男子ダブルスと混合ダブルスで計2つのメダルを獲得した日本男子。シングルスでも篠塚大登が中国選手を破り、戸上隼輔がメダルにあと一歩まで迫るなど、存在感を見せた。試合を戦った選手たちはもちろんのこと、今年の4月から日本男子ナショナルチームの指揮を執る岸川聖也監督にとっても幸先の良いスタートになったことだろう。
ここでは、篠塚/戸上が男子ダブルスで金メダルを獲得し、日本男子の全日程が終了した直後に行われた岸川監督のインタビューを紹介する。
中国が1番強いが、今はどの国も強い
いろいろなものを見ながら日本独自の強化を実現したい
--男子ダブルスの金メダル獲得おめでとうごいます。岸川監督から見て、篠塚選手と戸上選手のプレーはいかがでしたか?
岸川監督 大会を通して、決勝以外は篠塚の調子が上がらず、戸上が助けていた部分が多かったのですが、決勝は逆に篠塚がすごく調子が良くて、戸上に少しミスが多く出てしまっているという出足でした。ただ、そこはダブルスなので、お互いがカバーし合っていけたので、大会を通してそこはすごく良かったところですね。2人とも落ちてしまうと絶対に優勝できなかったと思うので、どちらかが調子が悪くてもしっかり助け合えていたことが良かったです。

--今回の日本男子チームの成績についてはいかがですか?
岸川監督 結果だけを見るとメダルを2つ取れましたし、2種目で決勝に進めたことはすごく良かったです。(男子シングルスの)戸上のメダル決定戦も、もちろんチャンスがあったので悔しい部分はあります。ほかの選手についても、早いラウンドで負けた選手もいるので、そこは選手個々で満足のいくプレーができた選手とできなかった選手がいると思いますが、全体的には、こうして男子ダブルスで優勝できましたし、混合ダブルスでも決勝までいくことができて、すごく良い大会になったんじゃないかなと思います。今後につながる大会になりました。
--そのロサンゼルスオリンピックでは、新しく混合団体、男女のダブルスが加わりました。よりダブルスの重要性が高まってくると思います。
岸川監督 優勝した篠塚と戸上はもちろん実力がありましたし、今回、結果として優勝できましたけど、今後はどうなるか分かりません。ダブルスも(日本から)何組出場できるのか正式な情報はまだ分からないので、今決めることは難しいです。いろいろなペアを試す可能性もあります。それはまだ決めてはいませんが、ダブルスが重要になってくることは間違いありません。
新体制になった最初の世界卓球で優勝できてすごく良いスタートが切れましたし、今後もさらに男子ダブルスと混合ダブルスが重要になってくるので、しっかり、(日本女子の)中澤監督とも話し合いながらやっていければいいかなと思います。
--大会を通じて、日本選手が中国選手に勝つ試合も増えてきました。追いついてきた手応えを感じられた大会でしょうか。
岸川監督 中国選手には、こういうビッグゲームだと大きなプレッシャーかかるので、僕らみたいに向かっていける選手の方が少し有利な部分もあります。客観的に見て、実力は中国選手の方がまだ明らかに強いので、今回、数試合でも倒せたというのはすごく自信になりますが、決して満足とかはせず、どんどん中国に近づけるように頑張っていきたいと思います。
(まとめ=卓球レポート)




