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卓レポ名勝負セレクション 
新世紀の幕開け 世界卓球ロンドン2026 Select.8 
葉伊恬(中華台北) 対 杜凱琹(香港)

 今シリーズでは、4月下旬から5月上旬にかけてイギリスのロンドンで開催された第58回世界卓球選手権大会団体戦(以下、世界卓球2026ロンドン)で繰り広げられた熱戦を厳選して紹介する。
 今回は、女子団体決勝トーナメント2回戦の中華台北対香港の4番、葉伊恬(中華台北)対杜凱琹(香港)をお届けしよう。

■ 観戦ガイド
新鋭・葉伊恬の果敢な両ハンド攻撃と
杜凱琹の匠の技がぶつかり合う好勝負

 中華台北対香港は前回の釜山大会の準々決勝でも対戦し、その時はラストまでもつれる大接戦の末、香港が勝利して感涙のメダル獲得を決めている。
 今大会の中華台北は、ベテランの陳思羽、異質ラバーをくるくると反転させて相手を幻惑する彭郁涵、若手の葉伊恬という布陣で、中国、韓国、ルーマニアとの予選リーグを1勝2敗で3位通過すると、決勝トーナメント1回戦で北米の雄・プエルトリコと対戦。エースのA.ディアスに2点を奪われるが、ラストで彭郁涵が反転プレーでレオンを退け、2回戦進出を決めた。

 一方、前回銅メダルの香港は、前回から世界チームランキングを落としたため、下位の予選リーグからの出場となったが(世界卓球2026ロンドンの詳しい試合方式はこちら)、メキシコ、オランダ、マカオの3チームに全勝して順当に決勝トーナメントへ駒を進めると、1回戦で開催地イギリスの構成国であるウェールズと対戦。エースのハーシーの速攻に2点を奪われてラストまで迫られたが、左腕の蘇籽童が落ち着いてケリーを寄り切り、順当に2回戦に勝ち上がってきた。

 ともに1回戦で接戦を乗り切った両チームの一戦は、前回同様、今回も大いに競り合う展開になる。
 1番は、エースの杜凱琹が、彭郁涵の反転プレーにしっかり対応して香港が先制するが、2番は今大会、中華台北の主軸と起用されている葉伊恬が蘇籽童とのゲームオールにもつれる激しい打ち合いを制して、中華台北が試合を振り出しに戻す。
 王手がかかる3番は呉詠琳が積極的な両ハンドで陳思羽を退け、香港が勝利に王手をかけて4番の葉伊恬対杜凱琹のエース対決を迎えた。

 この試合で中華台北のエースに抜擢された葉伊恬は、この大会の前に行われたWTTフィーダー オトチェツで優勝するなど、頭角を現しはじめている18歳の新鋭だ。精度と威力を兼ね備えた両ハンドを持ち味にする王道のプレースタイルだが、とりわけフォアハンドでの得点シーンが目立つ。今大会は、強豪ぞろいの予選リーグからここまで3勝4敗と健闘している。

 対する杜凱琹は、長年にわたって香港を引っ張ってきた大黒柱だ。アジア系の女子選手としては珍しく、YGサービス(逆横回転系サービス)を多用するのが特徴で、バックハンドも抜群の精度を誇る。これまで、2021年東京オリンピック女子団体銅メダルや世界卓球2025ドーハ混合ダブルス3位など、数々の輝かしい成績を収めてきた。今大会では、ここまで5勝1敗とエースの役割を十分に果たしている。

 ラストへつなぎたい葉伊恬と、ここで決めたい杜凱琹の試合は、第1ゲーム、葉伊恬がしっかり動いて先制するが、第2、第3ゲームは杜凱琹が得意のYGサービスからペースを握って連取し、勝利に王手をかける。実績でまさる杜凱琹がこのままチームの勝利を決めるかと思われた第4ゲーム、葉伊恬が要所で果敢にフォアハンド攻撃を繰り出し、猛追を開始する。
 葉伊恬の新鋭らしい思い切ったプレーと、杜凱琹の匠の技が絶妙なコントラストを描く名勝負だ。
(文中敬称略)

↓動画はこちら

(文/動画=卓球レポート)

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