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2023年全日本社会人卓球選手権大会 ~男子シングルスは松平賢二(協和キリン)が9年ぶり2度目の優勝~


 社会人の日本一を決める全日本社会人卓球選手権大会が、2021年10月27日(金)~29日(日)まで、青森県の新青森総合運動公園マエダアリーナで開催。
 大会3日目の最終日は、男子シングルス6回戦~決勝が行われ、松平賢二(協和キリン)が2014年愛知大会以来となる2度目の優勝を果たした。

【男子シングルス優勝】
松平賢二(協和キリン)

優勝を決め、「心強かった」というベンチの田原と

強攻を控え、回転重視の我慢のプレーで頂点に

強敵の丹羽を下し、両腕を高々と掲げた


▼男子シングルス6回戦
丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス) -8,4,11,-7,11 𠮷田雅己(木下グループ) 
松下大星(クローバー歯科カスピッズ) -6,12,-10,4,3 大矢英俊(ファースト) 
渡辺裕介(協和キリン) 9,7,9 宮本春樹(クローバー歯科カスピッズ) 
高木和卓(ファースト) -8,8,10,13 上村慶也(シチズン時計)  
笠原弘光(Handy) -5,8,-3,11,9 髙見真己(日鉄物流ブレイザーズ) 
松平賢二(協和キリン) 9,4,7 皆川朝(日野キングフィッシャーズ) 
田添健汰(木下グループ) 7,3,-10,9 松山祐季(協和キリン) 
小野寺翔平(リコー) -10,6,-9,5,4 飯野峻輔(MD相模)

▼男子シングルス準々決勝
丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス) 7,11,9,7 松下大星(クローバー歯科カスピッズ)  
渡辺裕介(協和キリン)  -8,-10,-9,9,8,7,11 高木和卓(ファースト)  
松平賢二(協和キリン) -9,-1,10,-9,5,7,9 笠原弘光(Handy)    
小野寺翔平(リコー) 9,-9,10,-7,6,8 田添健汰(木下グループ) 

▼男子シングルス準決勝
丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス) 7,6,-8,7,10 渡辺裕介(協和キリン)  
松平賢二(協和キリン) -9,4,9,-9,11,10 小野寺翔平(リコー)

▼男子シングルス決勝
松平賢二(協和キリン) 10,-13,-6,10,8,9 丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス)

 男子シングルスは、松平賢二(協和キリン)が2014年愛知大会以来、9年ぶり2度目の優勝を果たした。
 準々決勝で笠原弘光(Handy)との同級生対決をゲームオール9本で切り抜けると、準決勝では小野寺翔平(リコー)との打撃戦を制して決勝進出。
 分が悪いと見られていた丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス)との決勝では、「我慢できた」という松平が、強引なプレーを控え、丹羽の強力なサービスや緩急にしっかり対応してゲームカウント4対2で勝ちきり、両手を高々と掲げた。
 名門・協和キリンの監督も務める34歳の松平だが、「あくまで選手兼監督。監督兼ではない」と、今後も現役にこだわる構えだ。今大会の松平の動きのキレは素晴らしく、若手とも互角に打ち合い、経験で上回った。先日行われたファーストの全日本団体優勝に続き、ベテランが卓球界を熱く盛り上げている。

■男子シングルス優勝 松平賢二選手のコメント
 ひさびさに最終日残ったなと(笑)。そこがうれしかったのと、協和のダブルスがワンツーフィニッシュしてくれて、会社の方も応援に来てくれて、個人戦でしたが一体感がすごくあったので、そこに助けられましたし、すごくうれしかったです。
 今日の(皆川朝/日野キングフィッシャーズとの)初戦が1番大切だと思っていたので、準備を早くしたりして入りが良かったので勢いに乗れました。
 笠原戦は、ベンチの田原が「バックハンドはあまり振らずに合わせる系を使って行った方がいい」とアドバイスをくれて、そこから調子がすごく上がりました。試合の中で言ってもらったことで変えられたのは良かった点でした。また、今日は全体的にフォアが強いボールじゃなくて回転をかけたボールを相手が取りにくそうだったので、そこはいつもだとガーンていくところを我慢できました。
 決勝の孝希(丹羽)は、そもそもあまり対戦したことがないですが、昔、選考会で勝ったことはありましたけど、こういう選手権では勝ったことはないです。でも(監督として)みんなにも「名前のある選手に勝っていかないとだめだよ。名前負けするのは絶対だめ」と言い続けているので、最初から「倒してやるぞ」という気持ちで臨みました。
 いざやってみると、孝希のあの雰囲気、こちらがガーッといってもひょうひょうとしている感じでつかまりかけましたけど、もう1回自分でエンジンかけたのと、あとは後ろを見たら田原がいて、上(観客席)を見たらみんながいたので、それがすごくでかかったですね。一人だったらきつかったと思います。
(みんな丹羽選手のサービスに苦しむが)今日は打たせていいやと。ストップできるサービスはストップして、それ以外はツッツキで長くいって、それが嫌そうだった。こちらから起こしてしまうとタイミングを狂わされてしまうので、ガツンとやって利用してというのができたので、その辺も我慢してできましたね。今回は本当に我慢でした。 
 34歳ですが、みんな頑張ってたじゃないですか。卓(高木和)さんもそうだし、大矢さんもそうだし。社会人はそういう(ベテランが活躍する)面白さもあるので、こういうのをきっかけにいろいろな人が見てくれたらいい。今のNT(ナショナルチーム)の人たちだけじゃないというのを自分もアピールして、それで日本リーグやTリーグとか見方が変わってくれたらうれしいですし、そういうのも含めていろいろな意味で大きな優勝だったのかなと思います。
 引き続き選手兼監督です。監督兼じゃないんで。自分より調子良くないと出さないぞと(笑)。もうすぐ日本リーグが始まるので、前期優勝していますが2敗しています。今回ダブルスもシングルスも勝って上り調子ですが、1回しめて日本リーグ勝ってファイナル4(日本リーグのプレーオフ)勝ちたいです。
 個人としては全日本でもう1回上にいきたいですね。最終日まで残りたい、やっぱり。達成できるよう頑張ります。

【男子シングルス2位】
丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス)

優勝ペースで勝ち上がったが、惜しくも届かず

畳み掛ける攻めと高速カウンターは健在


 2018年徳島大会以来となる5年ぶりの優勝を目指した丹羽は、惜しくも届かず2位に終わった。
 6回戦で青森山田でともに黄金期を築いた𠮷田雅己(木下グループ)とのハイレベルなラリー戦をゲームオールジュースで勝ちきり、優勝ロードに乗ったかと思われたが、松平の充実したプレーに屈した。
 優勝はならなかったが、勝負どころでの読みとテクニックは健在で、要所で放つ丹羽の鮮やかなカウンターは会場中のため息を誘っていた。

 3位には、コート狭しと動いて得意のフォアハンドを打ちまくった小野寺と、準々決勝で高木和卓(ファースト)との大打撃戦を制した渡辺裕介(協和キリン)が入った。

【男子シングルス3位】
小野寺翔平(リコー)

迫力のフォアハンドで勝ち上がるも、松平との打撃戦に敗れた

【男子シングルス3位】
渡辺裕介(協和キリン) 

切れ味鋭い両ハンドで昨年から1つジャンプアップの4強

【男子シングルスベスト8】
笠原弘光(Handy)

安定感抜群の両ハンドで勝ち上がったが松平に惜敗


松下大星(クローバー歯科カスピッズ)

鋭い裏面ドライブで大矢との接戦を制し、8強


田添健汰(木下グループ)

小野寺と果敢に打ち合ったが、あと一歩及ばず


高木和卓(ファースト)

渡辺に3対0リードから痛い逆転負けも、打ち合いの強さで存在感を見せた


詳しい記録はこちらから
日本卓球協会大会ページ:https://jtta.or.jp/tour/11841

(取材=卓球レポート)

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