世界のトップ選手が一堂に会し、数々の名勝負を生んだ世界卓球2025ドーハ。卓球レポートでは、この大会でプレーしたバタフライプレーヤーに、それぞれの視点から大会を振り返ってもらった。
今回は、2回戦で篠塚大登(日本)に打ち勝ち、3回戦ではカルデラーノ(ブラジル)と好勝負を繰り広げたゲラシメンコ(カザフスタン)の言葉を紹介する。
--今大会には、どのような目標を持って臨みましたか?
ゲラシメンコ 金メダルは選手全員の目標だと思いますが、大会2週間前に組み合わせを見て、状態を仕上げる中で、できる限り勝ち進むことと、一つ一つのポイントに集中することを目指しました。
--男子シングルスでは、2回戦で篠塚選手とのラリー戦を制して勝利しました。勝因は何だったと思いますか?
ゲラシメンコ シンガポールのチュウ・ツェユ選手との1回戦の後、左利きの選手と戦うことに自信がつきました。
1回戦が終わった時点で篠塚選手と戦うことは分かっていましたが、過去に何度か対戦していたので、いくつか対応策を持って臨みました。
そして、重要だったのは、照明が少し不利に働く側でゲームを取ることでした。2対2から自分に不利な第5ゲームが何とか取れた後、今度は彼の方が苦しくなると分かり、自分に有利な側で自信を持って戦うことができました。
--3回戦では、カルデラーノに2対0とリードしたところから逆転を許してしまいました。この試合を振り返って、どのような内容でしたか?
ゲラシメンコ ウーゴ(カルデラーノ)に対しては良いスタートが切れたと思います。戦術も自分自身も信じることができていましたが、第3、第4ゲームの後、自分に集中すべきところで、彼が何をしてくるかに意識が向きすぎてしまいました。
そこから私は受け身になって、対応が遅れてしまう場面がありました。もちろん彼は素晴らしい選手で、逆転する術を見いだしていたのだと思います。試合後は、自分の限界を超えられなかったと思いましたし、2対4よりももっとできたはずだと感じています。
--今大会を通じて感じた自身の成長と、新たに見つかった課題を教えてください。
ゲラシメンコ 大変だったのはコートの片側でのボールの見えにくさで、ネガティブな考えが頭に浮かばないように気持ちを強く持つ必要がありました。最初から最後まで自分を信じなければいけませんし、それが来年以降、最も重要な課題だと思います。
そして、この大会はほかのWTTと同じように感じられました。以前は、世界卓球というと、大きな会場で多くの選手が参加する大規模なお祭りのように感じていました。今回はこういった感覚はありませんでしたが、バタフライパーティーに招いてくれたバタフライチームには感謝を伝えたいです!
--今後の目標をお聞かせください。
ゲラシメンコ 細部にこだわって練習する方法を見つけることです。大会については、実はオリンピック後に休暇が取れず、転戦で疲れてしまったので、休みを見つけて強くなって戻ってきたいと思います!
(取材/まとめ=卓球レポート)




