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卓レポ名勝負セレクション 
絶対女王 張怡寧 Select.3

 卓球レポートは国内外のさまざまな大会へ足を運び、およそ半世紀にわたり、あまたの熱戦を映像に収め続けてきた。その膨大な映像ストックの中から、語り継がれるべき名勝負を厳選して紹介する「卓レポ名勝負セレクション」。
 今シリーズは、隙のないオールラウンドプレーで一世を風靡した張怡寧(中国)の名勝負を紹介している。
 今回は、郭炎(中国)との2005年世界卓球選手権(以下、世界卓球)上海大会女子シングルス決勝をお届けしよう。

■ 観戦ガイド
世界卓球初Vをかけた決勝の大一番
プレッシャーを抑え込んだ張怡寧が躍動する

 準決勝で、元中国女子ナショナルチーム代表にして2001年世界卓球大阪大会女子シングルス2位の実績を持つ林菱(香港)を、上から抑えつけるようなプレーで圧倒した張怡寧は、決勝へ順当に勝ち上がる。

 母国での世界卓球初制覇をかけて決勝を戦うのは、郭炎だ。
 郭炎は、3回戦で、この年の3月に行われた女子アジアカップで敗れた福原愛(当時16歳)にリベンジして勢いに乗ると、準決勝では新鋭の郭躍(中国)を倒して決勝まで勝ち上がってきた。
 パワフルなフォアハンドドライブと安定性の高いバックハンドが持ち味で、闘志を前面に出したプレーも郭炎の大きな特徴だ。
 ちなみに、張怡寧と郭炎は同じ北京市出身で、同い年という間柄でもある。

 互いに手の内を知る両者の試合は、台上争いを中心とした静かな探り合いから始まるが、優勝候補筆頭のプレッシャーからか、張怡寧に珍しく凡ミスが目立ち、第1ゲームは郭炎が先制する。
 しかし、ここで気持ちが萎縮しないのが、張怡寧の絶対女王たるゆえんだ。

「まず技術面だが、彼女の戦型はオールラウンドで、明らかな弱点がなく、攻守両面で優れ、前陣でも中陣でも戦える。女子選手にとっては、なかなか到達できない水準だ。
 精神面でも彼女は優れている。常に冷静でいられるようになったし、動揺を表情に出さない。彼女の試合を私は何回も見たことがあるが、ポイントを離されても守り一辺倒に陥っても、動揺を表さない。(中略)
 困難にぶち当たったとき、そこで踏ん張り切らなければ、一気に押し切られてしまう。そんな場面で張怡寧は、のしかかるプレッシャーに抗することができる(卓球レポート2010年9月号より抜粋)」とは、中国の往年の名選手・李富栄が記した張怡寧評だが、この評価通り、張怡寧は初優勝へのプレッシャーを抑え込み、ラリーの主導権を奪い返していく。
(文中敬称略)

(文/動画=卓球レポート)

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