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わたしの練習136松下雄二 世界に挑戦

 ~「よし!卓球で一番に」~

 私と卓球の出会いは、小学校3年生の頃でした。兄が中学校に入って卓球を始め、通っていた卓球センターへついて行ったのがキッカケです。初めは、浩二('87年世界・日本代表)と一緒に遊び半分でした。が、両親の理解もあって、毎日卓球センターへ連れて行ってくれたので、負けず嫌いの私は、「よし!卓球で一番になるぞ!」と思い、本格的にやり始めました。
 そして、さらに意欲を高める出来事がありました。それは、兄が進学する高校(愛知県、桜丘)へ練習の見学に行った時のことです。幸運なことに、監督の松井彊先生に出会い、練習に来てもよいということで、それからは桜丘高校へ通うようになりました。
 毎日、練習するのが待ち遠しく、学校が終わると、走って帰宅し、桜丘高校に行きました。とにかく、卓球が大好きで、ただ上手になりたい一心でした。兄から「一流選手で走らない選手はいない」と聞き、毎朝5時に起きてランニングやトレーニングなどを行いました。
 しかし、試合では良い成績をあげることはできませんでした。そんな時、松井先生が、「負けてよし。負けを生かして勝ちを知る。お前は大器晩成型だ」と、励ましてくださったのを今でも覚えています。
 当時の練習内容は、フォアハンド、ショート、ツッツキなどの基本練習が中心でした。
 中学入学後も、卓球部の顧問である横沢先生の許可を得て、引き続き桜丘高校で練習しました。あまり上手になれず、試合に出場しても負けるばかりでしたが、卓球を嫌いになることはなく、「どうしたら強くなるのか」ということでいっぱいでした。
 中学生活最後の年を迎え、「強くなるためには、無我夢中で努力するしかない」と思い、朝は6時に起きてランニングをし、7時頃から中学の朝練習に参加、放課後は4時から夜の11時頃まで練習しました。その結果、全国中学校大会で3位になり、全日本ジュニアでも3位に入賞することができました。いま思えば、この大会が、「やればできるんだ!」という自信につながり、私を脱皮させてくれたのだと思います。

 ~週45時間取り組んだ高校時代~

 高校は、小・中学生時代からお世話になった桜丘高校に進み、松井先生の厳しい指導のもと、インターハイ優勝を目指して練習に取り組みました。
 練習時間は、平日午後4時~10時(途中食事休憩含む)、休日午前9時~12時、午後1時30分~5時頃までやりました。自主練習を含めると、週45時間ぐらい練習したことになります。
 高校生になってからは、練習内容も自分で考えるようになりました。小学生の頃からつけていた卓球ノートに、「一日の反省と明日の課題練習」などを書き加えました。ノートをつけることによって、毎日の練習が能率よくできるようになりました。
 練習内容は、①カット打ち ②多球練習 ③フットワーク ④サービス+3~5球目、レシーブ+4~6球目のシステム ⑤バックハンド...などが主な項目でした。
 特にカット打ちは、渋谷浩、浩二に負けたくない一心で、積極的に取り組みました。いま思えば、カット打ちをしっかりやったことによってドライブが安定し、凡ミスが少なくなったように思います。
 高校時代は、松井先生に精神面で厳しく指導していただき、山本先生からは、卓球に対する取り組み方を教えていただきました。たいへん感謝しています。

 ~打倒中国をめざす重点練習~

 高校3年生になり、ナショナルチームの一員に選ばれ、「世界に挑戦」という高い目標を持ち始めました。
 そして、明治大学に進学、早くも1年が過ぎました。現在の練習時間は、高校の時と比べ逆に少ないので、台について練習する時は、練習内容をよく考え、計画し、集中してプレーすることを心がけています。
 練習内容では、次の四つに重点をおいています。

1.フットワーク
 どの項目も、常に試合を考え、相手にフォア前、バック前などにショートサービスを出してもらってから始めます。
㋑左右動 動く範囲を狭くしてピッチの速さと、動きの範囲を大きくするフットワークの追求
㋺オールサイド 動く位置を前・中陣に分けて行う。フォアハンドで回り込めないボールは、ショートまたはバックハンドを使う
㋩5球目までのシステムを取り入れたオールサイド
 ⓐバック前のサービスを払って、フォアへとびついてからのシステム
 ⓑフォア前のサービスを払って、バックに返球してもらってからのシステム
 ⓒフォア前にサービスを出し、オールにストップしてもらってからのシステム
 ⓓフォア前にサービスを出し、オールに払ってもらってからのシステム
...などです。この練習は、自分はすべて相手のバックに返球して、動かしてもらいます。私の卓球は、とにかく足が"命"です。フットワークには特に力を入れ、毎日練習しています。

2.バックハンド
㋑相手にショートしてもらい、前陣での小さい振りでピッチを速くしたバックハンド
㋺中陣での大きい振りのバックハンド
㋩ドライブをかけてもらい、中陣でのミート打法とドライブ打法
 現在の卓球は非常に速いので、バック系がしっかりしていないと対応しきれません。バックハンドもフォアハンドと同じぐらいの威力で、正確に打つことを目標にしています。

3.ブロックおよびカウンタースマッシュ
 フォア前にサービスを出してもらい、フォアへ払ってレシーブしたのをクロスにドライブをかけてもらって、それをブロック、もしくはカウンタースマッシュ
 カウンタースマッシュは、非常に高度でむずかしい技術です。打てるボール(カウンタースマッシュ)か、打てないボール(ブロック)かを見分けて打つように心がけています。

4.台上処理
 台上処理の練習は、ボールをたくさん使って(多球練習)行います。
 レシーブの構えから、オールにストップしてもらったのを打つ。バックへのボールに対してはフリック(手首中心で払う)、プッシュ。高いボールに対してはバックハンドで処理する。
 台上処理は、戻りの速さが大切です。打球後は素早くニュートラルに戻るように気をつけています。
 以上が現在の主な練習内容ですが、自分に必要な練習はまだこのほかにもたくさんあります。

 ~心・技・体の強化~

 今後の課題は、「心」「技」「体」、すべての面において強化し、補っていかなければなりません。
㋑「心」は、どんな状況においても、冷静で平常心を保てるようにすること
㋺「技」は、攻めの速さと安定性。バックハンド、台上処理、サービス、レシーブなど、課題を少しでもマスターしていくこと
㋩「体」は、試合の決勝戦で、力を発揮できるような体力と、必要な筋肉をパワーアップすること
...などです。
 昨年は幸い、念願であった全日本選手権でランク入りすることができました。が、まだまだ世界で通用する実力とは言えません。常に、「上には上がいるんだ」ということを忘れず、目標である「打倒、中国!」を達成するためにがんばっていきたいと思います。また、自分を応援してくださっている方々に感謝の心を持ち続け、世界のトッププレーヤーを目指して、日々鍛錬していきたいと念じています。

まつしたゆうじ
明治大学
'86年全日本単7位


(1987年6月号掲載)

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