プロ卓球Tリーグ2025-2026、T.T彩たま対琉球アスティーダで開幕
2025年7月26日、ノジマTリーグ2025-2026シーズンの男子開幕戦が国立代々木競技場第二体育館で行われ、T.T彩たまと琉球アスティーダが対戦。
試合に先立って、Tリーグのオフィシャルユニフォームパートナーを務めるバタフライが展開する卓球ヒーロー、グレイザーマンやアイドルグループ『瞬きもせず』が登場し、新シーズン開幕を盛り上げた。
両チーム入場ののち、2024-2025シーズンで優勝したT.T彩たまの木造勇人選手からTリーグの坂井一也理事長に金色に輝くシャーレが返還され、1569人のファンが詰めかけた開幕戦の火ぶたが切られた。
1番ダブルス 琉球アスティーダの趙勝敏/大島祐哉が先勝
昨シーズンのファイナルと同カードとなった開幕戦、第1マッチは昨シーズン王者のT.T彩たまが木造勇人/有延大夢、昨シーズン2位の琉球アスティーダは趙勝敏と、木下マイスター東京から移籍し、新加入した大島祐哉を持ってきた。
開幕戦のファーストマッチということで、両ペアともやや固さが見られる立ち上がりになるが、終盤でパワードライブを打ち込んだ彩たまペアが第1ゲームを先制する。しかし、続く第2ゲームは固さが取れた琉球ペアが圧倒し、最終の第3ゲームへ。
6-6から始まる最終ゲームは一進一退で進むが、丁寧にボールを入れた趙勝敏/大島が9本で木造/有延をかわし、琉球アスティーダが先制した。
2番 曽根が大爆発!驚異のバックハンドで安宰賢を圧倒し、試合を振り出しに
続く2番、タイに追いつきたいT.T彩たまはポイントゲッターの曽根翔、一方の琉球アスティーダは新加入の安宰賢に王手を託す。
世界卓球2019ブダペスト男子シングルス3位、世界卓球2025ドーハ男子シングルスベスト8の実績を持つ安宰賢が優位かと思われた一戦だったが、曽根がすごかった。
得意の強烈なチキータとバックハンドで第1ゲームを11-10で競り勝つと、第2ゲーム以降はさらに強烈なチキータとバックハンドに加え、フォアハンドもよく決まり、強敵の安宰賢を圧倒。予想外のストレート勝利でT.T彩たまが試合をすかさず振り出しに戻した。
3番 吉村が有延に昨シーズンファイナルの借りを返し、琉球アスティーダが王手
勝敗の行方を大きく左右する3番は、T.T彩たまの昨シーズンMVPの有延大夢対琉球アスティーダのキャプテンであり顔でもある吉村真晴という野田学園OB対決になった。
両者は昨シーズンのファイナルでも対戦しており、その時は後輩の有延が先輩の吉村を下し、その勝利がものをいってT.T彩たまがシーズン王者に輝いたが、今回は吉村が先輩の意地を見せた。
吉村は得意のサービスからの鋭い両ハンドで第1ゲームをあっさり奪うと、第2ゲームも勢い止まらず、有延の強打を幾度となく鮮やかなカウンターで打ち抜き、吉村が2ゲーム連取で勝利に王手をかける。
このままあっさり引き下がれない有延も必死に食い下がるが、吉村にサービスから崩され、自慢の強打をカウンターとブロックで対応される展開から抜け出せない。結果、吉村が有延をストレートで退け、昨シーズンファイナルのリベンジを果たすと同時に、琉球アスティーダに王手をもたらした。
4番 趙勝敏がバックハンドで神を崩し、琉球アスティーダが開幕戦勝利
あとがなくなったT.T彩たまはファイター・神巧也で巻き返しを狙う。開幕戦勝利を決めたい琉球アスティーダは、第1マッチのダブルスで先制点を挙げた趙勝敏に決勝点を託した。
第1ゲームは、神が得意の変化サービスからフォアハンドでしっかり動いて先制する展開。台の弾みと場内の空調に少し戸惑っているような様子の趙勝敏だったが、しかし、第2ゲーム以降からアジャストし、得意の打球点の早いバックハンドでペースを握り返す。
このまま終われない神も必死の動きで追いすがったが、バックハンドから回転量の多い両ハンドにつなげる趙勝敏優位は変わらず、趙勝敏が一気に3ゲームを連取して琉球アスティーダの勝利を決めた。
■琉球アスティーダ・田㔟邦史監督のコメント
昨年のファイナルで負けて悔しい思いをしていた選手がいて、その中でファイナルで負けたダブルスと真晴(吉村真晴)が今日勝利を収めて、そしてチームが勝ったというのは、リベンジを含めて良いスタートを切ることができたと思っています。ただ、長いシーズンがこれから続くので、その長いシーズンの中での1勝ということを考えたら、まだまだ目標に向けて準備をしなきゃいけないところではありますが、まずは開幕戦で勝利することができて、今はほっとしています。
もともと琉球のチームは非常に明るくて活発なチームだなという印象はありました。その良い部分をさらに伸ばしていきたいのと、真晴とか大島(大島祐哉)という経験者がいて、韓国選手もいて、今日出られなかった若い選手もいますので、そういった選手で競争し合いながら活発なチームでありたいなと思います。
今回の男子はいろいろなチームに選手がうまくばらけたと思うんですよね。今シーズンのTリーグはやってみないとわからない、非常にレベルの高い試合が続くんじゃないかなと思います。なので、登録した12人の選手に対して成長と育成をしながら、その時その時でベストな試合をしていきたいなと思います。
(力が拮抗した中で勝つためには)選手のモチベーションとコンディションだと思います。シーズンが長くて国際大会もあるし、国内のいろいろな試合もあるので、間違いなく選手たちは技術的なことだけではなく、体力もメンタルも含めて疲労が溜まってくると思います。そういった中で混戦を抜けるためには、やはり選手のモチベーションとコンディションの維持が非常に重要になってくるかなと思います。昨シーズンの主力だった選手たちは国際大会にかなり出ていて、(昨シーズンは)そうした難しさもあったと思います。
今シーズンはどうなるかは分かりませんが、選手たちが「自分が任された時はやるんだ。次は自分の番だ」という気持ちを持てるようにしていかないといけないと思いますし、選手たちにもそう思ってほしいと思います。
男子開幕戦 結果
琉球アスティーダ 3対1 T.T彩たま
○趙勝敏/大島祐哉 -9,2,9 木造勇人/有延大夢
安宰賢 -10,-6,-7 曽根翔○
○吉村真晴 5,3,7 有延大夢
○趙勝敏 -8,5,7,8 神巧也
なお、詳しい記録等は Tリーグのホームページをご覧ください。




