世界のトップ選手が一堂に会し、数々の名勝負を生んだ世界卓球2025ドーハ。卓球レポートでは、この大会でプレーしたバタフライプレーヤーに、それぞれの視点から大会を振り返ってもらった。
今回は、3種目に出場し、いずれもベスト8に終わった林詩棟(中国)の言葉を紹介する。
--今大会には、どのような目標を持って臨みましたか?
林詩棟 とにかく「挑戦者」という気持ちで臨みました。世界卓球ではどの相手も強いので、あまり結果を気にしすぎず、一試合一試合に集中して、自分の力をしっかり出すことを意識しました
--世界ランキング1位、第1シードとして臨んだ男子シングルスでは、1回戦のピッチフォード(イングランド)から強豪選手を連破して、準々決勝に進出。準々決勝では梁靖崑(中国)との同士打ち対決で競り合いに敗れました。
林詩棟 お互いに良いプレーを出せた試合だったと思います。ただ、彼は戦術的な変化をしっかりと準備してきていて、私は試合の入りが少し甘かったかもしれません。
後半は少しずつ流れを取り戻したのですが、5ゲーム目でリードしていながら落としてしまって、そこは本当に悔しかったです。全体として、彼の方が思い切りがあって、私はちょっと慎重になりすぎた部分もあったかもしれません
--林高遠とペアを組んだ男子ダブルスでは、3回戦で張禹珍/趙大成(韓国)をストレートで下すも、準々決勝で高承睿/林昀儒(中華台北)に敗れました。この試合を振り返って、いかがでしたか?
林詩棟 出足から相手のスピードと連係が素晴らしくて、こちらはその速さにうまく対応できませんでした。試合の中で少しずつリズムはつかめましたが、やはり序盤の差が大きかったと思います。
試合を通じて、相手の完成度が高く、自分たちの強みが出しきれませんでした。
--第1シードで臨んだ混合ダブルスでは、3回戦まで3対0の危なげない内容で勝ち進みましたが、準々決勝で吉村真晴/大藤沙月(日本)に敗れました。
林詩棟 準々決勝では、特に私たちのレシーブで課題が生じ、決定打やつなぎの場面でも細かいミスが重なってしまいました。勝てるチャンスはありましたが、ほんのわずかな精度の差がこの結果につながってしまったと思います。
--大会前は三冠という声もありました。3種目でベスト8という結果をどのように受け止めていますか?
林詩棟 どの試合も本気で戦いましたが、3種目ともベスト8という結果は、ある程度想定していたものの、やはり混合ダブルスと男子ダブルスでは「もっと上に行けた」という思いがあり、理想としていた結果との差は感じます。世界卓球では何が起きるか分かりませんが、やはり悔しさが残る大会となりました。
--今大会を通じて感じた自身の成長と、新たに見つかった課題を教えてください。
林詩棟 この大会は自分にとって非常に大きな経験になりました。試合中の気持ちの持ち方や、プレー中の感覚も以前より向上していると感じましたし、試合の流れを読む力や経験も着実に積めたと思います。
--今後の目標をお聞かせください。
林詩棟 これからも一試合一試合に全力で挑み、できるだけ多くのタイトルを取れるように頑張っていきたいです。
(取材/まとめ=卓球レポート)




