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鬼頭明 × 橋津文彦 指導者対談② 
いくつの日本一を持てるか?

「ちょっと、それ貸して‼️」のスピンオフ企画で一部の熱狂的な(⁉️)支持を獲得した鬼頭明(愛知工業大学総監督)と橋津文彦(野田学園高校監督)。
 近年のお互いの指導の様子を語り合った前回に続いて、「勝たせる秘訣」を聞きました。
※この記事は2019年11月に取材した内容をまとめたものです

それぞれの勝たせる秘訣

卓レポ 大学女子を勝たせる秘訣は何ですか?

鬼頭 ここで言えるほど余裕はない(笑)
 ただ、最後に戻るのは基本かな、というのはありますね。結局、競って負ける時って、最後にチャンスボールをミスしたり、待ってたボールが来てるのにミスしたり、そういう負け方が多い。それまでは運動能力やボールセンスでカバーできても、最後は基本が大事だと思います。
 愛工大の男子の監督になった時、最初は橋津に指導者としてのイロハを教わったんですけど、何もわからなくてよく聞いてましたね。とにかく学ばせてもらおうと思って。遠征に行けば、毎晩のように橋津と話をして、知識や考え方を学ばせてもらって、練習にも行かせてもらって、練習方法を盗んだり。今まさに、その当時教わった練習を女子選手でやっています。

卓レポ 橋津先生は? 子どもたちがレベルアップしてる中で、野田学園が勝てている理由は何だと思いますか?

橋津 今はトレンドに敏感じゃないと勝ちづらいですね。今だったらやっぱり張本智和(木下グループ)が強い。あの年齢(16歳。2020年4月現在)で世界であそこまで通用するというのはすごいよね。じゃあ、何が強いのかと考えると、何度かベンチに入って対戦して、ボコボコにされた経験から一番怖いと思ったのは、時間を与えてもらえないこと。これが最大の恐怖だと思う。
 これまでは余裕があったら回り込んでフォアで決める、台から出るか出ないかのボールを正確に見極めて出たら強く攻撃するということを重要視してきたけど、それが、どれくらい低いボールを攻めることができるかという勝負に変わってきている。一番重要な基準が、攻撃できるボールの高さや相手との距離に変わってきている。
 もちろん基本技術も大事だし、体の動きも効率的じゃないとだめだから、そういう基本的な練習はしてるけど、1、2年前からは張本を意識した練習に取り組んでます。


いくつの日本一を持てるか?

鬼頭 大学の時、タマスに来て、橋津に明治大の寮から来てもらって、一緒に練習したけど、その時から技術や理論を学んだり、考えたりするのが好きで、なぜミスをするのかだけじゃなくて、なぜ相手コートに入るのかということもよく考えてた。

橋津 オタクだよね(笑)

鬼頭 うん。結構オタク。橋津と田崎(俊雄)も卓球オタクで、飲んだらよく卓球の熱いうんちくを語ってたよね。技術的なこと、どうやって打ったら入るかは分かっても、その技術を獲得するためのアイデアがわからなかったり、自分ではできても、それを他人に教えようと思ったらどういう練習をさせればその技術が身に付くのかとか、そういうアイデアや伝え方は本当に橋津から学びましたね。だから、自分の指導者としての原点は橋津ですよ。ね?

橋津 やめて(笑)

鬼頭 怒られることもよくあった(笑) 強くするためには何が必要か、どういう戦略が必要か。自分が選手の時には、あまりそういうことをちゃんと考えてなかったし、今でも考えてる選手、考えてない選手がいると思うけど、自分がどうやって強くなってきたのか、どうして強いのかっていうことをちゃんと言える選手ってそんなに多くないんじゃないかな。僕もその中の一人だった。自分のことがよく分かってなかった。
 そういうことを橋津に教えてもらった。自分のことを知るところから始まって、目標があって、計画があって、戦略があって、そういう道筋をちゃんと立てないと大きな目標は達成できない。そういう指導の原点を教えてもらった。

橋津 明は選手で日本一になって、監督でも日本一になったんだからすごいよ。

鬼頭 日本一といえば、橋津に教わって一番印象的だったのが「日本一になるためには日本一をいくつ持つか?」っていうの覚えてる? 確か12、3年前に教わったんだけど。
 それを女子の監督になった時、最初に選手に伝えました。「サービス日本一、フォアハンド日本一、バックハンド日本一、フットワーク日本一、練習量日本一......。そういう日本一をいくつ持てるかで、日本一にどれだけ近づけるかが決まる」って。実際に男子の優勝を経験して、本当に納得できたから、女子には最初からそれを伝えることができたんだよね。
 いいこと言ったでしょ?(笑)

橋津 いいこと言った! ビールおごる!

鬼頭 ハハハ!
 最初に橋津に会ったのはここ(タマス阿佐谷本社)だったでしょ。俺がドイツでプレーしたいって考えてた時に、ドイツに行ってた奴がいるから呼ぼうかっていうことで橋津をタマスに呼んでもらったんだよね。それで、練習して、そこからの付き合い。

橋津 そうだね。あの時から選手には向いてなかったんだよ、自分は(笑)
 でも、指導者としては、選手ができるようになるまで待てる。時間は関係ない。できたら3分で終わるけど、できなかったらできるようになるまで教える。戸上だって最初は全然バックハンド打てなかったからね。

鬼頭 そこは俺も一緒かも。スイッチが入ったら1、2時間はあっという間に過ぎてることがある。選手がきっかけをつかむまではね。女子の指導、向いてたのかも(笑)


(文/写真=卓球レポート編集部)

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