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卓レポ名勝負セレクション 
世界卓球2024釜山の軌跡 Select.11 
平野美宇(日本) 対 王芸迪(中国)

 卓球レポートは国内外のさまざまな大会へ足を運び、およそ半世紀にわたり、あまたの熱戦を映像に収め続けてきた。その膨大な映像ストックの中から、語り継がれるべき名勝負を厳選して紹介する「卓レポ名勝負セレクション」。
 今回シリーズでは、2月に韓国の釜山で開催された第57回世界卓球選手権大会団体戦(以下、世界卓球2024釜山)で繰り広げられた激闘の軌跡をたどる。
 今回は、女子団体決勝の中国対日本の3番、平野美宇(日本)対王芸迪(中国)の名勝負をお届けしよう。

■ 観戦ガイド
勝った方が世界一に王手をかける3番
平野が会心のバック対バックでペースを握る

 1番張本美和が世界女王・孫穎莎の圧倒的なプレーの前に敗れるも、2番で早田ひなが東京五輪女子シングルス金メダルの陳夢を見事な戦術転換で下し、エースとしての大役を果たす。
 振り出しに戻った一戦は、平野美宇対王芸迪の3番を迎えた。
 
 早田と並んでチームの柱として世界卓球2024釜山に臨んだ平野は、この決勝まで7戦負けなしでベンチの期待に応えている。グループリーグのイラン戦でアシュタリのアグレッシブな変化プレーに追い詰められたが、そこを気持ちの強さで切り抜けると、香港との準決勝ではラリー巧者の李皓晴を圧倒的な両ハンドで一蹴した。過酷な選考レースを戦い抜き、パリオリンピック女子シングルス日本代表(候補予定)の座を勝ち取ったことで、心身ともに充実の時を迎えている感がある。
 
 迎え撃つ中国は、決勝の3番に王芸迪を抜擢(ばってき)してきた。バック対バックに無類の強さを誇り、台上での突発的な両ハンドでのフリック(払い)を得意とする選手だ。
 孫穎莎に次ぐ世界ランキング2位の王芸迪だが、昨年行われた世界卓球2023ダーバンアジア競技大会の女子シングルスではいずれも早田に敗れている。ビッグマッチで立て続けに外国選手に敗れた王芸迪にとっては、チームの勝利に向けてはもちろんのこと、中国チームの信頼を得る上でも絶対に負けられない一戦だ。
 
 平野と王芸迪はこれまで幾度か対戦があるが、2023年のシンガポール スマッシュでは平野が勝利し、直近の世界卓球2023ダーバンでは王芸迪が勝利している。ビッグマッチでコンスタントに上位まで勝ち上がる王芸迪は安定感で平野をしのぐが、攻めの強さでは平野に分があり、両者の力は拮抗(きっこう)していると言っていい。
 
 勝った方が世界一に王手をかける重要な一戦は、両者に硬さが残る中、緊迫感漂う探り合いの展開で序盤が進む。
 しかし、「最初は緊張感があったが、相手も(王芸迪も)緊張していると感じてから思い切れた」という平野が、第1ゲーム終盤のし烈なバック対バックを物にして先制すると、ハリケーンと称される攻撃力をいかんなく発揮して王芸迪の堅陣をこじ開けていく。
(文中敬称略。世界ランキングは大会時)

↓動画はこちら

(文/動画=卓球レポート)

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