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卓レポ名勝負セレクション 
灼熱の世界卓球2025ドーハ Select.6 
梁靖崑(中国) 対 林詩棟(中国)

 卓球レポートは国内外のさまざまな大会へ足を運び、半世紀にわたり、あまたの熱戦を映像に収め続けてきた。その膨大な映像ストックの中から、語り継がれるべき名勝負を厳選して紹介する「卓レポ名勝負セレクション」。
 今シリーズでは、5月にカタールのドーハで開催された第58回世界卓球選手権大会個人戦(以下、世界卓球2025ドーハ)で繰り広げられた灼熱の熱闘を厳選して紹介する。
 今回は、梁靖崑(中国)対林詩棟(中国)の男子シングルス準々決勝の名勝負をお届けしよう。

■ 観戦ガイド
梁靖崑の安定感と林詩棟の突破力が激しく交錯!
終盤までもつれた白熱の同士打ちの行方は?

 世界最強を目指してしのぎを削る中国選手の同士打ちは、かなり高い確率でハイレベルな接戦になる。今回取り上げる梁靖崑(中国)対林詩棟(中国)もその例に漏れず、世界卓球のメダルを懸けた準々決勝にふさわしい名勝負になった。

 林詩棟は、最強中国が大きな期待を寄せる次代のエース候補だ。現代卓球の潮流ともいえるスピーディーな両ハンド攻守が持ち味のシェーク攻撃型だが、とりわけ、威力と安定性、多彩さの三拍子そろったバックハンドの強さは世界随一と言って過言ではない。
 シンガポール スマッシュ優勝を筆頭に国際大会で数々の好成績を収めている林詩棟は、今年の2月11日に発表された世界ランキング史上最年少となる19歳で世界ランキング1位を獲得。第1シードで迎えた今大会も、ピッチフォード(イングランド)やK.カールソンケルベリ(ともにスウェーデン)ら強豪を、得意のバックハンドを起点とした突破力で寄せ付けず、順当に準々決勝まで勝ち上がってきた。

 対する梁靖崑は、世界卓球2019ブダペスト世界卓球2021ヒューストン世界卓球2023ダーバンと世界卓球で3大会続けて銅メダルを獲得している実力者だ。格闘家のようないかつい体格とは裏腹に、剛腕でぐいぐい押すというよりも丁寧でミスの少ない両ハンド攻守を身上とする。加えて、安定感をベースに対応力も高いため、梁靖崑は海外の選手に対して抜群の強さを誇ることでも知られている。
 今大会でも3回戦で実力者のフレイタス(ポルトガル)、4回戦で勢いに乗るジャービス(イングランド)をきっちり押さえて準々決勝に勝ち上がってきた。

 試合が始まると、ロングサービスとディープツッツキをうまく使って林詩棟に気持ちよくバックハンドを振らせなかった梁靖崑が2ゲームを連取するが、第3、第4ゲームは林詩棟が得意のバックハンドをさく裂させて奪い返す互角の展開。その後も両雄譲らずにゲームを取り合い、勝敗の行方は当然のように最終の第7ゲームへ持ち越された。
 梁靖崑の安定感か。それとも林詩棟の突破力か。「お互いに良いプレーを出せた試合だったと思います(林詩棟が振り返る世界卓球)」と林詩棟が認める、現代卓球に必要ななんたるかが凝縮された攻防は上達のヒントの宝庫だ。
(文中敬称略。世界ランキングは大会時)

↓動画はこちら

(文/動画=卓球レポート)

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