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リアルトーク 宇田幸矢 × 戸上隼輔
 ⑥互いの評価(プライベート編)と今後の目標

 今年の全日本卓球選手権大会で表彰台に登った宇田幸矢と戸上隼輔。卓球レポートは、ともに明治大学に進学した2人に、コロナ禍でどのように過ごしたか、先の全日本について、また、卓球選手として、友人としての互いについて余すところなく語ってもらった。
 前回は卓球選手としての互いの評価について聞いたが、今回はプライベートでも親交のある2人に互いの人物像について掘り下げてもらった。

「戸上はマイペース」「宇田は勝負師」

卓レポ プライベートでも2人は仲がいいですよね。卓球以外の部分で、互いをどのように思っているかを聞かせてください。

宇田 一番思うのは、(戸上は)マイペースってことですね。

戸上 絶対言われると思った。

宇田 海外遠征の時もだいたい僕らは同じ部屋なんですよ。すごいマイペースで、あとは、時差ボケに弱い(笑)
 海外に行くと、(時差ボケ対策として)寝ずに我慢して耐えるじゃないですか? でも、戸上はすぐ寝るんですよ。本当に眠いのは分かるんですけど、3日間くらいずっとそれをやってるんです。
 あとは、しゃべる時はしゃべるけど、落ち込んだら結構静かです(笑)

卓レポ 宇田選手はどんな性格ですか?

戸上 宇田はきっちりしすぎてるところがありますね。マイペースな僕と比べてきっちりしすぎているというか。例えば、バスに乗る時、僕はちょっと時間に余裕を持って動きたいので「行くよ」と言っても、「まだ大丈夫でしょう」ってギリギリに行って、時間ちょうどに乗ろうとするんですよ。

宇田 最近は、戸上が待ちきれなくて待ってくれなくなりました(笑) 今までは部屋の外で待っててくれてたんですけど、最近はいないです。

戸上 待ちきれないです(笑) 宇田のそういうところは卓球と似てるかもしれないですね。きっちりしてて思ったことは常に実行するし、スリルを楽しむ勝負師みたいなところもあります。
 あとは時々、「こんな大事なことを忘れる?」みたいなこともあります。海外の試合でIDカードをもらえるんですが、あれがないと会場にも入れないのにホテルに忘れてきたり、しかも、監視員の目の前で忘れたのに気づいて取りに行ったり、結構おっちょこちょいなところもありますね。スリル楽しみすぎて忘れちゃう、みたいな(笑)

宇田 そうだね。

卓レポ せっかくなので、互いのいいところもお願いします。

宇田 戸上は、マイペースなところもあるけど、逆に人に流されにくいところもありますね。自分がやらないといけないことをコツコツこなしていくタイプかな。

戸上 どうですかね。自分は結構、練習の予定とか何時に出発するとか、基本的に宇田に任せていて、1時なら1時に一緒に行くという感じで。

宇田 悪い方向には流されないけど、プライベートで「これよくない?」って聞いたりすると、すぐに「いいね」とか「自分もほしい」ってなるんですよ。
 でも、疲れたりしてて練習したくない日もあるじゃないですか。そういう時でも、戸上は自分の練習をコツコツやるタイプですね。

戸上 プライベートでは人が「これほしいな」って言ったものを本当に自分もすぐにほしくなっちゃうんですよ。

宇田 戸上はファッションとか全然自分で調べないんですけど、僕はぼちぼち調べるタイプなので、(服の画像などを見せて)「こういうの良くない? どう思う?」って聞くと、戸上もほしくなっちゃうみたいのは結構あるよね。
 一緒に買物に行く時も「戸上これ似合うじゃん」って言うと、戸上がほしがってくれるっていう(笑)

戸上 勧められたものはしっかり買っちゃう癖があるかもしれないです。

卓レポ それは誰のお勧めでもいいんですか?

戸上 それが、宇田だけなんですよね(笑)
 宇田は、結構いろいろなことに関してアドバイスしてくれて、面倒見が本当に良くて、励ましてくれることが多いです。試合で負けた時も、本当に助かりますね。
 卓球が好きなのか、ここ(明治大学)でも自主練習をやっていましたし、今は腰を痛めてやっていませんが、トレーニングも練習も誰よりもやっていますし、決めたことはやり通すっていうのは見ていて分かりますね。

宇田 全日本の時は特にやってましたね。昔は効率よく練習しようっていうタイプだったんですけど、全日本優勝する前は、世界ランキングも100位くらいで、自分には時間がないと思って、強くなるスピードも大して速くないし、このままではだめだと思った時に、今までやってきた練習の量を増やして、さらに、質も上げることができたらもっと強くなれるんじゃないかと思って、全日本の1年前くらいから、徹底して練習量を増やして、フィジカル面でもトレーニングで追い込んで、やってきましたね。
 高校3年生の時から、家が近かったというのもあって明治大学で練習させてもらっていました。自分は通信制の高校で比較的練習時間も取れたので、そういう時は誰かに練習相手をしてもらって、ウエートトレーニングをして、というのを毎日繰り返していたので、高校3年間はとにかく練習とトレーニングをやり続けましたね。
 全日本前も、1日練習が終わってからトレーニングが終わるのが夜10時ということもありました。週4で上半身と下半身をそれぞれ追い込む日を分けて、ずっとやっていたので、全日本でのパフォーマンスは良かったと思います。


2人の共通の目標、2024年のパリオリンピック

卓レポ 今後の目標を聞かせてください。

宇田 4年後のパリオリンピックが、人生の中で一番目指しているところです。今の自分の実力でオリンピックに出て勝てるかと言われると、今の実力では足りないですし、4年間でも時間は少ないので、もっと自分で考えて、何か新しいことを身に付けなくてはならないと思っています。今はとにかくオリンピックに直結する世界ランキングを上げることを一番に考えていて、20位台、10位台、一桁と上げていくために、練習していくしかないと思っています。
 課題は本当にたくさんあると思いますが、自分の中でトップ選手と試合をして差を大きく感じるのは台上プレーです。僕はチキータは得意ですが、強い選手は試合の中ですぐに対応してきます。チキータをされても対応してきますし、チキータをさせない戦術にもすぐに変えてくるので、チキータだけでは通用しませんし、ストップ、フリックなどのバリエーションがほしいです。
 あとは、自分から攻めて点を取るのは得意な方ですが、守備的なプレーはそこまで得意ではありませんし、トップ選手とまだ差があるので、相手にやらせて点を取る技術と戦術のレベルをもっともっと上げていかないと、調子が悪い時に対応できないで負けてしまうので、(守備的なプレーでも)相手と駆け引きができるようにないといけないと思います。

戸上 できれば4年後のオリンピックにピークを合わせていきたいと思っています。今は世界ランキングがまだ3桁ですが、この4年の間に1桁に入って、日本としてチームランキング1位か2位になって、決勝に行ける組み合わせに持っていきたいと考えています。
 そのためには、世界選手権大会やその他の国際大会でも結果を出していかなくてはならないので、コロナが落ち着いた1年目の国際大会が重要だと考えています。

 僕の課題はフィジカル面で、中国やヨーロッパの選手と比べてまだまだ弱い方なので、フィジカルを強くしてラリーでも負けない体作りが必要だと思っています。その後に技術や戦術はついてくると思うので、まずフィジカルを強くして海外の選手に負けない体を作っていこうと思っています。

 屈託のない笑顔とアスリートとしてのストイシズム、限られた枠を競う厳しいライバル関係と仲睦まじい友人関係、それらが矛盾なく共存する2人には、今までの卓球選手にはない「新世代」を感じざるを得ない。そして、彼らの既成の枠にとらわれない考え方、強い意志の力、そして、実行力は、彼らが新たな境地にたどり着くことができるのではないかという期待を感じさせてくれる。その境地とはもちろん、競技スポーツとしての卓球の頂点かもしれないし、アスリートとしての新しい在り方かもしれない。
 彼らが高校を卒業し、アスリートとしての本格的なスタートを切るこの時期がコロナ禍と重なったことを、私は不運だとは思わない。それは試練の一つではあるかもしれないが、きっと彼らなら次なる飛躍へのチャンスに変えることができるに違いないという確信があるからだ。

 いよいよ最終回となる次回は、2人の用具について使用感、変更の理由、また、用具によるプレーの変化などについて聞く。


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(取材/まとめ=卓球レポート)

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