［国内大会］

下関インターハイ　女子学校対抗決勝　星槎横浜が初出場初優勝!

2025.08.03

　
　高校生たちの祭典、全国高等学校総合体育大会（インターハイ）の卓球競技が7月31～8月4日に山口県下関市のJ:COMアリーナ下関（下関市総合体育館）で開催される。
　競技4日目の本日8月3日は女子学校対抗決勝が行われ、インターハイ初出場の星槎横浜（神奈川）が初優勝を果たした。

【優勝】星槎横浜（神奈川）

【2位】四天王寺（大阪）

▼女子学校対抗決勝の結果

▼女子学校対抗決勝
星槎横浜　3-2　四天王寺
　藤本和花　0(-3,-5,-7)3　冨田純菜○
　牧野美玲　1(-5,7,-6,-2)3　青木咲智○
○牧野美玲／櫻井花　3(-4,8,9,8)1　青木咲智／髙森愛央
○櫻井花　3(8,5,5)0　髙森愛央　
○倉嶋杏奈　3(8,8,8)0　萩原怜奈

　王座奪還を狙う四天王寺か。それとも初出場初優勝を狙う星槎横浜か。
　注目の一戦、トップは冨田が変化の激しいカットで藤本を幻惑し、四天王寺がすかさず先制する。続く2番の四天王寺エースの青木も気持ちのこもった両ハンドで星槎横浜のエース格・牧野を下し、四天王寺が王者返り咲きに早くも王手をかける。
　昨日の女子ダブルスの再戦となった3番ダブルスも青木／髙森が1番、2番の勢いそのままに第1ゲームをあっさり奪う展開。これはストレートで勝負が決まるかと思われたが、「うちは全員卓球。0対2スタートは覚悟の上」という渡邊監督の言葉通り、ここから星槎横浜がよみがえる。
　牧野／櫻井が粘り強くボールをつないで第2ゲームを逆転で奪うと、台上で先手を取ってフォアハンドにつなげる連係で得点を重ね、3ゲームを連取して四天王寺ペアに昨日のリベンジを許さず、勝負を後半につなぐ。
　4番は、櫻井が少し動きの固い髙森を速攻で押し込んでストレートで勝利し、星槎横浜が連勝で試合を振り出しに戻すと、勝敗の行方はラストの倉嶋対萩原にゆだねられた。
　実績を見ると一昨年の全日本ジュニアベスト8で、10連覇を果たした春の高校選抜では殊勲賞を受賞した四天王寺の萩原が有利かと思われたが、「出足の冷静なプレーぶりを見て安心した」と渡邊監督が目を細めたように、倉嶋が躍動する。ラブオールからしっかり両ハンドを振って得点を重ねると、萩原のワイドな揺さぶりにもよく反応して食らいつき、終わってみればストレートの快勝で決勝点を挙げ、星槎横浜が0対2から大逆転で高校生日本一の座についた。
　初出場ではあったものの、大会前から四天王寺とならんで優勝候補に挙げられていた星槎横浜だったが、インターハイ独特の重圧をものともせず、下馬評にたがわぬ力で初出場初優勝を果たした。2年生中心のメンバーだけに、来年は連覇の期待がかかる。

■星槎横浜・渡邊隆司監督のコメント
「正直に嬉しいですし、普段から選手たちのために応援やサポートをいただいている全ての方々に感謝したいと思います。
　初戦で留萌さん、2回戦で桜丘さんと対戦しましたが、その1週間ほど前に神奈川の大会で近藤会長とお会いして、『初日から応援に行くから頑張ってくれよな！』と言ってくださって、とても元気だったのに突然亡くなられてショックだったんですが、自分の中で近藤会長の『初日』という言葉がすごく頭に残っていて、個人的に特別な思いで初日に臨みました。留萌さんも桜丘さんも強かったですが、うちは絶対的なエースがいるわけではなく、全員卓球が持ち味なので、その強みを生かして選手たちがよく頑張ってくれました。
　決勝は、その前に女子シングルスで4人全員が負けてしまったので、なんとか決勝に向けて奮い立たせないとと思っていましたが、選手の方が気持ちが強いというか割り切って学校対抗の優勝に向けて頑張ってくれたので素晴らしかったと思います。
　決勝の四天王寺さんには、できれば前半で1点取れたらとは思っていましたが、0対2スタートはあると思っていました。ダブルスは昨日はなんとか勝てましたが、かなりラッキーボールというかネットやエッジに助けられての勝利だったので、今日は厳しいかなと思っていたんですが、2ゲーム目からすごく良いプレーをしてくれました。
　4番の櫻井はいつも通り冷静でしたし、5番の倉嶋も自分がここ最近見ている中で1番冷静にプレーしてくれて、出足の4本か5本くらいで安心しました。
　あらためて、伝統あるインターハイに出場できて、優勝できて、本当にうれしく思います。昨日の女子ダブルスもそうですが、近藤会長が力を貸してくれたのかなと思いますし、近藤会長に良い報告ができると思います」
　
　昨年は大阪府予選でリベルテに敗れて11連覇の夢を絶たれ、満を持して王座奪還に臨んだ四天王寺だったが、星槎横浜の勢いに前に敗れた。1番の冨田、2番の青木が見せた充実のプレーは優勝を大いに予感させるものだったが、ダブルスを落とし、星槎横浜に流れを明け渡してしまった。
　惜しくも王者返り咲きとはならなかったが、単複出場の髙森は2年生で新谷や渡会、井上ら有望な1年生もそろう。四天王寺の来夏の捲土重来に期待したい。