大学のチーム日本一を決める第94回全日本大学総合卓球選手権大会(団体の部/通称インカレ)が、7月3 〜6日まで、四日市市総合体育館(三重県)で開催。
大会最終日となる4日目は、第2ステージ決勝トーナメントの準決勝、決勝が行われ、男子は中央大が決勝で早稲田大を破り、33年ぶりとなる大学日本一の栄冠を手にした。
【優勝】中央大
▼男子決勝
中央大 3-2 早稲田大
青山 -1,10,-8,-8 濵田一○
○小野 7,7,5 磯村
○前出/小野 -6,-8,8,7,2 濵田一/徳田
前出 -9,-12,-9 徳田○
○道廣 10,4,7 濵田尚
男子は中央大が、決勝で早稲田大とのラストに及ぶ激戦を制し、33年ぶりとなるインカレ優勝を果たした。
中央大は準決勝で朝日大を3対2で制して決勝進出。決勝もオーダーを変えずに早稲田大戦に臨んだ。一方の早稲田大もインカレのタイトルからは遠ざかっており、勝てば18年ぶりの優勝。早稲田大は準決勝で敗れた徳田を後半に回し、トップにキャプテンの濵田一輝を起用する。ともに、このチャンスを物にしたい両者がっぷり四つの対戦となった。
トップは地力で勝った濵田が鋭いカウンターを狙う青山を安定したプレーで退け、早稲田大が先制。
2番は単複で得点を積み上げてきた中央大のスーパールーキー小野が磯村に快勝し、1対1に。
勝負の行方に大きく影響するダブルスは、早稲田大ペアがサービス・レシーブ、台上を制して2対0とリード。しかし、勝ちを意識したか、堅くなった早稲田ペアにあきらめない中央大ペアが辛抱強くプレーして逆転勝ち。
後半は分が悪いという徳田に、地元三重県松生クラブ出身の前出が挑んだが、何とかラストにつなぎたい大学王者が集中力の高いプレーでストレート勝ち。
ラストは、道廣が濵田尚人の高い守備力に苦しめられながらも1ゲーム目をもぎ取ると、勢いに乗って、両ハンドドライブで得点を重ね、念願の大学日本一の栄冠を呼び寄せた。
■白神俊祐監督のコメント
今まで何年か不調な時期が続いて、周りからも中大は駄目だと言われて、もちろんその前に良かった時もありましたが、結局優勝はできず、2位が何度もありました。
優勝と2位は天地の差と昔から母親、父親には言われ続けてきて、「本当に天地の差だな」とずっと思っていたからこそ悔しかったんですけど、春のリーグ戦で優勝を目前にして負けて、この子たちもしかしたら優勝できない星の下に生まれてきたのかなんて、思ったりもしましたが、「いや、そうじゃない」とやっぱり自分に言い聞かせて、選手にも「絶対優勝できる」「優勝するために中央大に来たんでしょ」というふうにちゃんと言い聞かせてきました。
今回正直なんていうかな愛工大さんの選手の欠場が出て、選手の2人それで少し思った組み合わせとちょっと違って、どのチームも愛工大さんが敗れたことで少しラッキーだなと思った瞬間も多分あったと思うんですけど、でも、やっぱりその中でも2位で終わるのと1位で終わるのとだいぶ違うと思うんですよね。
選手は本当に春からこの1カ月ですごい成長したなって思いましたね。だから、今回優勝しましたが、次は秋のリーグに向けて勢いに乗って、全日本学生、全日本とさらなる高み目指していきたい。もちろん、このインカレも連覇を目指して、リーグ戦も約20年ぶりの優勝を目指して、秋に向けて頑張っていきたいと思います。もう一回満足せずに気持ち引き締めて選手ともとも引き締めて頑張りたいと思います。
(決勝を振り返って)選手はどうしても足し算、引き算しちゃうんですね。誰が分が悪いとか良いとかという足し算引き算をしてしまう。オーダーは任せてもらえるんですけど、今日初めてポロポロっと何番がいいとかっていうことを選手が口にして、でも、その時にやっぱりもう選手を信じて、「大丈夫だから」と、「何のために今まで練習してきたの。今まで勝てなかった選手に勝つために練習してきたんだし、そこで勝って初めてチームが勝てるんじゃないの?」という話を試合前に少ししたんですけど、やっぱりそこで選手たちも腹がくくれた感じはありました。
まず、その入りで良かったんですが、もちろんふたを開けてみれば1番ちょっと実力不足でした。2番は小野選手が調子良かったので、今大会調子良かったんで、ダブルスがやっぱり1番の要ですが、決勝は半分ぐらい選手の中でも「もうダメかな」というのはあったと思います。けど、やっぱり良かったのはあのダブルスで相手が少し緊張した瞬間、勝ちを意識したのように僕らも見えたんですけど、その瞬間のすきを押さえというか、絶対我慢してミスしないようにして相手がちょっと崩れてミスしてくれたのがきっかけで逆転できました。本当に諦めなかった。あのダブルスの、あの2人が勢いづけてくれたんじゃないかなと思います。
4番は負けたんですけどいい試合だと思います。内容が悪い試合してしまうと、団体戦は雰囲気が悪くなってしまいますが、4番も負けたけど最後まで諦めずにやって、5番に繋がったと思います。
5番は、あんな強い道廣選手を初めて見ました。初めて一番いいところでゾーンに入ってくれたというか、力を発揮してくれた。結論を言うと、もちろん全員が諦めなかった
、最後まで諦めずにとにかく当たり前のことだけど、それをやり切ったっていうのが勝因だと思います。
【2位】早稲田大
主将の濵田一輝に、昨年の全日学で学生王者に輝いた徳田を主力に決勝進出。準々決勝で専修大に勝利すると、準決勝で筑波大を退け決勝へ。決勝は濵田一輝/徳田のダブルスが2対0とリードしたが、2人のプレーがかみ合わずに逆転を許してしまった。チャンスが大きかっただけに悔やまれる敗戦となった。
【3位】筑波大
▼男子準決勝
早稲田大 3-1 筑波大
徳田 4,-7,-5,-7 鈴木○
○磯村 11,6,-7,10 藤元
○濵田一/徳田 5,6,-6,4 田原/三浦
○濵田一 4,3,-11,3 田原
濵田尚 - 三浦
準々決勝では、田原、三浦で愛知工業大から3点をもぎ取り準決勝進出を決めた。
準決勝でもトップで鈴木が速攻両ハンドで徳田を圧倒したが、チーム力でわずかに早稲田大に及ばず。しかし、各選手が大きなポテンシャルを見せた大会となった。
【3位】朝日大
▼男子準決勝
中央大 3-2 朝日大
青山 -15,7,-5,-5 岡野○
○小野 4,7,-9,6 川村
○前出/小野 9,12,4 岡野/梅村
前出 -10,-9,6,-10 梅村○
○道廣 4,7,11 王翊翔
朝日大は準々決勝では岡野と梅村が単複で明治大から3点を奪取し初の表彰台を決めた。学生王者の岡野の存在がチーム力アップに大きく貢献している。
詳しい記録はこちらから
東海学生卓球連盟:https://www.kanto-sttf.jp/
(取材=佐藤孝弘)




