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卓レポ名勝負セレクション 
The Artist Kenta Matsudaira 松平健太 Select.3

 卓球レポートは国内外のさまざまな大会へ足を運び、およそ半世紀にわたり、あまたの熱戦を映像に収め続けてきた。その膨大な映像ストックの中から、語り継がれるべき名勝負を厳選して紹介する「卓レポ名勝負セレクション」。
 今回から、芸術的なタッチで観るものを魅了する松平健太(ファースト)の名勝負の数々を紹介していく。
 今回は、馬琳(中国)との2009年世界卓球選手権(以下、世界卓球)横浜大会男子シングルス4回戦をお届けしよう。

■ 観戦ガイド
横浜アリーナを熱狂させた歴史的名勝負
金メダリストを本気にさせたプレーを見よ!

 男子シングル2回戦で格上の呉尚垠(韓国)をゲームオールの大接戦で下した松平(当時 青森山田高)は、続く3回戦で実力者のガルドシュ(オーストリア)をゲームカウント4対2で下すと、4回戦で馬琳と対戦する。

 馬琳は、2008年に地元の中国で行われた北京オリンピック男子シングルスで金メダルを獲得しており、この世界卓球横浜大会でも優勝候補の一人だ。中国式ペンを使う馬琳の多彩で精度の高いサービスとレシーブは世界ナンバーワンとの呼び声高く、フットワークの良さはもちろんのこと、相手との駆け引きにも長けている。
 松平にとっては、2回戦で対戦した呉尚垠以上にはるか高い壁だ。

「馬琳を相手に、松平はどこまで迫れるかな」。そんな軽い期待に包まれていた横浜アリーナだったが、しかし、松平の予想以上のパフォーマンスによって会場の熱気は徐々に高まっていく。
 誰もが頭を抱える馬琳の変化サービスを苦にしない松平は、打球点の早い両ハンドで畳み掛け、馬琳を後手に回す。一方の馬琳も、必死のフットワークでボールを追いかけ、オリンピック金メダリストの意地を見せる。
「松平の潜在能力は非常に高い。試合の後半からはオリンピックの決勝を戦っているイメージでプレーすることで逆転できた(卓球レポート2009年6月号より抜粋)」と馬琳に言わしめた一進一退の攻防を、とくとご覧いただきたい。

 余談になるが、後年、松平と雑談していた際、この試合で松平のベンチに入った吉田安夫氏(当時 青森山田学園総監督)とのエピソードを明かしてくれたことがある。それは、「馬琳との試合で、吉田先生が2回目のタイムアウト(※)を要求したんですよ。僕は意外と冷静で、『先生、(タイムアウトは)もう1回取ってます』ってジェスチャーしたんですけど(笑)」というものだ。
 昨年の夏に逝去された吉田氏といえば、数え切れないほどの名選手を育てた日本卓球界で比類なき巨匠だ。その吉田氏が、興奮のためかタイムアウトの回数を誤ってしまったというエピソードは、この試合のすごさを端的に物語っているといえるだろう。
(文中敬称略)

※タイムアウトを取れるのは1試合につき1回

(文/動画=卓球レポート)

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