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基礎からよく分かる! 黄鎮廷の裏面ドライブ ④裏面チキータ

 世界で活躍するペンホルダー、黄鎮廷(ウォン・チュンティン/香港)。この特別企画では、黄鎮廷の最大の武器である「裏面ドライブ」を、本人のコメントを交えながら分かりやすく解説していく。
 裏面ドライブとは、ペンホルダーの裏面に裏ソフトラバーを貼り、シェークハンドのバックハンドドライブのようにスイングする技術で、「バックの攻撃力が弱い」というペンホルダーの弱点を補うために生まれた技術だ。
 第4回は、裏面でチキータするときのポイントを紹介しよう。

※本文の技術解説は右利きプレーヤーを想定しています

【構えのポイント】
ボールと適度に距離を取って
スイングスペースを確保する

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 台上に来たボールをバックハンドドライブで攻撃するチキータは、台上から先手を取るために欠かせない技術だ。
 チキータと聞くとシェークハンドの選手が使う技術というイメージが強いが、ペンホルダーで裏面にラバーを貼る選手にとっても必須の技術だ。ペンホルダーの裏面チキータはシェークハンドのチキータとはひと味違ったボールの回転や軌道になるので、身に付ければ大きな武器になるだろう。
 今回は、バック前に来た下回転サービスを裏面チキータするパターンを例に挙げて、この技術のポイントを紹介していこう。

 バック前に来た下回転サービスに対して裏面チキータするときは、レシーブを構えた位置から右足を踏み込み、体をボールに近づけることが先決だ。体をボールに近づけることで、ボールの見極めがよくなり、スイング時の力加減や打球面の微調整が利きやすくなる。
 ただし、ボールに近づくことが先決だとはいえ、ボールへの近づきすぎには注意が必要だ。黄鎮廷は「裏面チキータのスイングがスムーズにできるよう、ボールと"適度に"距離を取ることが重要」と話しており、体がボールに近づきすぎると、スイングするためのスペースがなくなってしまう。
 この注意点を踏まえ、裏面チキータするときは、ラケットをしっかり振れるスペースを確保することを意識して右足を踏み込もう。黄鎮廷が右足を踏み込んだときのボールとラケットの距離を参考にしてほしい(写真A-3)。

【バックスイングのポイント】
わきを空けてひじを体から離し
手首をしっかりひねって準備

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 続いて、裏面チキータのバックスイングのポイントを見ていこう。
 ボールと適度に距離を取る位置に右足を踏んだら、ひじを前に突き出すようにして体から離し、ラケットの先を自分の方へ向けるように手首をしっかりひねって準備することが、バックスイングのポイントだ。
 このように準備することにより、ひねった手首を返しながら台上の短いボールをこすり上げるように打つことができる。

  バックスイングでは、ラケットを台すれすれに置き、ボールよりも低く構えておくことも心掛けたいポイントだ(写真B-3)。このラケットとボールの位置関係をつくることにより、台上のボールをこすり上げやすくなる。

【スイングのポイント】
手首を鋭く斜め上に返して
ボールの左上をこすり上げる

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 ひじを体から離し、手首をしっかりひねってバックスイングしたら、ひねった手首を鋭く返しながら斜め上にコンパクトにスイングする。そうして、ボールの正面より少し左上をこすり上げるように打つことが裏面チキータのスイングの要領だ。ひじをほんの少し上げる勢いを利用しながら(写真C-1~2)、手首を鋭く返してボールをこすり上げよう。

「この技術は手首をしっかり使えるかどうかが重要」と黄鎮廷は語っており、台上のボールに対して小さめのスイングで裏面ドライブする裏面チキータは、手首が鍵になる。
 手首を鋭く使うためには、力加減がポイントだ。具体的には、打球の瞬間にのみ手首に力を入れ、それ以外は手首から余計な力を抜くことを意識してみてほしい。このように、手首の力の入れ加減にメリハリをつけると、手首を鋭く動かすことができるだろう。

 打球点は、バウンドしてすぐの早いところではなく、ボールがバウンドが頂点から落ちてきたあたりを狙うことが基本だ。頂点後まで打球点を待つことによって、ボールをこすり上げるように打ちやすくなる。

 なお、裏面チキータのバリエーションとして、ボールの左上だけでなく、横や下の方を捉える方法もある。ペンホルダーの裏面チキータは、グリップ(ラケットの握り)の特徴から、シェークハンドに比べてボールの横や下の方を捉えやすく、回転や軌道に変化をつけやすい。こうしたバリエーションを使い分けられると、裏面チキータはさらに強力な武器になるだろう。



(文=猪瀬健治 写真=佐藤孝弘 動画=小松賢)

『ディグニクス05』

黄鎮廷の裏面ドライブのような回転を重視した攻撃的なプレーをハイレベルで求める選手にお勧めのラバーです。
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