1. 卓球レポート Top
  2. 大会
  3. 国際大会
  4. 世界卓球
  5. 2012ドルトムント
  6. 球史に残る戦いとなった一戦は韓国が勝利

球史に残る戦いとなった一戦は韓国が勝利

20120330-4.jpg

20120330-5.jpg

20120330-6.jpg

 世界選手権大会の団体戦で2大会続けてメダルをかけた準々決勝で対戦する女子の日本対韓国。もはや宿命としかいいようのない戦いは、前回のモスクワ大会では5時間に及ぶ死闘の末、日本が韓国に勝った。

 昨日の記事では「韓国が金璟娥以外にどの選手を使うのか」がポイントだと書いたが、今日の戦いで韓国はカットの朴美英を外して、石賀浄と唐イェ序を使ってきた。

 1番は福原対金璟娥。福原は過去4年間の対戦で金璟娥に0勝7敗と勝っていない。しかし、この試合ではそれまでの「ツッツキからバックハンドスマッシュで得点を狙う」というカット打ちから、「緩急をつけたフォアハンドドライブからのフォアハンドスマッシュ」という戦術で挑み、1ゲーム目を簡単に取った。2、3ゲームも同じ戦術で攻めのカット打ちをつかった福原だが、金璟娥がその戦術に慣れてきたことと、福原自身がやや打ち込みすぎでミスも目立つようになり、2、3ゲームを落とした。

 4ゲーム目からの福原は、攻めのカット打ちと無理なボールはツッツキで粘る戦術を織り交ぜて試合を有利に進める。4ゲーム目を取った福原は5ゲーム目を10対9でマッチポイントを握り、最後は渾身のフォアハンドスマッシュを打って激戦にピリオドを打った。今大会の福原は、精神的な部分でブレがなく、それが彼女の強気のプレーに結びついている。

 2番の石川と石賀浄の戦いも両者一歩も引かずに最終ゲームへ。サービスで石賀浄を崩してスタートダッシュに成功した石川が9対3までリード。最後までその差が縮まらず石川が2点目をあげた。

 このまま決めたい日本と後がない韓国。流れは完全に日本にきていたが、平野は唐イェ序に1ゲーム目を競り負けたのが痛く、1対3で敗れる。

 4番の福原対石賀浄は大方の予想に反して石賀浄がストレート勝ち。石賀浄は福原のナックル性の重いバックハンドをネットミスすることなく、両ハンドドライブでコーナーをつく。左右に揺さぶられた福原は防戦一方になってしまう。韓国が2点を取り返して、2対2のタイに持ち込んだ。

 ラストは石川対金璟娥。石川は回転をあまりかけないドライブを金璟娥のバック側に集めて、ツブ高でのカットの変化を抑えさせて、浮いたカットを強打という戦術。金璟娥は全盛期ほどの粘りは見られないものの執念のカットで石川のスマッシュミスを誘い、ゲームカウントを2対1とリードする。石川はうまくカット攻略をしているが、ゲームの終盤で金璟娥にスーパープレーをされてしまった。4ゲーム目になってスマッシュの精度が上がった石川が8点で取り、宿命の対決は最終ゲームにもつれる大接戦になった。

 5ゲーム目、金璟娥の低いカットとツッツキを鋭いスマッシュで狙い打った石川が8対4と大量リード。「点数のことは気にしてはいけないと思っていましたが、8対4のときに早く決めたくて焦ってしまった」と石川が試合後に振り返ったように、ここから難しいボールを打ちにいってミスを重ねてしまい、9対10とマッチポイントを握られてしまう。次を取ってジュースに追いつき、2度マッチポイントをつかんだ石川だったが、最後は経験に勝る金璟娥が決めて、長く厳しい戦いに終止符を打った。

 前回大会に続いて壮絶な戦いとなった一戦。日本にしてみれば、警戒していたカットではなく、攻撃型の唐イェ序と石賀浄に得点を許してしまったのが大きく響いた。

\この記事をシェアする/

Rankingランキング

■大会の人気記事

NEW ARTICLE新着記事

■大会の新着記事