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卓レポ名勝負セレクション 
灼熱の世界卓球2025ドーハ Select.4 
モーレゴード(スウェーデン) 対 張禹珍(韓国)

 卓球レポートは国内外のさまざまな大会へ足を運び、半世紀にわたり、あまたの熱戦を映像に収め続けてきた。その膨大な映像ストックの中から、語り継がれるべき名勝負を厳選して紹介する「卓レポ名勝負セレクション」。
 今シリーズでは、5月にカタールのドーハで開催された第58回世界卓球選手権大会個人戦(以下、世界卓球2025ドーハ)で繰り広げられた灼熱の熱闘を厳選して紹介する。
 今回は、モーレゴード(スウェーデン)対張禹珍(韓国)の男子シングルス4回戦の名勝負をお届けしよう。

■ 観戦ガイド
北欧のファンタジスタVS韓国の韋駄天
窮地で見せたモーレゴードの「神ブロック」は必見!

 名勝負続出の男子シングルス4回戦の中でもスリリングな接戦になったのが、今回取り上げるモーレゴード(スウェーデン)対張禹珍(韓国)の一戦だ。
 世界卓球2021ヒューストン男子シングルスで決勝進出、2024年パリオリンピック男子シングルスでの銀メダル獲得など、大舞台で確かな実績を残しているモーレゴードは、多彩で自由奔放なプレーが持ち味だ。プッシュ性のバックハンドやカット性ブロックで相手をほんろうしたかと思えば、コート全面からさまざまなサービスを繰り出して一撃フォアハンドであっさり点を奪うモーレゴードの大胆不敵なプレーは、個性派ぞろいのトップ選手たちの中でもひときわ強い存在感を放っている。
 今大会でもモーレゴードは優勝候補の一角に数えられており、順当に4回戦まで勝ち上がってきた。

 そのモーレゴードと男子シングルス4回戦で対峙(たいじ)する張禹珍(韓国)は、2013年世界ジュニア選手権ラバト大会男子シングルス優勝を筆頭に数々のキャリアを築いている強豪韓国の顔だ。快足を生かしたフォアハンドを大きな得点源とし、バックハンドも手堅い張禹珍は、国際大会で常に安定した成績を収め続けている。
 今大会でも、1回戦でブルゴス(チリ)にゲームオールまで迫られたが、そこを地力で切り抜けて以降は、2回戦でファラジ(イラン)、3回戦でラッサンフォス(ベルギー)と期待の若手たちを寄せ付けずに4回戦まで勝ち上がってきた。

 北欧のファンタジスタか。それとも、韓国の韋駄天(いだてん)か。
 注目の一戦は、モーレゴードが多彩なバックハンドを軸に張禹珍のペースを乱し、ゲームカウント3対1と優勢に進める展開。このままモーレゴードが勝ち切るかと思われたが、しかし、張禹珍が第5ゲームからバックハンドを軸にモーレゴードの奇襲に対応し、逆にモーレゴードの焦りを引き出す丁寧なプレーで2ゲームを奪い返すと、決着は最終の第7ゲームに持ち込まれた。

 最終ゲームは、追い付いた張禹珍が出足から手堅く得点を重ねてポイント6-2と抜け出すが、引き離されたことで腹を据えたモーレゴードが怒濤(どとう)の攻めで追い付き、互いに点を取り合いながら最後までもつれにもつれる。
 ポイント9-9でサービスはモーレゴード。この場面で張禹珍が、ここまで隠していた一撃チキータでマッチポイントを握る。ここで使うのか。モーレゴードの株を奪うような張禹珍の大胆なプレーに場内がどよめいていると、勝利が懸かる次のポイントでも張禹珍は強烈なチキータを放った。
 続けて一撃チキータが来るとは思っていないモーレゴードは迎え撃つ体勢ができていない。勝負あった。そう思われた刹那、モーレゴードは敗戦寸前の盤面をひっくり返すべく、神業のようなブロックを繰り出す。

(文中敬称略)

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(文/動画=卓球レポート)

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