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【特別企画】 張本きょうだいのバックハンド② 
ストレートへのバックハンドドライブ

 張本智和(智和企画)と張本美和(木下アカデミー)のきょうだい共演がついに実現!二人の最大の武器であるバックハンドにフォーカスした特別企画をお届けしよう。
 2回目となる今回は、二人の大きな得点源になっているストレート(右利きの相手のフォア側)へのバックハンドドライブにスポットを当てる。
※本文の技術解説は右利きプレーヤーをモデルにしています

張本智和のストレートへのバックハンドドライブ

tomokazu_racket.pngクロスよりも、ラケットをもっと前へ振るイメージで

--智和選手の得点源になる技術だと思いますが、コツを教えてください。

張本智和(以下、智和) クロス(右利きの相手のバック側)に打つときよりも、ラケットをもっと前に振るイメージで打球しています。ストレートへは真っすぐボールを行かせたいので、より真っすぐ前に振る意識が強いですね。

--左足を後ろへ引きながら体を前に出している動作が印象的ですが、これは意識的ですか?

智和 前回述べたように、(スイングでは)手首しか意識していませんが、ボールを相手コートへ押し込む気持ちが強いので、体も自然と前に行っているのだと思います。

--この技術はどのようなときに、どのような目的で使いますか?

智和 相手のバックハンドのブロックが堅くてバック対バックでなかなか打ち崩せないときに使います。バックハンドが弱い選手に対してはそもそもストレートを使う必要はありません。「バック対バックでちょっときついな」という相手に対しては、ストレートを使わなければいけないと思います。

--クロスへ打つときと比べてスイングの大きさは変わりますか?

智和 ストレートを狙うときの方がスイングは小さくなるかもしれないです。それでも前に押し出す意識はより持って、その中でコントロールする気持ちも混ぜながら短く前に振る。矛盾しているかもしれませんが、そういうイメージでストレートにバックハンドドライブしています。

--ボールの軌道はどのようなイメージを持っていますか?

智和 基本は弧線を描いて入れることが大切ですが、それだと中国選手などのように強い相手には通用しません。第一に考えるのは山なり(弧線)ですが、できるだけ真っすぐに近づける山なりを意識しています。

張本智和のロングボールに対するストレートへのバックハンドドライブ


 ストレートへバックハンドドライブするときは、クロスへ打つときよりも、ラケットを前へ振り出す意識を持つという智和。手首をしっかりひねって準備し、ひねった手首を返しながらラケットを打球方向へ(ストレートへ)振り出して打球しているところを参考にしてほしい。
 打球後に左足を後ろへ引くような動作も智和の特徴だ。この左足は意識しているわけではなく、結果的に引いているとのことだが、この動作によって体がストレートを向き、腕を伸ばす勢いも鋭くなる。その結果、打球をストレートへコントロールしやすくなる上に、球威も増す。この技術の質をもっと高めたい選手にとって、大きなヒントになるポイントだろう。

張本美和のストレートへのバックハンドドライブ

tomokazu_racket.png左肩を開きすぎないよう注意してストレートを狙います

--バック対バックのラリーになることが多い女子では、特にこの技術は大切だと思います。どのような目的で使いますか?

張本美和(以下、美和) ラリーに変化をつけたいときにコースを変えることもありますし、相手を動かす目的もあります。でも、ラリーに変化をつけるのが1番の目的ですね。

--この技術で注意しているポイントを教えてください。

美和 ストレートへ打つときは、左肩をしっかりコントロールして打つことを意識しています。そして、打つ方向、つまりストレートへラケットの面をしっかり向けて打つことを意識しています。

--左肩をコントロールするとは、具体的に開きすぎないということですか?

美和 そうです。左肩を開くと、空いてしまうので(体とインパクトの位置が離れてしまうので)ボールの感覚がなくなり、コントロールもしにくくなってしまいます。一方、左肩を開きすぎずに打球すると、両腕一緒に力を入れられるので私はすごくやりやすさを感じています。もちろん、完全に左肩を開かないのではなく、ほどよくは開いていると思います。
 少し前まで、ストレートを狙うときは左肩を大きく開いていたのですが、コーチからのアドバイスで左肩の開きを抑えるよう意識したら、打球が安定するようになりました。

--左肩のほかに意識しているポイントはありますか?

美和 クロスと同じように打つとオーバーミスしてしまうのですが、でもボールの勢いは落としたくありません。ですので、ボールの軌道の山を抑えつつ、台に向かって打ちたいところをしっかり見て打てば入るかなと思います。

--前回も触れましたが、この技術でも美和選手の打球は深いです。ボールの深さについて、自分で意識したりコーチからアドバイスを受けたりしたポイントはありますか?

美和 うーん。自分もコーチも(ボールの深さについては)あまり意識してはいないのですが、でも打った感じで大体打球の深さは分かります。当たり(インパクト)が弱かったらボールは浅いですし、ちゃんと当たったときはボールが深く入るので、その「ちゃんと当たったときの感覚」を覚えるようにしています。

--左肩のほかに意識しているポイントはありますか?

美和 クロスと同じように打つとオーバーミスしてしまうのですが、でもボールの勢いは落としたくありません。ですので、ボールの軌道の山を抑えつつ、台に向かって打ちたいところをしっかり見て打てば入るかなと思います。

張本美和のロングボールに対するストレートへのバックハンドドライブ


 左肩を開きすぎに打球することを意識してストレートへのバックハンドドライブが安定するようになったという美和。フリーハンド(左腕)を体よりも後ろへ引かないようにして左肩の開きを抑えている点を参考にしてほしい。
 また、打球前に少し低くした姿勢を高くしながらスイングしているところも注目だ。このように姿勢を高くする勢いを使うと、スイングの力強さが増す。ストレートへバックハンドドライブしようとすると「相手の球威に押されてしまう」「威力が出ない」といった悩みを抱える選手は、ぜひ参考にしたい動作だ。

 次回は、張本きょうだいが下回転(ツッツキ)に対してバックハンドドライブするときに心掛けているポイントを話してくれる。

↓動画はこちら

(取材/まとめ=卓球レポート)

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