世界卓球2025ドーハ(個人戦)が5月17日〜25日までカタールのドーハで開催される。ドーハでの開催は2004年以来2度目で、個人戦は今回が初開催。
大会最終日の5月25日(日)は男子ダブルス決勝が行われ、篠塚大登/戸上隼輔が高承睿/林昀儒(中華台北)をゲームカウント3対2で下し、優勝を果たした。
▼男子ダブルス決勝
篠塚大登/戸上隼輔(日本)
-6,5,-7,6,6
高承睿/林昀儒(中華台北)
第1ゲームは、篠塚大登/戸上隼輔が動きよく、4-1とリードするが中盤からミスが続き、高承睿/林昀儒が先制。第2ゲームは日本ペアが持ち直して連打を決め、すかさずタイに追いつく。
続く第3ゲームは、高承睿のボールにいまひとつタイミングが合わない様子の戸上にミスが出て、篠塚も林昀儒にプレッシャーをかけられ、最後は大きなラリーから林昀儒のスーパープレーも飛び出した中華台北ペアが奪い、王手をかけられる。
あとがなくなった第4ゲーム、篠塚/戸上が再び攻勢をかける。戸上がサービスで高承睿を崩し、篠塚も鮮やかなカウンターを決めて第4ゲームを奪い、日本ペアがゲームオールに追い付く。
取られたら取り返す展開で追い付いた日本ペアの勢いは止まらない。最終ゲームは中盤まで競り合う展開で進むが、篠塚が両ハンドで確実に攻め、戸上も勝負どころで林昀儒の鋭いボールに反応する充実のプレーで中盤から中華台北ペアを引き離し、チャンピオンシップポイントを握る。最後は林昀儒のフォアハンドフリックがオーバーすると、篠塚と戸上は呆然としながらも日本選手団のいる観客席に両手を高々と掲げて優勝を宣言。
1961年北京大会の星野展弥/木村興治が獲得して以来、実に64年ぶりに日本に金メダルをもたらした。
一方、惜しくも敗れ、2013年パリ大会以来の優勝を中華台北にもたらすことはできなかった高承睿/林昀儒だが、3回戦で黄友政/梁靖崑(中国)、準々決勝で林高遠/林詩棟(中国)、準決勝で第1シードのF.ルブラン/A.ルブラン(フランス)と優勝候補を次々と破って決勝まで勝ち上がり、大いに力を示した。
■戸上隼輔選手のコメント
あまり実感はないんですけど、ここまで来て優勝できたこと、最後に優勝して日本に金メダルを持ち帰れること、本当にうれしく思います!決勝の第1ゲーム、僕がすごい足を引っ張ってしまって、それでも隣には熱く燃えている「炎のファイター第2号・篠塚大登」がいたので(笑)、僕も負けじと頑張ることができました。本当に険しい道のりを二人で乗り越えたからこそ、こうやって頂点に戻りつめることができたので、篠塚選手には感謝していますし、周りのスタッフや支えてくれた方々に感謝しかないです。(パートナーの篠塚に対して)ここまでありがとう! そして、これから何年何十年と共にライバルとして、良きパートナーとして切磋琢磨して頑張っていきたいと思うので、これからもよろしくお願いします。
また、今大会から森薗コーチが入ってくださって、初戦から"トリプルス"として良い流れでここまで来れたので、森薗コーチには結果でしか恩返しできないので、金メダルを持ってありがとうと伝えたいです。
あらためて、本当にたくさんの方々がサポートしてくださったので、もう、みんな一人ずつにありがとうと言いたいんですけど、まずは家族、親ですね。「(自分を)産んでくれてありがとう!そして、卓球に出会わせてくれてありがとう!」とメッセージを伝えたいです。
■篠塚大登選手のコメント
「本当に信じられないです。こんなことは人生に一度あるかないかぐらいなので、この嬉しさを、あと1週間ぐらい味わいたいと思います。(世界卓球での男子ダブルスの日本の金メダル獲得が)本当に64年ぶりっていうことにもびっくりですし、二人で金メダルを取ろう話はしてきたんですけど、簡単なことではないので、本当に金メダルを取れて嬉しいです!シングルスで悔しい部分もあったので、それをダブルスに発揮できたと思います。
試合が終わった後に森薗コーチにも言われたんですけど、厳しいシンガポール戦を乗り越えられたから決勝があったと言われて、本当に最後まで3人で戦ったかなと思います。
戸上さんとは、張本(張本智和)もそうですけどパリオリンピックから3人でやってきて、あれだけの悔しい思いをしたので、今日で少しは取り返せたかなと思います。戸上さん、いつもありがとうございます。
昨日、森薗さんが選手の時には銀メダルしか獲れなかったと言っていたので、金メダルを見せることができてうれしいです。
今回来ているスタッフの方もそうですし、負けた選手たちも悔しい中でサポートしてくださっているので、まずは一人ずつにありがとうと伝えていきたいです。
卓レポX(旧ツイッター)では大会の速報をお届けします。
詳細な記録は下記サイトでご確認ください。
WTT:https://worldtabletennis.com/eventInfo?eventId=3108
(取材/まとめ=卓球レポート)




