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2024年全日本卓球 女子シングルスは早田が優勝し、連覇達成

 
 2024年(令和5年度)全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部)が1月22日から28日まで東京体育館で開催される。
 大会最終日は女子シングルス決勝が行われ、早田ひな(日本生命)が張本美和(木下アカデミー)をストレートで下し、昨年に続く連覇を達成した

6試合で落としたゲームはわずか1。早田が圧巻の強さで連覇達成

ストレートで新鋭・張本を退け、両手を高々と掲げて優勝を宣言

決勝は厳しいコースへのバックハンドでペースを握った

早田と互角に打ち合うシーンも見せた張本だったが初優勝はお預け

 
▼女子シングルス決勝の結果
早田ひな(日本生命) 9,9,6,7 張本美和(木下アカデミー) 

 第1ゲームは張本がチキータからのバックハンドやサービスからの両ハンドが冴え、9-5とリードする展開。このまま張本が第1ゲームを先制する流れだったが、早田が9-9に追い付くとサービスエースを2本続けて6本連取し、第1ゲームを逆転で奪う。結果的に、張本にとっては優位に進めていたこの第1ゲームを失ったことが痛かった。
 続く第2ゲーム、立ち上がりから張本が早田のサービスを鋭いバックハンドでレシーブして連取し、気持ちの強さを見せたが、得点が進むごとにサービスが効き、張本のフォア側をえぐるような厳しいコースへのバックハンドでペースを握った早田が第2ゲームも連取する。
 第3ゲームも、前陣から後陣まで幅広いエリアでプレーでき、サービスもよく効いた早田が物にし、早くも優勝に王手をかける。
 第4ゲーム、あとがなくなり、思い切っていくしかなくなった張本が果敢な両ハンドで攻め込むが、動じない早田に2-3とされたところで張本がタイムアウト。ここで流れを変えたかった張本だったが、早田がタイムアウト明けの1本目で強烈な3球目バックハンドを決めて張本の思惑をくじき、第4ゲームも一気に奪って昨年に続く連覇、通算3度目となる皇后杯を手にした。
 昨年11月の2023 全農CUP 大阪大会決勝の試合内容と最近の張本の目覚ましい成長を踏まえると接戦が予想されたが、終わってみればストレートで早田が圧倒した。張本に最後まで効いた変化の分かりにくいサービス、主導権を握る核になった厳しいコースへのバックハンドはもとより、速さだけでなく、回転量の多いボールを交えて張本のリズムを乱すなど、一段上の卓球を見せた早田。張本のタイムアウト明けを狙った1本のように、勝負どころを逃さない嗅覚と実行力も素晴らしく、否が応でも夏に期待のかかる圧勝劇だった。

■早田ひな選手の優勝インタビュー
--連覇を決めた今のお気持ちはいかがですか?
早田 今は本当にすごくホッとしています。

--立ち上がりの第1ゲーム、相手にリードを許したところから6連続ポイントで奪いましたけれども、あのあたりはどういうところが良かったですか?
早田 張本選手とは昨年11月の選考会で2対4で負けていたので、フルゲームになるつもりで試合に入りましたが、今日もやっぱり1ゲーム目は取られるかという感覚でした。でも、本当にこのレベルになると1本1本、1球1球の勝負になってくるので、本当に目の前のことしか考えていなかったです.

--その後は、多彩な組み立てがありましたけれども、試合の中での感触はどうでしたか?
早田 11月の選考会で初めて自分の卓球を変えてやってみて、それが今大会、このレベルになるとやっぱりなかなか出すのは難しいんですけど、その中でも自分で勇気を振り絞ったプレーだったり、あとはいろんな選手が本当に自分に勝つために対策してくるんですけど、そこへの対応能力が今大会は高かったと思います。

--今、早田さんの話の中にもありましたが、いろんな選手が早田さんに挑んでくる中でわずか1ゲームしか落としませんでした。この大会を通して得たことは?
早田 大会始まる前はすごく緊張していたんですけど、試合に入るといろんな方に応援していただいて、やっぱりこうやって応援してもらえる中で卓球をするのが本当に好きだなと。もう1本1本、1ゲームずつかみしめて試合をしていたので、今日、本当に3階席までたくさんの方が応援に来ていただいて、今、東京めっちゃ寒いんですけど、本当に熱い試合を見ていただいて良かったなと思います、ありがとうございます。

--今年はパリオリンピックが控えている中、早田選手の活躍を本当に楽しみにされている方が多いと思いますが、早田さんはこの1年、どんな目標を持って進んでいきたいですか?
早田 2年間にわたるパリ選考レースが今日の全日本をもって女子が終了して、私はパリオリンピックに出ることを目標にやってはいるんですけど、パリオリンピックの金メダルというのをさらに目標にして今までやってきて、男先生(早田が育った石田卓球クラブ代表・石田眞行氏)だったり女先生(コーチの石田千栄子氏)だったり、石田卓球クラブで始めたときに初めて岸川選手(岸川聖也/ファースト)がオリンピックに出ているのを見たときに、オリンピックに出たいと思いました。でも、それがこんなに苦しくてこんなにしんどいものなのか、というのをすごく感じたんですけど、やっぱりここまで来るのに本当に私一人じゃここには来れなかった。いろんな人の期待を背負って、そしていろんな方々にこれからもサポートしてもらいながら、私と平野選手はシングルスを頑張っていかないといけないですし、パリ選考レースは終わったんですけど、ここから半年が本番になってくるので、皆さん今以上にたくさんの応援、そしてサポートをよろしくお願いします。ありがとうございました。

 
 2位の張本は、「早田選手の壁を壊せなかったのは、まだまだ自分に足りないところがたくさんあったなと実感しました。やっぱり1ゲーム目を取れなかったことが1番大きいし、取ったら何か変わったかもしれない。取ったとして、そのまま4ゲームを取られたかもしれないですけど、やっぱり1ゲームも取れなかったというのは今となっては悔しいです」と振り返るように、第1ゲームを逆転で失い、流れも失ってしまった。ジュニア女子に続く二冠、そして、2017年に平野美宇がつくった16歳9カ月という史上最年少優勝記録を塗り替えることはかなわなかったが、堂々たるプレーで決勝まで勝ち上がり、あらためて力を示した。
 あのプレーで張本がまだ15歳7カ月という年齢なのは信じがたいことだが、史上最年少優勝記録更新のチャンスは来年も残されている。今後の、そして来年の全日本での張本に要注目だ。



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詳しい試合の結果は日本卓球協会大会公式サイトでご確認ください。
全日本卓球:https://www.japantabletennis.com/AJ/result2023/

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