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卓レポ名勝負セレクション 
絶対女王 張怡寧 Select.1

 卓球レポートは国内外のさまざまな大会へ足を運び、およそ半世紀にわたり、あまたの熱戦を映像に収め続けてきた。その膨大な映像ストックの中から、語り継がれるべき名勝負を厳選して紹介する「卓レポ名勝負セレクション」。
 今回から、隙のないオールラウンドプレーで一世を風靡した張怡寧(中国)の名勝負を紹介している。
 初めに、Vi.パブロビッチ(ベラルーシ)との2005年世界卓球選手権(以下、世界卓球)上海大会女子シングルス準々決勝をお届けしよう。

■ 観戦ガイド
母国で初優勝を目指す張怡寧
圧巻のプレーは、カット攻略のバイブルだ

 歴代最強の冠称にふさわしい女子選手は誰か。世代や観戦した試合によって、この議論の答えはそれぞれあると思うが、間違いなく名前が挙がる選手が、張怡寧だ。
 隙のない両ハンド攻守と、パワフルかつ素早い連続攻撃で数々のビッグタイトルを総なめにした張怡寧のプレースタイルは、現在のスピーディーでパワフルな女子卓球の起源であると言っても差し支えないだろう。
 プレーの先進性に加え、冷静で凛としたコート内外の立ち居振る舞いも印象的で、張怡寧は、「女王」と称するにふさわしい卓球史上に残る選手である。

 張怡寧が頭角を表したのは、1999年世界卓球アイントホーフェン大会だ。弱冠16歳にして、女子シングルスで決勝まで勝ち上がった張怡寧は、次代の世界チャンピオン候補として一躍脚光を浴びる。
 その後、2001年世界卓球大阪大会3位、2003年世界卓球パリ大会2位と、ビッグタイトルまであと一歩届かない雌伏の時を過ごすが、2004年アテネオリンピック女子シングルスで圧倒的な強さで金メダルを獲得し、ついに世界の頂点に立つ。
 張怡寧は、この2005年世界卓球上海大会に優勝候補の筆頭として臨んでいた。

 オリンピックは制したものの、世界卓球女子シングルスのタイトルをまだ手にしていなかった張怡寧は、母国での初優勝を目指し、圧倒的な強さでベスト8まで勝ち上がる。
 準々決勝の相手は、カット主戦型のVi.パブロビッチだ。
 世界ランキング14位(2005年4月5日発表)で上海大会に臨んでいたVi.パブロビッチは、守備範囲が広い上によく切れたカットと機を見たスマッシュが持ち味で、3回戦で平野早矢香(当時 ミキハウス)、4回戦では帖雅娜(香港)と実力者を倒して勝ち上がってきた。

 一般に、女子の攻撃型の選手は、カット主戦型を苦手にする傾向がある。男子のようにパワーにまかせてカットを打ち抜けないからだ。
 しかし、試合が始まると、そんな一般論を吹き飛ばすかのように張怡寧が圧巻のカット打ちを披露する。
 つなぐときのコースや長さ、強打のタイミングなど、張怡寧が見せる完璧なカット攻略は、男女を問わず、全ての選手にとって参考になるだろう。
(文中敬称略)

(文/動画=卓球レポート)

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