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わたしの練習72小室愛子 変化カットと反撃に重点

 茨城県立鉾田二高、ここで私は卓球をはじめ橋本先生のご指導をうけました。最初はペンホルダーで、実際にシェークのラケットを握ったのは、4カ月たった7月の合宿中でした。さすがに熱心な先生も無器用な私に愛想をつかし、「シェークにした方が良いだろう」ということでした。熱心な先生と私よりはるかに強い同級生に囲まれ、夢中に過ごした3年間といえます。
 卓球が大好きになった私は、更に続けるべく三井生命へ入社することになりました。最初に監督から『選手生活をつづけることは他の人よりも苦しい道を歩むということだ。これを忘れないように』といわれました。それからの私は橋本、岡部両先輩のすばらしいカットや諸先輩の生活態度を通じて、卓球とはこんな難しいものか、こんなに奥深いものかという驚きの連続でした。ミーティングでの質問や与えられた練習課題も、年々難しいものになってきました。
 現在の練習量は週22時間(試合がない場合)、火曜日が休み、という規定の練習を含めて課題消化のため25~28時間(球を打つ時間21時間)を目標に努力しています。家に帰るのも11時近くになってしまい、疲労回復には苦労します。そのため自然と健康管理を注意するようになり、医者ぎらいだった私も具合が悪いとすぐ医者に行くようになりました。また食事の時間、栄養等についても考えるようになりました。

 ~バウンドの変化も考えて~

 平日は4時半に仕事が終わり、軽い食事と掃除のあと5時半より練習がはじまります。練習がはじまるまでの1時間は仕事から卓球へ頭の切りかえをする大切な時間でもあります。準備体操、柔軟体操をして乱打に入りますが、ここまでに練習への集中力を高めなければ、その日の練習に大きく影響しますので、一つ一つの体操をできるだけ気持ちをこめてやるよう努力しています。
 練習はほとんどが課題練習です。私が目標にする卓球は、積極性のあるカットマンであるところから、①変化カット ②カットからの攻撃 ③サービスレシーブの練習、が7割を占めます。特にカットの変化に主体をおきプレーをすると身体に力が入り次のプレーに対するそなえがおそくなり、またコースが甘くなってしまいますので、その点注意してオールサイドにまわしてもらう練習を1時間程度やります。変化自体についてはバウンドの変化について考えています。まだどのような効果が得られるか疑問もありますが、カット打ちの技術が進歩しているのでこれに対する一策にしたいと考えています。
 反撃の練習は動きをとめてやる場合(箱打等)と動きのある反撃の両方やりますが、最近は特に守備の体勢で動きながら反撃のチャンスのつかみ方、タイミングのとり方を練習する時間をふやしています。フォアの反撃は踏み込みを、バックの反撃は球に押されないよう打球点を少し前にするように注意します。しかしカットで力が入ることとカットを切った場合自分の回転が残っていたりして、なかなか思うようにタイミングがとれないので苦労しています。

 ~柔軟な身体はカットマンの武器~

 規定の練習時間中に、人数の関係で1日1時間近く台につけない時間があり、各自の考えで体力強化をしますが、私はシャドープレーと鉄アレイによる手首の強化に時間の多くを費やします。シャドープレーでは前後の動きを中心にやりますが、体力強化という点でも大きな効果があるようです。その他のトレーニングとしては、週2回ランニングとサーキットトレーニング程度で、学生のかたよりも少ないと思います。
 12月の全日本が終わると2月頃までは試合もほとんどなくなりますので、その期間他の選手と共にトレーニングに重点をおき、特に日頃不足しているランニング等で下半身の強化につとめますが、夜は排気ガスが多く長時間走れないため、朝早く皇居のまわりを走ります。人影のない皇居はさすがに厳粛で、「がんばりなさい」とはげましてくれるようです。
 道はほとんど舗装されているため、運動靴の中にスポンジを入れたり、靴下の厚目なのを重ねたりいろいろ苦労が必要で、高校生活をおくった田舎の畦道(あぜみち)が思い出されます。その他、身体のかたい私にとって柔軟体操も大切な毎日の課題です。柔軟な身体はカットマンにとって大きな武器であり、同時にケガをふせぐ意味でも大切と考え入念にやっています。

 ~仕事と卓球の両立~

 「仕事と卓球と両立させるのは難しいでしょう」とよくいわれます。私の場合、周囲の理解で残業することはほとんどありませんが、それでもかなりの時間が仕事にむけられます。したがってそれ以外の時間を、いかに卓球と結びつけるかが問題です。土、日曜日や自分の休暇を利用して合宿練習などをよくやります。練習時間がほしくなると、良く自分の使える時間を計算して計画をたてることがありますが、必ず無駄な時間が発見されます。この方法は時間の大切さを認識でき、私の卓球生活のうえで大変プラスになっています。毎日の一つ一つの練習やどんな試合でも非常に貴重なものだということを常に教えられます。仕事が終わってからの気持ちの切換えを早くして練習に集中することさえできれば、実業団の選手もかなりの練習量を持つことができると信じています。

 ~年々目標を高めて~

 たしかに疲れた時、大きな試合が終わったあとなど気持ちの切換えに苦労します。しかし私の場合、練習熱心な後輩にめぐまれ、特に井沢(カット)堤(ショート)角田(ロング)と異なった分野で自分の卓球に苦労している1年後輩の姿を見るとき、自分がはげまされているように感じます。またこのように異なったタイプの選手と毎日練習できる恵まれた環境を考えた時、新たな意欲がわいてきます。
 年々目標を高くしていくと、練習量もしだいに必要になってきます。しかし日紡貝塚のバレーボールの選手がしたあの努力を考えた時、私もまだまだ努力しなければならないし、更に高い目標を持って前進したいと考えています。

こむろ あいこ 三井生命
裏ソフトラバーのカットマン。19
69実業団2位

(1970年1月号掲載)

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