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卓レポ名勝負セレクション 
灼熱の世界卓球2025ドーハ Select.5 
戸上隼輔(日本) 対 ヨルジッチ(スロベニア)

 卓球レポートは国内外のさまざまな大会へ足を運び、半世紀にわたり、あまたの熱戦を映像に収め続けてきた。その膨大な映像ストックの中から、語り継がれるべき名勝負を厳選して紹介する「卓レポ名勝負セレクション」。
 今シリーズでは、5月にカタールのドーハで開催された第58回世界卓球選手権大会個人戦(以下、世界卓球2025ドーハ)で繰り広げられた灼熱の熱闘を厳選して紹介する。
 今回は、戸上隼輔(日本)対ヨルジッチ(スロベニア)の男子シングルス4回戦の名勝負をお届けしよう。

■ 観戦ガイド
ベスト8入りを懸けた一進一退の攻防
劣勢の終盤、戸上がひらめきの配球で猛追する

 上田仁を専属コーチに迎え、新たな境地で今大会に臨んだ戸上隼輔は、男子シングルス1回戦でベテランのマドリッド(メキシコ)、2回戦で若手有望株の郭冠宏(中華台北)にそれぞれ快勝すると、3回戦では張本智和と対戦。「倒したい半面、張本に勝った後、次のヨルジッチ(スロベニア)に勝てるかどうかという不安と半々でした(戸上隼輔インタビュー)」と葛藤を抱えていた戸上だが、心中とは対照的な切れ味鋭い両ハンドで張本との同士打ちを制し、世界卓球で自身初となる男子シングルス4回戦に駒を進めた。

 戸上が4回戦で対峙(たいじ)するのは、ヨルジッチだ。バックハンドサービスとバックハンドの名手として知られ、ヨーロッパトップ16カップ3連覇を筆頭にビッグマッチで数々の好成績を収めている実力者だ。
 世界ランキング10位のヨルジッチは、31位の戸上にとって格上の相手だが、直近のドイツ・ブンデスリーガで4度の対戦があり、いずれも接戦の末に戸上が勝利を収めている。
 戸上にとってヨルジッチは分の良い相手ではあるが、実力は伯仲だ。
 
 手の内を知る両者の試合は、互いが有効な手を探り合う静かな立ち上がりで始まったが徐々に熱を帯びていき、バックハンドサービスから先手を取れればヨルジッチ、レシーブから主導権を握ることができれば戸上という展開でゲームを奪い合いながらゲームオールにもつれ込む。
 最終の第7ゲームも一進一退で進んだが、しかし、中盤から戸上がヨルジッチのバックハンドサービスからの展開につかまり、6-9と離される苦しい展開。このままヨルジッチが逃げ切るか。そう思われたところから、戸上が思い切ったレシーブとヨルジッチの意表を突くサービスを繰り出し、ベスト8入りに向けて猛追撃を開始する。

「ひらめいて実行するのはすごく勇気がいることだし、実行したとして実を結ばないことも往々にしてあるのですが、ひらめきが見事にはまったので、これほど気持ちが良いことはないなと思いましたし、見ていて鳥肌が立ちました(上田仁インタビュー)」と上田コーチが感服した、戸上のインスピレーションと攻撃力が光る一戦を、ぜひ堪能してほしい。
(文中敬称略。世界ランキングは大会時)

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(文/動画=卓球レポート)

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