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教えて!上D 第5回「試合前の練習」

現役トップ選手の中でも「教え上手」として名高い上田仁(岡山リベッツ)選手が、ツイッターで募集した卓レポ読者からの質問に答える「教えて!上D(ウエディー)」。今回は「試合前の練習」について、上Dが詳しくレクチャーしてくれました。

※本文の技術解説は右利きプレーヤーを想定しています

Q.試合前の練習

試合が始まるまでのウオーミングアップと練習で「これはやっておくといい」というようなことはありますか?(そらさん)

A.基本的な練習で調子を上げよう

 僕は結構緊張するタイプなので、試合が近づくにつれて不安が増して、苦手なところを克服しようとするクセが中高生時代にありました。試合の30分前に練習しても技術的な弱点を克服できるわけがないのに、練習して、結局、不安なまま試合に臨んで実力を発揮できないということがよくありました。

 そうした経験の中で気づいたのは、試合の前には「余計なことをしない方がいい」ということです。海外のトップ選手などの試合前の練習を見ていても、基本的な練習しかしない選手がほとんどです。それは自分の調子を上げることを一番重視しているからです。このような練習をすると、自分の気持ちも必然的に高揚し、いいイメージで試合に臨みやすくなります。
 もちろん対戦相手を想定した対策練習もしますが、自分の苦手な練習、弱い部分を強化するような練習を試合直前にしている選手はほとんど見受けられません。なぜなら、このような練習をしても、よい状態で試合に臨むことが難しいからです。

 トップ選手が試合前に、基本的な練習を重点的にやる一方で、全中やインターハイ、全日本卓球選手権大会ジュニアの部などを見ていると、「試合前にこの練習をしていて大丈夫かな」と心配になるような「弱点克服型の練習」をしている選手がしばしばいます。
 安定して勝てる選手は、自分の調整方法が分かっているので、コンスタントに好成績が残せているのです。練習では強いけど、試合では実力が発揮できないという選手は、試合前の練習を見直してもらうといいかもしれません。

 参考までに、僕の場合は、フォアハンドで動くフットワーク練習と切り替えの練習の2つは必ずやるようにしています。普段であれば、フットワーク練習でも複雑なものを取り入れますが、試合前はシンプルに「フォア側1本→バック1本に動いてフォアハンドドライブ」や「2本ずつの両ハンドの切り替え」などをやるようにしています。
 加えて、サービス練習、サービスからの3球目攻撃の練習と、自分の得意な展開を多めにやることが多いです。

 また、試合当日の練習の前は、朝イチに入念にウオーミングアップをします。動きのない静的なストレッチに加え、走りながら肩を動かすなど、動きを入れたストレッチをしてから打球に入るようにしています。
 午前中に試合があって、お昼ごはんを挟んで午後にも試合があるという場合は、もう一度同じストレッチから始めるのではなく、体幹トレーニングや腕立て伏せ、腹筋などで一度リラックスしてしまった体を刺激してから、打球練習に入るように心掛けています。


まとめ=卓球レポート編集部

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