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第5回(最終回) 下回転に対する基本打法を身に付ける多球練習

 多くのボールを使い、連続して打球する多球練習は、強くなるために必ず取り入れたい練習方法です。
 この特集では、正しい球出しの方法から効果的な練習パターンまで、ビギナーが知りたい多球練習のいろはを、宇田直充氏(うだ卓代表)が丁寧に解説してくれます。
 最終回は、下回転に対する基本打法を身に付けるための多球練習を紹介しましょう。

講師プロフィール 宇田直充(うだなおみつ/うだ卓代表)

mb01-profile.jpg「最新の世界基準の技術を幼児から高齢の方まで」をコンセプトに掲げる卓球場「うだ卓」の代表を務める。2020年全日本選手権大会男子シングルス優勝宇田幸矢(明治大)は愛息。宇田幸矢を幼少の頃から育て上げたほか、日本卓球協会の強化スタッフを務めるなど、確かな指導実績を持つ

※本文の技術解説は練習する選手を右利きプレーヤーと想定しています

<今回の練習メニュー>
・下回転は試合で受けることが多い。 対応を身に付けることは必須!
・下回転に対する両ハンドのツッツキを身に付ける
・下回転に対する両ハンドのドライブを身に付ける
・下回転をフォアハンドドライブするための動きを身に付ける

下回転は試合で受けることが多い
対応を身に付けることは必須!

下回転とは?

 下回転のボールに対する基本打法は、「ツッツキ」と「ドライブ」の二つです。この二つの基本打法はコツをつかむのが少し難しい技術なので、覚えるにあたっては多球練習が最適です。
 対人練習(相手とボールを打ち合う練習)だと、ミスのたびに中断するので練習がはかどりませんが、多球練習ならば、ミスに関係なく連続してボールを打つことができるので、ツッツキとドライブのコツを短時間で効率よく習得しやすいでしょう。

下回転に対する基本打法は
「ツッツキ」と「ドライブ」

 下回転のボールに対する基本打法は、「ツッツキ」と「ドライブ」の二つです。この二つの基本打法はコツをつかむのが少し難しい技術なので、覚えるにあたっては多球練習が最適です。
 対人練習(相手とボールを打ち合う練習)だとミスのたびに中断するので練習がはかどりませんが、多球練習ならば、ミスに関係なく連続してボールを打つことができるので、ツッツキとドライブのコツを短時間で効率よく習得しやすいでしょう。

下回転に対する両ハンドのツッツキを身に付ける

【練習の内容】多球練習①
ワンコースで下回転に対してフォアハンドツッツキする多球練習


※図では送球する人は左利き。送球する人が右利きの場合は、図とは反対側の位置(送球する人にとってバック側)から送球する

【練習の内容】多球練習②
ワンコースで下回転に対してバックハンドツッツキする多球練習


※図では送球する人は左利き。送球する人が右利きの場合は、図とは反対側の位置(送球する人にとってバック側)から送球する

 ツッツキとは、ラケットの打球面を上向きにし、ボールの下の方をこするように打って下回転をかけ返す技術です。ツッツキは攻撃的な技術ではありませんが、下回転に対して安定して返すことができるので、試合で使うことがとても多いでしょう。上に紹介している二つの多球練習で、両ハンド(フォアハンドとバックハンド)のツッツキを身に付けましょう。
 多球練習①は、フォアハンドのツッツキを身に付ける多球練習です。送球する人は、フォア側に下回転のボールを連続して送球し、練習する選手はフォアハンドツッツキで連続して打球します。
 続いて、多球練習②は、バックハンドのツッツキを身に付ける多球練習です。送球する人は、バック側に下回転のボールを連続して送球し、練習する選手はバックハンドツッツキで連続して打球します。
 どちらの多球練習も、50球を目安に行ってください。

【送球する人のポイント】
下回転のボールを正確に送球する

 どちらの多球練習も、送球する人は、下回転のボールを正確に送球することがポイントです。
 下回転のボールの送球方法については第1回で述べましたが、おさらいすると、まず打球面を少し上向きにして準備します。そうしたら、ボールを手から落とすようにバウンドさせながらバックスイングし、上向きの打球面を保ったまま後ろから前にスイングしてボールの下の方をこするように打ちます。
 ボールにきちんと下回転をかけることを意識しながら、狙ったところへ正確にコントロールすることを心掛けてください。

【練習する選手のポイント】
下回転をしっかりかけることを意識する

 紹介した二つの多球練習では、「下回転をしっかりかける」ことを目標にして練習に取り組んでください。
 フォアハンドでツッツキする時のスイング(写真A-1〜8)を説明すると、まず、右足を少し前に出しながら、ラケットの打球面を軽く上に向けて準備します。この時、ひじを軽く曲げ、ラケットを体の右斜め前あたりに置いておきましょう。この準備から、曲げたひじを軽く伸ばしながら、ラケットを後ろから前へ振り出してボールの下の方をこするように打ちます。
 一方、バックハンドでツッツキする時(写真B-1〜8)は、右足を少し前に出しながら、わきを空けてひじを体から離し、ラケットを体の正面あたりに構えます。この時、ラケットの打球面は軽く上に向けておきます。この準備から、曲げたひじを伸ばしながら、ラケットを後ろから前へ振り出して、ボールの下の方をこするように打ちます。
 どちらのツッツキを行う場合も、ボールが自分のコートにバウンドしてから頂点に達する前を狙って打つようにしましょう。早い打球点を狙うと、ボールに下回転をかけやすくなります。

下回転に対するフォアハンドツッツキ



下回転に対するバックハンドツッツキ



下回転に対する両ハンドのドライブを身に付ける

【練習の内容】多球練習③
ワンコースで下回転に対してフォアハンドドライブする多球練習


※図では送球する人は左利き。送球する人が右利きの場合は、図とは反対側の位置(送球する人にとってバック側)から送球する

【練習の内容】多球練習④
ワンコースで下回転に対してバックハンドドライブする多球練習


※図では送球する人は左利き。送球する人が右利きの場合は、図とは反対側の位置(送球する人にとってバック側)から送球する

 ドライブとは、ラケットを下から上へ振り上げるように動かしてボールをこすり上げるように打つ技術で、下回転のボールを攻撃するときの柱になります。上に紹介している二つの多球練習で、下回転に対する両ハンドのドライブをマスターしましょう。
 多球練習③は、下回転のボールに対するフォアハンドドライブを身に付ける多球練習です。送球する人は、フォア側に下回転のボールを連続して送球し、練習する選手はフォアハンドドライブで連続して打球します。
 多球練習④は、下回転のボールに対するバックハンドドライブを身に付ける多球練習です。送球する人は、バック側に下回転のボールを連続して送球し、練習する選手はバックハンドドライブで連続して打球します。
 どちらの多球練習も、50球を目安に行ってください。

【送球する人のポイント】
ピッチに注意して下回転のボールを正確に送球する

 この二つの多球練習も、送球する人は、下回転のボールを正確に送球することを心掛けてください。
 下回転をしっかりかけて正確に送球することに加え、送球のピッチにも気を配りましょう。ドライブは、ツッツキに比べると動作が大きいので、あまり速いピッチで送球してしまうと、練習する選手のスイングが間に合わなくなってしまいます。
 練習する選手をよく観察しながら、相手が十分にスイングできそうなピッチで送球することを心掛けましょう。

【練習する選手のポイント】
スピードよりも、前進回転をかけることを意識する

 下回転に対するフォアハンドドライブ(写真C-1〜8)のスイングのポイントから説明します。
 まず、腰を右にひねり、右足に重心をしっかりかけて準備します。そうして、低い姿勢でバックスイングしたら、ラケットを下から斜め上へ振り上げるように動かして、ボールを強くこすり上げるように打ちます。右足で床を強く押す力を使ってラケットを振り上げることが、鋭くスムーズにスイングするコツです。
 続いて、下回転に対するバックハンドドライブ(写真D-1〜8)です。
 この技術を行う時は、両足のひざを曲げながら姿勢を低くしてバックスイングを取ります。この時の腕の動きは、ひじを体から離しながら、手首を折り曲げラケットの打球面を下に向けて、低い位置に引いておきましょう。そうしてバックスイングしたら、前腕(ひじから先)をねじりながら斜め上方向(斜め上)へスイングし、ボールを強くこすり上げるように打ちます。コンパクトで鋭いスイングを心掛け、体の正面で打球できるように自分の位置やタイミングをしっかりつかんでください。
 どちらのドライブも、ボールのバウンドのできるだけ高いところを狙いましょう。
 紹介したポイントを踏まえ、スピードよりも、「回転(前進回転)をしっかりかける」ことを意識して両ハンドのドライブを覚えてください。

下回転に対するフォアハンドドライブ



下回転に対するバックハンドドライブ



下回転をフォアハンドドライブするための動きを身に付ける

【練習の内容】
左右に1本ずつフットワークしながら、下回転に対してフォアハンドドライブする多球練習


※図では送球する人は左利き。送球する人が右利きの場合は、図とは反対側の位置(送球する人にとってバック側)から送球する

 最後に紹介するのは、下回転に対してスムーズにフォアハンドドライブするためのフットワークを身に付ける多球練習です。
 送球する人は、フォア側→バック側の順に交互に下回転のボールを送球します。この送球に対し、練習する選手は左右に動いて、全てフォアハンドドライブで打球します。
 この多球練習は、50球を目安に行ってください。

【送球する人のポイント】
下回転のボールをフォア側とバック側へ正確に送球する

 送球する人は、フォア側とバック側へ下回転のボールを正確に送球することを心掛けてください。
 正確な送球に加え、練習する選手が左右へきちんと動き、十分な体勢から下回転のボールをフォアハンドドライブできるよう、送球のピッチにも配慮しましょう。

【練習する選手のポイント】
しっかり準備してからスイングすることを意識する

 この多球練習では、「しっかり準備(バックスイング)する」ことを心掛けてください。十分な準備からスイングすることによって、下回転に対するフォアハンドドライブの安定性が高まります。加えて、準備する意識を持つことにより、フットワークも自然とスムーズに行うことができるでしょう。
 さらに、「できるだけ高い打球点を捉える」ことも意識してこの多球練習に取り組み、下回転に対してフォアハンドドライブする時のフットワークを身に付けてください。

下回転に対して左右に動いてフォアハンドドライブ



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(監修=宇田直充、取材/まとめ=卓球レポート)

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