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世界卓球2025ドーハ 
男子シングルス3回戦 戸上が同士打ちを制して4回戦進出。張本、吉村は敗れる


 世界卓球2025ドーハ(個人戦)が5月17日〜25日までカタールのドーハで開催される。ドーハでの開催は2004年以来2度目で、個人戦は今回が初開催。
 大会5日目の5月21日(水)は男子シングルス3回戦が行われ、戸上隼輔張本智和との同士打ちを制して4回戦進出。吉村真晴ケルベリ(スウェーデン)に敗れ、4回戦進出はならばかった。
※写真は同士打ちを終え、握手を交わす戸上隼輔張本智和

フランチスカは趙大成に大逆転勝利
自慢の強打でゲラシメンコを破ったカルデラーノ

林昀儒はD.ハーベゾーンに快勝

林詩棟は自慢のバックハンドでK.カールソンを下す

持ち前の強撃力に加え、幅広いプレーで張本を下した戸上

思うようにペースを握れなかった張本は3回戦で無念の終戦

アグレッシブなプレーで高承睿を下したモーレゴード

ケルベリは要所でフォアハンドを決めて吉村に勝利

吉村は3つのジュースを落としたのが痛かった

安宰賢はゲームオールジュースの接戦を制した

▼男子シングルス3回戦
フランチスカ(ドイツ) -7,-9,-7,7,8,4,3 趙大成(韓国)
カルデラーノ(ブラジル) -9,-9,5,10,9,7 ゲラシメンコ(カザフスタン)
林昀儒(中華台北) 8,8,8,10 D.ハーベゾーン(オーストリア)
林詩棟(中国) -8,1,6,5,9 K.カールソン(スウェーデン)
戸上隼輔(日本) 7,9,-9,5,9 張本智和(日本)
モーレゴード(スウェーデン) -5,8,7,-13,4,3 高承睿(中華台北)
ケルベリ(スウェーデン) 10,6,10,11 吉村真晴(日本)
安宰賢(韓国) 7,-7,5,-5,-7,7,14 林彦均(中華台北)



 フランチスカ(ドイツ)は趙大成(韓国)にゲームオールで勝利し、4回戦進出。趙大成の早いプレーにゲームカウント0対3と追い込まれたが、そこからストップなどの丁寧な台上を中心にラリーを組み立て、集中力を切らさずに両ハンドを振って逆転勝利を飾った。

 ワールドカップを制し、今大会でも優勝候補のカルデラーノ(ブラジル)は、ゲラシメンコ(カザフスタン)と対戦。昨日の2回戦篠塚大登に打ち勝ったゲラシメンコに2ゲームを連取されたが、第3ゲームから持ち味の強打でゲラシメンコに圧をかけ、一気に4ゲームを連取して勝ち切った。

 林昀儒(中華台北)は鋭いチキータと両ハンドで、2回戦で松平賢二を破ったD.ハーベゾーン(オーストリア)をストレートで退け、ベスト16入り。

 第1シードの林詩棟(中国)はK.カールソン(スウェーデン)の猛攻に第1ゲームを先制されるが、第2ゲーム以降は強烈なバックハンドを中心とした躍動感あふれる攻めでK.カールソンを押し込み、4回戦に勝ち進んだ。

 戸上隼輔張本智和3回戦で当たるという日本にとっては不運なドローになったライバル対決は、ゲームカウント4対1で戸上が外シードの張本に勝利し、4回戦に勝ち進んだ。
 試合は序盤から戸上が台からの距離をうまく取って張本の高速バックハンドに対応し、機を見た鋭いフォアハンドでペースを握る。いまひとつ気持ちが乗らない様子の張本は、第2ゲームを0対4とされたところでタイムアウトを取り、流れを変えようとしたが実らず、戸上が2ゲームを連取する展開。第3ゲームは張本が返すが、第4ゲーム以降は、戸上がミドルへのロングサービスやツッツキからのカウンター、さらには軌道の高いボールを送って緩急をつけるなど幅広いプレーで張本を攻略し、同士打ちを制した。
「今日はラリー戦でほぼ点数が取れずに終始圧倒された感じです。自分はバック対バックが軸だが、その生命線を崩されてやることがなくなってしまった。戸上選手は数か月前より数倍強くなっていますし、それを試合しながら肌で感じました。(世界卓球が)また2年後になってしまう悔しさはありますけど、自分が現役であり続ける限り、くじけずに挑戦したいと思います」と戸上の強さを素直に認めて、さらなる挑戦を誓った張本。
 一方、勝った戸上も、「複雑な心境ですね。正直、同士打ちだと本当にしんどい。気持ちが揺らいでしまうとすぐ逆転されてしまうので自分との戦いでした」と同士打ちの難しさを吐露しつつも、「パリオリンピックが終わってからブンデスリーガでたくさんの選手のボールを受けてきたし、上田コーチと話して、サービスやレシーブ、ラリーになっても粘り強く1球入れること、強いボールだけじゃなくて必ず緩急をつけるなどの練習を重点的に行ってきました。それが成長につながっているのかなと思います。『張本選手だったら勝てた』と言われないように、自分がメダルを獲って日本に持ち帰りたいと思います!」と成長の要因を分析しつつ、ライバルのためにもさらなる勝利を誓った。

 パリ五輪銀メダリストモーレゴード(スウェーデン)は、高承睿(中華台北)をゲームカウント4対2で下して4回戦進出。2対2に追い付かれた第5ゲームからギアを上げ、厳しい攻めに徹して勝ち切った。

 混合ダブルスで銅メダル以上を確定させ、シングルスでも好調な吉村真晴は、ベスト16をかけてケルベリ(スウェーデン)と対戦。得意の変化サービスと鋭い両ハンドで果敢に迫ったが、要所でケルベリに必殺の回り込みフォアハンドを決められ、3つのジュースを落としたのが響いて4回戦進出はならなかった。
「しっかり準備できていたつもりだったんですが、ダブルスのプレーにフォーカスしすぎた部分があって、打った後の戻りが遅かったり、台から少し下がりすぎていた部分があった。あとは、打つコースがバック側に集まりすぎてしまって、ほぼバック対オールで試合をしている感じだったので、ある程度リスク負ってもストレートに攻めるとかフォア側に長く持っていくとかやれることはもっとあったと思う。シングルスは負けてしまったけど100パーセントの準備はしましたし、まだミックスがあるので『大吉ペア』らしく気持ちを切り替えて次の準決勝に臨みたいです」と試合後の吉村。このうっぷんを、ぜひ大藤沙月と組む混合ダブルス準決勝にぶつけてほしい。

 男子シングルス3回戦最後の安宰賢(韓国)対林彦均(中華台北)はゲームオールでジュースが繰り返される大接戦になったが、最後は世界卓球2019ブダペスト3位の安宰賢が勝負強さを見せて追いすがる林彦均を振り切った。


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詳細な記録は下記サイトでご確認ください。
WTT:https://worldtabletennis.com/eventInfo?eventId=3108


(取材/まとめ=卓球レポート)

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