令和7年度全日本卓球選手権大会(団体の部)が、10月17〜19日まで、青森県のカクヒログループスーパーアリーナ(青森市総合体育館)で開催される。同大会は、各カテゴリーのトップチームから男女それぞれ12チームが出場し、団体の日本一を争う大会だ。
最終日の10月19日は、男子団体準決勝〜決勝が行われ、ファーストが制して3連覇を達成した。
【優勝 ファースト】
▼男子団体準決勝
ファースト 3-0 シチズン時計
○松平 6,-10,2,5 淺津
○神 -7,4,-8,5,8 阿部
○丹羽 -11,1,9,7 三部
松平 - 阿部
神 - 淺津
早稲田大学 3-2 協和キリン
○濵田(一) 9,-4,9,6 松平
○徳田 13,8,-9,10 宇田
濵田(尚) 10,-4,-6,4,-10 渡辺○
濵田(一) -6,-10,-7 宇田○
○徳田 -7,13,-5,10,8 松平
▼男子団体決勝
ファースト 3-2 早稲田大学
高木和 -9,-8,9,-10 濵田(一)○
松平 -3,-7,-11 徳田○
○丹羽 10,8,14 濵田(尚)
○松平 -7,9,-6,9,11 濵田(一)
○高木和 7,4,7 徳田
男子は、一昨年、昨年に続いてファーストが制し、3連覇を達成した。
決勝まで優勝ペースで順調に勝ち進むも、決勝の早稲田大学にはトップで高木和が濵田(一)に、2番で松平が徳田にそれぞれ打ち負け、0対2と追い込まれてあとがなくなる。
学生の勢いと球威に押される様子からばん回は厳しいと思われたが、3番の丹羽が流れを変える。日本卓球協会からの半年間の資格停止処分があけ、久しぶりの国内大会出場となった丹羽だが、ブランクを感じさせない軽快なプレーで濵田(尚)をストレートで下し、後半に望みをつなぐ。
4番の松平と濵田(一)のエース対決はゲームオールジュースにもつれる激闘になるが、松平が渾身のプレーで濵田(一)に打ち勝つと、その直後、2台進行で行われていた5番の高木和も徳田に勝利し、ファーストが窮地からよみがえって3連覇を達成した。
ファーストの歴戦で鍛え上げたられた勝負勘やうまさと、早稲田大学の学生だからこその勢いがコントラストを描く好勝負になったが、終わってみればファーストの技がわずかに早稲田大学の勢いをまさった形だ。
ちなみに、優勝したファーストの高木和、松平、神、丹羽は全員が今大会の開催地・青森の青森山田高校OB。卓球の技を培った故郷ともいえる青森の地で、今や語り草になりつつある青森山田出身のすごみをあらためて知らしめるプレーで優勝をたぐり寄せた。
■ファースト・濱野浩監督のコメント
0対2からの逆転で本当に良かったと思います。「丹羽くんから健太(松平)と卓(高木和)と一人ずつ1点を取れば逆転できるね」と話をしていて、あとは選手を信じていましたが、その通りになりました。
今回は3連覇するという強い気持ちを持って臨んでいましたし、丹羽くんの復帰戦でもあるので必ず優勝しようと思っていました。0対2からのスタートで厳しかったですが、逆転できて良かったです。
(今日が復帰戦となった丹羽は)必ず試合には出そうと決めていたので、復帰戦ということで3番にしました。(初戦のシチズン時計戦の)1ゲーム目はまずいなと思いましたけど(笑)、2ゲーム目から取り戻してくれました。決勝は協和キリンが来たら、丹羽くんを2点使いするオーダーもありました。
来年も4連覇を目指して頑張ります。
【2位 早稲田大学】
【3位 シチズン時計】
【3位 協和キリン】
2位の早稲田大学は、準々決勝で関西卓球アカデミー、準決勝で協和キリンをいずれも3対2の大接戦の末に下して決勝進出。決勝のファースト戦でも2対0とリードし、優勝をつかみかけたが、意地で追い上げるファーストに逆転を許した。初優勝はならなかったが、実業団を強豪を連破して決勝まで勝ち進み、学生の力を大いに示した。
前回2位のシチズン時計は、前回同様ファーストに敗れて3位。ファースト戦では2番でエースの阿部が神との打撃戦に競り負け、流れに乗れなかった。
優勝候補の協和キリンは、早稲田大学に競り負け、前回と同じく3位に終わった。早稲田大学戦では2番でエースの宇田が徳田の思いきったプレーに敗れたのが響き、あと1点届かなかった。
詳しい記録はこちらから
日本卓球協会内大会サイト:https://jtta.or.jp/tour/30187
(取材=卓球レポート)




