて、チャンピオンズはスマッシュ、ファイナルズに次いでグレードの高い大会で、男女それぞれ32名のトップ選手が集い、シングルスの優勝を争う。
卓球レポートでは現地に取材班を派遣し、熱戦の模様をお伝えする。
大会4日目の8月10日は男子シングルス準々決勝が行われ、張本智和は向鵬(中国)に勝利して準決勝進出。戸上隼輔は王楚欽(中国)に敗れた。
※写真は張本智和
▼男子シングルス準々決勝の結果
ジャア(アメリカ) 4(10,9,8,-9,10)1 ダン・チウ(ドイツ)
王楚欽(中国) 4(7,-5,7,5,3)1 戸上隼輔(日本)
張本智和(日本) 4(-11,6,-7,7,6,11)2 向鵬(中国)
モーレゴード(スウェーデン) 4(8,9,8,-8,4)1 安宰賢(韓国)
互いに前陣での速い攻めを武器にするジャア(アメリカ)とダン・チウ(ドイツ)の一戦は、ジャアに軍配。各ゲームとも競り合いになったが、投げ上げサービスからより早い打球点で攻め、ダン・チウに落ち着いてプレーする隙を与えずに4強入りを果たした。
一方、昨日の2回戦で世界ランキング1位の林詩棟(中国)を激戦の末に下したダン・チウは、ゲーム終盤の勝負どころでミスが出たことに加え、ネットインやエッジボールの不運も重なって準決勝進出はならなかった。
世界王者・王楚欽(中国)と戸上隼輔の準々決勝は、ゲームカウント4対1で王楚欽が勝利し、ベスト4に駒を進めた。「自分が何をしなければいけないのか。そして何が効くのかが分かる特別な試合になる」と臨んだ戸上は、ストップやツッツキなど丁寧なプレーで王楚欽のミスを誘って第2ゲームを奪ったが、第3ゲームからピタリとミスが出なくなった王楚欽に圧倒され、金星とはならなかった。
「王楚欽はトップ選手の中でも頭一つ抜けた存在。事前に上田コーチと『ラリーに持っていくまでが大切』ということで準備しましたが、王楚欽の圧に押されて全く発揮できなかった。今回の経験は自分にとって非常に重要。この負けを上田コーチとしっかり反省して、今後につなげていきたいと思います/戸上」
今回は、王楚欽に圧倒的な力を見せつけられた形だが、それでも1ゲームを奪ってひとときでも王者を慌てさせたことは収穫だろう。乗り越えるべき山ははるか高いことを実感する一戦となったが、だからこそ登り甲斐はあるはずだ。戸上の闘魂にさらに火がつくことを期待したい。
日本男子最後の砦となった張本智和は、前回仁川大会優勝の向鵬と対戦。足を使って強打を打ち込んでくる向鵬に押され、ゲームカウント1対2とされて第4ゲームもリードを許す展開。しかし、「出足から相手が良いプレーで第4ゲームの途中までは相手のペースでした。あまり良い戦術もなかったので耐えるしかないと思った」という張本が必死の前陣攻守でボールを入れ、第4ゲームを逆転で奪ってタイに追いつくと、第5、第6ゲームも連取して最終日に勝ち残った。
明日の準決勝では好調のジャア(アメリカ)と対戦する。「(ジャアは)今回強いですし、地力のある選手。今日以上の準備をして臨みたい」という張本の戦いぶりに注目だ。
男女準々決勝の最終試合となったモーレゴード(スウェーデン)対安宰賢(韓国)は、モーレゴードがゲームカウント4対1で勝利。多彩な技から狙い澄まして打ち込む強打でラリーに強い安宰賢を圧倒し、準決勝進出を果たした。
この結果により、男子シングルス準決勝の組み合わせは以下の通りとなった。
▼男子シングルス準決勝の組み合わせ
ジャア(アメリカ - 張本智和(日本)
モーレゴード(スウェーデン) - 王楚欽(中国)
詳しい記録はこちらから
WTT大会関連ページ:https://www.worldtabletennis.com/eventInfo?selectedTab=Matches&eventId=3094&innerselectedTab=Completed
(取材=卓球レポート編集部)




