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わたしの練習143大野知子 世界で勝てる選手に

 ~卓球との出会い~

 私が初めてラケットを握ったのは、小学校3年生の時でした。卓球専門店を経営している父が、ジュニア教室を開き、それに参加したのがキッカケです。週に一度の練習でしたが、いつも一番隅の台で遊んでいたのをいまでもよく覚えています。
 本格的に卓球に取り組むようになったのは、4年生の夏からですが、毎日の練習が苦痛でなりませんでした。卓球以外のことをいろいろやってみたかったからだと思います。しかし、絶対に"やりたくない"と言えない性格ですので、毎日休まず続けざるを得なかったのです。
 小学校6年生の時、全日本選手権ホープスの部の準々決勝で河合さん(現白鵬女高)と対戦し、敗れました。夏の団体戦では勝っていたので、負けた後、ベンチに帰って、その場に座り込んで泣きました。この時初めて、「もっと強くなりたい。もっと卓球がやりたい」という気持ちになったのです。
 この敗戦の悔しさがきっかけで、思いきり卓球をするために、武蔵野中学へ進学することを決めました。
 中学校に入ってからは、埼玉の自宅から学校まで1時間半かかり、朝6時前に家を出なくてはいけないので、体力的に苦しい毎日が続きました。
 学校での練習は月に何度かで、梅島クラブに週一度行き、あとは小学生の時と同じように家で練習しました。でも、帰宅時間が遅いので、どうしても短時間集中法の練習になってしまいます。
 基本練習はフットワークが多く、他に多球練習、ゲーム練習をやりましたが、特に、ゲーム練習が多かったように思います。日曜日は、ほとんど練習試合や近くのオープン戦に参加していました。試合をする中で何かをつかみ、技術を習得するように努めました。
 それに、中学生の時は、AGNT(ジュニアナショナルチーム)の選考会や合宿がたくさんあり、参加する度に刺激を受け、高校生のプレーを見て勉強することができました。また、アジアジュニア選手権にも二度代表になり、ヨーロッパ遠征にも参加させていただき、世界への道のりがまだまだ遠く、勝つことのむずかしさを痛感させられました。と同時に、「世界で勝てる選手になりたい」という気持ちを、強く持つようになりました。

 ~インターハイ前の重点練習~

 高校に進んでからは、通学にも慣れ、精神的に毎日の練習を見直す余裕が出てきました。また、練習時間もいくらか多くとることができるようになりました。
 練習内容は、大きな大会が終わるごとに自分の卓球を見直し、レポートに書き出して作るようにしています。大会が終わった後は、フットワーク、多球練習が多く、大会が近くなるにつれて、応用練習が多くなります。
 多球練習は、カット打ち、とびつき、レシーブ練習などをしますが、速いリズムのラリーで打球感覚を調整するために行うこともあります。
 中学校2年生の頃までは大好きだったカットマンに、中3の全国中学校大会、全日本ジュニアと続けて負け、昨年の全日本選手権でも、一般の部、ジュニアともに負けてしまいました。それ以来、攻撃選手に負けてもいいから、とにかく対カットの壁を乗り越えようと、カット打ちに力を入れて取り組んでいます。
 インターハイ前は、ヨーロッパ遠征、ジュニアの合宿、それに期末試験が続き、2週間程しか期間がありませんでした。が、夏休みに入り、体調も落ち着いたので集中して練習できたと思います。
 練習内容は、フットワークなどの基本練習の後、サービス、レシーブからの応用練習やシステム練習を多く取り入れました。今回は、試合前になると、精神的に何かをしないと気持ちが落ち着かない状態だったので、いつもの練習のほかに、一人でサービス練習をした後、ロボットマシンを使って練習しました。ロボットマシンは、決まったボールしか来ませんが、自分の調子を確かめたり、スイングを速くするのに効果的でした。
 フットワークとカット打ちが中心で、他にロビング打ち、ドライブ打ちも行いました。全日本選手権が終わってから、不振続きだったので、今度こそ勝たなくてはいけないと思い、まったく関係のない小・中学生頃のノートまで読み返したりもしました。
 大会期間中は体調も良く、思いきった試合をすることができました。細かい気づかいをしていただいた先生やチームの人たち、また、いつもカットで練習相手をしていただいた先輩、応援してくださったたくさんの方に感謝しなくてはいけないと思っています。

 ~今後の課題~

 今回、インターハイで優勝することができ、やっとスタートラインに立てた気がします。でも、8月末に行われた国際ジュニア大会では、同じくらいの年齢の選手たちとの技術の差が感じられました。アジアの選手でも体格の大きい選手が多く、ボールに威力があり、私の上半身だけのフォアハンドではドライブを叩くことができませんでした。
 そこで、一番自分に不足を感じたのは、サービス力です。競り合っていても、大事な1本をレシーブミスで失点してしまい、サービスの上手な人の恐さをあらためて知りました。競り合って負けた試合が多かったのですが、今の私では誰と当たっても、競り合うことはできても負けたと思います。大事な1本がとれない技術の足りなさを痛感しました。また、自分と同じ戦型の選手が多く、大変勉強になりました。精神力、体力、もちろん技術も世界で勝てる選手を目標に練習していこうと思います。
 今後の課題は、
①サービスの威力、レシーブの安定性をつけること
②カット打ちの強化
③3球目、4球目攻撃を増やすこと
④パワーをつけること
...などです。
 「100回試合をして99回負けても、一度だけ勝った試合が本番であればいい」と、いつも太田先生に言われます。私もコートに向かう時は、「勝つとも負けるとも思わない」白紙な気持ちを持つよう心がけています。常に挑戦していく気持ちを大切にし、これからもがんばりたいと思います。

おおのともこ
武蔵野高
'89年全国高校女子単優勝


(1989年11月号掲載)

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