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「マリオの指導アプローチ」 第5回 レシーブ

 レシーブ技術を鍛えることは頭脳を駆使すること
―前回はサービスについてお話ししていただきました。今回はレシーブについてお願いします。レシーブはどれくらい重要ですか?
マリオ これまでも何度か言ったと思いますが、卓球は50パーセントが攻撃的プレーで、残りの50パーセントはレシーブやブロックなど守備的なプレーです。しかし、若い選手や初~中級レベルの選手に多く見受けられるのは、ドライブやスマッシュなどの攻撃的な練習の方が、レシーブやブロック、しのぎなどの守備的な練習に比べて圧倒的に多いということです。
 レシーブや意識的なブロックの練習よりも、ドライブやスマッシュの練習の方が楽しいのは確かです。しかし、だからといって守備的な練習をおろそかにするのは良くありません。確実なレシーブができることこそが、攻撃への第1歩なのです。
 よく観察してみると、どこの国のトップ選手たちも、レシーブ技術がどんどん上達しているのがわかると思います。少し前までは受け身のレシーブをしていた選手が、攻撃的なツッツキやフリックでレシーブするように変わってきているのに気がつくでしょう。
―本当に、ここ数年でレシーブ技術は格段の進歩を遂げています。時には、「サービスの有利さ」はもはや消えてしまったという印象を受けることさえあります。世界の中で、レシーブが特に上手な選手を挙げるとすれば誰でしょうか?
マリオ もし5年前にこの質問をされたとしたら、私は迷わずヨルゲン・パーソン(スウェーデン)の名前を挙げたことでしょう。彼のレシーブは素晴らしく、相手を驚かせる様々なレシーブ技術を持っていました。
 今日では、特別な選手の名前は挙げられません。世界レベルの選手の間には、もはやレシーブ技術の差はほとんどなくなりました。レシーブが上手な選手を強いて挙げるとすれば、知的かつ変化に富んだレシーブをするヴェルナー・シュラガー(オーストリア)です。しかし、レシーブが上手な選手は他にもたくさんおり、中国選手はたいていレシーブが上手です。ティモ・ボル(ドイツ)もレシーブの上達が著しいと思います。
 一般的にいって、トップ選手たちのレシーブ技術は高いのです。レシーブが良くなければ、トップレベルのリーグに入ったり、そこに残って活躍し続けたりすることはできません。
 低いレベルでは、往々にして試合がサービスで決まってしまうことがあります。それは、上手にレシーブできないからなのです。
―意識してレシーブ技術を鍛えることはできますか?
マリオ レシーブ技術を鍛えることはとても労力がいることで、長いプロセスになります。レシーブ技術を鍛えるということは、体を使うというよりも、頭脳を駆使することなのです。
 しかし、多くの選手、とりわけ若い選手たちにとっては、レシーブ技術を鍛える練習は退屈なものです。ほとんどの選手は、自分が壁に突き当たったときに、初めてレシーブ技術の重要性を理解します。例えば、これまで世界ランキング500位だった選手が100位くらいに上がり、世界のトップ20に入るような選手と対戦するようになって初めて、今の自分のレシーブ技術ではまったくチャンスがないことを思い知らされるのです。そうなってから、まじめにレシーブ技術を鍛えることに取り組むというケースが多く見受けられます。
 相手のプレーを分析し最適なレシーブを選択する
―良いレシーブをする秘けつは何ですか?
マリオ 相手のプレーを分析し、長所はどこか、どのようなパターンが得意か、弱点はどこかなどを知った上で、最適なレシーブを選ぶことです。さらに、サービスのいろいろなコースにも対応できなければなりません。
 そして、こちらのレシーブに対する相手の返球のことも考えておかなければなりません。サーバーがどのようなレシーブを予想してサービスを出しているか、どのような回転のレシーブにヤマを張って3球目を待っているかを読み取る能力が必要なのです。例えば、「こちらがストップレシーブをしたら、相手は3球目で何をするだろう?」などということを予測した上でレシーブすることが重要なのです。
 また、サーバーが予期していないようなレシーブ、サーバーを驚かせるようなレシーブをする技術も重要です。
―レシーブが上達したいと思っている若い選手にアドバイスするとしたら、どのようなことですか?
マリオ どのようにすればレシーブが上達するかということは非常に複雑で、選手1人ひとりによって異なる問題ですから、すぐにうまくお答えすることはできません。
 しかし、初~中級の選手に1番多く見受けられる間違いで、すぐに直すことができるものを2点指摘させてもらいましょう。
 1つは、レシーブのときの姿勢です。多くの選手は、初めから棒立ちになりすぎて構えています。もしくは、最初は低い姿勢を保っていても、いざサービスが出された瞬間に低い姿勢を忘れてしまうのです。このように棒立ちの姿勢になった時点で、もはや良いレシーブをすることはできません。
 もう1つの間違いは、早くボールを打ちすぎることです。初~中級の選手の多くは、ボールが自分のコートにバウンドするや否や打ってしまう傾向があります。しかし、バウンド直後のボールというのは、サービスの回転が最も残っている状態なのです。しかも、サービスが横回転だった場合は、バウンド直後ではボールが曲がるコースを読むことが非常に難しいのです。
 私はいつも「バウンド後にボールを少し飛ばさせて、それを見なさい」と勧めています。そうすれば回転が少し弱まり、判断が簡単になるからです。
 また、先ほども言いましたが、頭脳を使うことが重要です。ただ何となくレシーブするのではなく、考えることが重要なのです。

(2005年6月号掲載)


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