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予測不能!世界を翻弄する林昀儒のサービス
第4回 オーソドックスなのに相手が惑う理由

 飛躍的な成長で世界を驚かせている中華台北の若きエース・林昀儒(リン ユンジュ)。
 この特別企画では、林昀儒の大きな武器であるサービスのメカニズムについて、本人のコメントを交えながら迫っていく。
 林昀儒が試合で主に使うサービスは、「横下回転ショートサービス」「横回転ショートサービス」「横下回転ロングサービス」「ナックル性ロングサービス」の4つだ。前回は、これらのうち横回転系サービスを出す時のバックスイングにフォーカスした。
 今回は、横下回転ショートサービスと横回転ショートサービスのスイングのポイントと、この二つのサービスを見分けにくくするコツに迫ろう。

横下回転ショートサービスと横回転ショートサービスのスイング

ボールを打つ時の面を変えて 二つの横回転系ショートサービスを出し分ける

 横下回転ショートサービスのスイングから見ていこう(写真A-1〜5)。林昀儒はバックスイングでラケットの打球面を上向きにすると(写真A-2)、ひじを軽く上げながらラケットを前に動かして、ボールの横下を打球(写真A-3)。打球後は、上体の前傾を深めながらラケットの動きを小さめに抑えている。 「(打球する前は)腕をリラックスさせて、ラケットでボールを捉える(こする)瞬間に力を入れます」と林昀儒が言う力の入れ加減は、スムーズかつ鋭いスイングでボールをこするために欠かせないポイントになる。必ず参考にしてほしい。

 一方、横回転ショートサービス(写真B-1〜5)を出す時は、横下回転ショートサービスを出す時よりもラケットの打球面を立てて準備し(写真B-2)、ボールの横を打っている(写真B-3)。「横回転を出す時は、ラケットを少し立て、ラケットを少し持ち上げるように動かします」という林昀儒のコメントが参考になる。
 打球後は、横下回転ショートサービスと同じように、ラケットの動きを小さく抑えているところも参考にしてほしい。

変化を分かりにくくする鍵は「形」と「速さ」

 サービスエースを連発する、いわゆる「ビッグサーバー」と呼ばれる選手には、打球時にひじを突き上げるように腕をダイナミックに動かしたり、フォロースルー(打球後のラケットの動き)を大きくしたりするなどの傾向が見られる。
 しかし、ここで紹介している写真から分かるように、林昀儒のフォームはどちらかというとおとなしめだ。このオーソドックスなフォームから、なぜトップ選手たちが頭を抱えてしまうほどの変化をつけることができるのか。  その秘訣を、林昀儒は次のように語る。

「できるだけ同じスイング、同じ動作に見えるように横下回転と横回転を出しています。
 また、二つのサービスでスイングの速さが変わってしまうと相手に回転の変化を見極められてしまうので、同じ速さのスイングでサービスを出すことを心掛けています」

 レシーバー側から撮影した上の二つの写真(写真C-1〜6、D-1〜6)を見比べると、インパクト付近の打球面以外は、林昀儒が言うように体の前傾角度やラケットを動かす範囲がほとんど同じだ。オーバーアクションを極力抑えた林昀儒のスイングは、それぞれのサービスのフォームを似せやすくするためだとも言える。
 前回紹介した二段式バックスイングに加えて、今回紹介したように酷似したフォームで横下回転と横回転のサービスを出し分けられたら、対戦相手からすると見分けるのは至難の業だろう。
  「同じモーションや同じスイングスピードで異なる回転のサービスを出す」とはサービスの効果を高めるポイントとしてよく言われるが、それを忠実に実行しているからこそ、林昀儒のサービスは効くのだ。


(取材/まとめ=卓球レポート編集部)

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