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わたしの練習73阿部多津子 応用のきく攻撃選手に

 私の学校は“従順・勤勉・愛徳”を校訓としたミッションスクールです。学校内のクラブ活動はどちらかと言うと不活発で、運動部の種類も他校程ではありません。これは学校が市内の中心部にあるために校庭が狭く、運動設備も少ないのが原因しているのだと思います。そんな中で各運動部がひしめきあっているのでトレーニングが伸び伸びとできませんし、部の活動時間にも制限があり、夏は6時・冬は5時と短く、試合が間近に迫ったときだけわずかに時間の延長が認められます。それでもテニス部と卓球部だけは県外でも活躍しています。卓球部には熱心な顧問の吉田先生がおられ、クラブ全体がいつも一致した行動と引き締った気持ちで練習をやっているからだと思います。

 ~学校では基本的な練習~

 私は学校の練習後、時間にして約30分の所にある卓球場に行って練習します。週に4、5回試合間近のときはほとんど毎日になります。練習の終了時間は、普通8時か8時半まででときには9時になるときもあります。そこで練習相手になってくださり、コーチしてくださるのは宮城県卓球協会理事長の伊藤さんです。練習に対してはたいへん厳しく、私が練習を続けてくることができたのもその厳しさのおかげであると思っています。
 練習内容は学校と卓球場とをわけております。まず学校では基本となるものが主です。
 1.フォアロング(コントロールに注意)
 2.ショート
 3.ツッツキ・ツッツキ打ち(ツッツキはツッツキ打ちのやりやすい角度をつくりながら)
 4.スマッシュ(ボールをたくさん使って)
 5.カット打ち
 6.サービス・レシーブ
 等ですが、5の練習は、カットマンが1人だけなので十分に練習することはできません。試合が近いときは4と6の練習を多くし、ベストコンディションになるように努めます。

 ~卓球場で戦術的な練習~

 次に卓球場での内容は、戦術的なものとフットワークが大部分です。
 1.対ロング
 これは最初コースを決めてからやり、動きを覚えたらコースを決めないで、オールコートで試合形式にやります。
 2.対カット
 いろいろなカットマンの種類(ラバー)に慣れるようにしました。(10月に仙台で欧州選抜卓球大会が開かれましたが、それに参加し、アレキサンドル選手と対戦いたしましたが、自分の技術の未熟さを身にしみて感じさせられました。)
 試合が近いときはゲームが主で、攻めることを主体とし、攻められてもよく守り、隙(すき)をみて攻め返すということに重点をおいて行いました。ただしこれらの練習はこまごまとした技術を練習した上ででしたが。
 高1、2年のころは、自分の卓球の型というものを作ってその中で試合をしてきましたが、3年になってからは、なるべくその殻を破り応用のきくプレーができるよう自分では考えてきました。また、大会が終わるごとに、試合での反省を次の練習課題としていくようにしました。

 ~家の庭でトレーニング~

 次にトレーニングについてですが、トレーニングは少ない方であったと思います。学校ではトレーニングの時間を設けないので、自主トレーニングでした。卓球場へ行かない日を利用して家の庭で行いました。時間は約30分から40分(その日の体の状態によって違う)で、内容は次の通りです。
 1.かかとの上げ下げ 50回
 2.ジャンプと屈伸
 3.ダッシュ 12m×10往復
 4.縄飛び 前800回 後500回 徐々にふやす
 5.腹筋 45度 1分 上下 54回
 6.ダンベルの持ち上げ
 7.腕立て
 8.体の横振り(最初の記録を基準に1日1回でも多く振るようにしました)
 9.素振り(フォアロング、ショート。8と同じ要領で)
 10.シャドープレー
 11.体操
 以上のようなことでした。しかし最近はこの中でやっていることはわずかで、全くトレーニング不足です。そこで以前のようにできないまでもいろんな時間を利用してやるように努めています。たとえば、私は国電通学なので、電車の待ち時間とか国電を降りてから家まで走って帰るとか。でも頭の中で考えた通りにはなかなかできませんでした。
 私はいままで、学校と卓球場での練習のおかげで練習量にはこと欠くことがありませんでした。また、幸い良い指導者にも恵まれましたので自分が今日このようにあるのも伊藤さんのおかげであると思います。そして、吉田先生のご理解があってこそだと思います。

 ~目標に向かって全力をつくす~

 目標をもって、それに向かって全力をつくす。そこには無限の可能性があるということを信じて卓球に打ちこんできたことを私はとても幸福であったと思います。
 高校時代に三回も日本卓球協会の強化合宿に参加できたことと、山形で行われた技術講習会にも出られたことは、自分の力を知る上で大変幸せでした。その上、森先生を初め諸先生の指導を得られたことをたいへんうれしく思っています。
 私は進学する予定ですが、とにかく目標をもってあきらめないで、技術もさることながら精神面も技術とともにより良くなるよう一歩一歩進もうと思います。今までとは違ってすべて自主的に行わなくてはいけない大学で、先輩方の練習方法、伊藤さんに教わってきたことなどを参考にしながら自分なりに考えた卓球をして行きたいと思います。
 ことしの目標は、大学での卓球生活のスタートでもある新人戦に良い成績をおさめたいと思います。

あべたつこ 仙台白百合学園を3月に卒業
表ソフトの攻撃選手。1969全日本ベスト8


(1970年3月号掲載)
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