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水谷隼に聞く 26 ブロックがすごい選手

 

 これまで、1番強かった選手、サービスがすごい選手、フットワークが優れている選手、チキータがすごい選手、チキータに限らずレシーブがすごい選手を聞いてきた中で、水谷隼選手が挙げたのはすべて外国選手だったが、今回、初めて日本選手の名が挙がった。 

 松平健太選手はブロックの名手。そして松平選手のブロックというと、私は2013年世界卓球選手権パリ大会(個人戦)を思い出す。
 松平(以下敬称略)は男子シングルス2回戦で2008年北京オリンピック金メダリストの馬琳(中国)に勝利すると、江宏傑(中華台北)、サムソノフ(ベラルーシ)を破って準々決勝へ。準々決勝では許昕(中国)に惜しくも敗れたが、そこでの松平のプレーがすさまじかった。
 松平は許昕の攻撃をことごとくブロックし(ことごとくというのはおかしいが、そんな印象を受けるくらいブロックが冴えていた)ゲームカウント2対1とリード。許昕は松平に翻弄されているように、別の言い方をすれば「いいように振り回されている」ように見えた。最終的には、試合は4対2で許昕が勝ったのだが、中国の劉国梁監督はこんなコメントを残した。
「松平は馬琳、サムソノフに勝ち、許昕にもゲームカウント2対1とリードしたが、この活躍は予想外ではなく、さらに上に行く可能性があった。今大会で最も興味を引かれたのは、松平の活躍だったと言える」

 この2013年の世界卓球の後、松平は月刊卓球レポート2013年8月号で、自分のブロックについて明かしてくれた。松平は9種類のブロックを使い分けたのだという。

・バックハンドの基本のブロック
・バックハンドの伸ばすブロック
・バックハンドの曲げるブロック
・バックハンドのはじくブロック
・バックハンドの前に落とすブロック
・バックハンドの下回転ブロック
・フォアハンドの基本のブロック
・フォアハンドの伸ばすブロック
・フォハンドの左横下回転ブロック

 なんと多彩なブロック技術だろう。以下はその時の松平のコメントだ。
「試合で勝つためには、自分から攻撃することが理想ですが、卓球は対人競技なので、いつでも自分が攻撃できるとは限りません。相手と力が拮抗していたり、自分よりも相手の力の方が上だったりした場合には、相手に攻撃される場面も多いと思います。そのときに必要な技術が、ブロックです。
 一般にブロックは、相手の攻撃に対して守る『守りの技術』と認識されていると思います。しかし、相手の攻撃を単にブロックで返すだけでは、連続攻撃を許してしまいますし、得点に結びつけることも難しいでしょう。特に、今は攻撃力の高い選手が多いので、相手の攻撃に対して止めるブロックをしているだけでは、勝機を見いだすことはできません。
 そこで、僕がブロックするときは、単に返すのではなく、コースや変化を工夫しています。もちろん、状況によって止めるブロックを使うこともあります。しかし、自分のボールが甘くなって相手にフルスイングされたとき以外は止めるブロックを使わず、できるだけコースや回転、スピードなどに変化をつけてブロックし、常にチャンスをつくることを考えています。
 つまり、僕にとってブロックは、自分が攻撃できないときの守りの技術ではなく、『得点を狙う攻めの技術』なのです。攻めのブロックは僕の特徴であり、自分のプレースタイルの大きな武器だと思っています」




取材=猪瀬健治 文=川合綾子
連続写真は松平健太のバックハンドの下回転ブロック

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