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わたしの練習125渋谷浩 攻撃的なカット型をめざして!!

 ~両親の影響を受けて~

 私が初めてボールを打ったのは、小学校1年の時でした。両親が時々卓球をやりに行っていたので、それに連れていってもらい「面白そうだなぁ」と思って始めたのがきっかけです。
 グリップは最初からシェークハンドでした。特に、父のカットのフォームがとてもきれいだったので、私もカットマンを目指しました。といっても、その頃は、卓球をやるのは土、日曜日だけで、あとはほとんど野球をやっていました。が、3年生の時、名古屋市の"一万人卓球大会"に出場することになったのを機に野球をあきらめ、それからは毎日卓球の練習をするようになりました。
 4年生の時、杉村さん(当時名商大)という人と知り会い、毎日、県のスポーツ会館で基本練習の相手をしていただきました。この時、基本練習をしっかりやったことが現在の卓球に大きく生きていると思います。

 ~一流選手のプレーに感動~

 父の転勤で上京、武蔵野第三中学校に入学してからは、家から15分ぐらいの所にある、平沼園卓球場で明治大学の人たちと一緒に練習させていただきました。平沼園には、一流選手がたくさん来られます。そのプレーを見ては、「すごいなぁ」と思い、自分も早く強くなりたいと一生懸命練習に励みました。
 大学生と練習させていただいたおかげで、自分でもわかるぐらい急速に強くなり、全国中学校大会では3年連続優勝することができました。ここまでは大きなスランプもなく、順調でした。幸い、タマスの長谷川さん、伊藤さんから「ランニングの重要さ」を教わり、毎日欠かさず走ったことが3連勝できた大きな要因だったと思います。
 当時の主な練習は、
①ロングでのフットワーク(フォアハンドで前後、左右、オールに動く。バックハンドで前後、左右に動く)
②カットでのフットワーク(前後、左右、オール)
③ワンコースで、ドライブに強弱をつけてもらい、カットで前後に動く
④ワンコースで、連続ノーミスで続ける
...などです。特に調子の悪い時は、続ける練習を多くやりました。また、普段から前・中陣で、高い打球点でカットすることを心がけていました。

 ~緊張した中での練習~

 熊谷商高に入り、精神面や人間形成について教えていただきました。また練習中は緊張して、高い集中力で質の高さを求めました。そういう雰囲気の中で練習していたので、一球に対する集中力が身につき、凡ミスもかなり減少しました。しかし、関東大会やインターハイでは、上位に進出するけれどもなかなか勝てず、大きなタイトルはとることができませんでした。
 いま振り返ってみますと、「凡ミスは減ったけれども、逆に意外性がなくなり、すべての技術が中途半端で最後に頼りになるものがない。そして気力不足」が、関東大会、インターハイの決勝や全日本選手権のランク決定で負けた原因だったように思います。
 2年の関東大会準決勝で先輩の佐藤さんに敗れてからは、自分の卓球について深刻に悩み、「今の卓球のままではダメだ」と思い、まず最後の頼りになるカットをしっかりさせることを考えました。フォア面のラバーをアツからウスに変えたのもこの頃です。その結果、カットが安定し、よく切れるようになりました。と同時に、ドライブの威力は落ちたけれども、スマッシュが打ちやすくなりました。それまでドライブに頼っていたきらいがあったので、とてもよかったと思います。
 そして秋田インターハイまでは体力強化に重点をおき技術面では守備範囲を広くし、粘る時の基本のカットが切れるように努めました。カットを切る時、肩に力が入ると、ボールが浅くなってしまうので、余分な力を抜き、しっかり押しを加えてスイングするように気をつけました。また、カットが深く入るように、相手コートのネット側から2/3ぐらいにタオルをおいて練習しました。

 ~インターハイ前の主な練習~

 秋田インターハイ前の主な練習は、
①フットワーク(中学時代と同じ。ロングとカットを合わせて1時間30分程度)
②クロスにカットをしていて、何本目かをふいにストレートにうってもらい、それを処理する(打点の高い位置でしっかり足をふみかえ、ボールをよくひきつける)
③ミドル処理(ミドルに粘ってもらい、フォアで処理するかバックで処理するか、しっかり見極める。台からさがらず、常に厳しい位置でカットする)
④システム練習(フォア前にショートサービスを出してもらい、㋐わざと浮かせて、相手に3球目を強ドライブ、もしくはスマッシュしてもらい、それを処理する ㋑相手に打たせず、先に攻める―バックからも同じ要領で行う)
⑤サービス+3球目攻撃(㋐フォア前にサービスを出し、オールにレシーブしてもらい、3球目を攻める ㋑バック前からも同じ―高い打点で、コースを考えて打つ。バックハンドドライブも使う。3球目がどうしても打てない時は、コースをついたりいなして5球目に結びつける)
⑥スマッシュとストップ(コート全面を使って、スマッシュとストップを一本ずつ打ってもらい、それを処理する―ノータッチで抜けるような所に打ってもらう。ロビングもいれる)
⑦多球練習(動き、反応を速くする)
...などです。
 インターハイでは、精神的に非常に落ちついてプレーすることができました。技術的には、カットで粘るべきところはしっかり粘り、打つべきところはしっかり打ち、攻守のバランスがよかったように思います。また、死に物狂いで練習、トレーニングに取り組んだことが、苦しい場面で耐えられ、そして乗り越えられた原因でした。その結果、団体、ダブルス、シングルスの3種目に優勝することができ、両親をはじめ、吉田先生、金井先生など、多くの方たちから喜んでいただき、大変うれしかったです。

 ~今後の目標と課題~

 昨年の全日本選手権の敗戦から、技術的にはレシーブの甘さを痛感し、現在レシーブの強化に重点をおいて取り組んでいます。レシーブでは、払う、ストップ、逆をつく...など、いろいろありますが、一つ一つしっかり身につけていきたいと思います。そしてできるだけ打球点の高いカットで、相手に余裕を与えず、また両ハンド攻撃しやすい位置でプレーできるように心がけています。そのためには、反応、動きを速くすることです。
 試合中でのカットと攻撃の割合は、特に決まっていません。状況によって自然に対応していくように考えています。私は固定観念にとらわれるのは好きではありません。カットとロングのバランスを崩さないようには気をつけますが、カットマンだからといってカット主戦で戦うばかりでなく、打ったり、ショートしたり、いろんなプレーをしてもかまわないと思います。むしろスケールの大きいオールラウンドの卓球を目指していますので、いろいろやった方がかえってよいと考えています。
 そういった意味でも、今後最大の課題は体力強化です。ランニング、ウエートトレーニングを中心に足腰を鍛えていますが、私は腕力、腹筋、背筋などが他の人より劣っているので、一つ一つ筋力アップしていかなければ、と思い、やっています。
 とにかく、これからどんどん厳しい試練に挑戦していき、精神面を強化していきたいと思います。
 最後に、私をここまで育ててくれた両親をはじめ、ご指導いただいた多くの方たちに、卓球の上で御恩返しができるよう、一日も早く一流選手の仲間入りし、世界で活躍できるようになりたいと思います。

しぶたにひろし
埼玉・熊谷商高3年。
右、シェーク異質カット主戦型(粘着性裏ソフト+イボ高使用)。
全国中学校大会3年連続優勝の大記録に続き、昨年は2年生で史上初のインターハイ3冠王。日本卓球界期待の本格派の大型カットマン。


(1985年4月号掲載)

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