［日本一の練習］

日本一の練習　野田学園#2 バック側への2度突きに備える！

2025.11.25

　2025年のインターハイ（全国高等学校総合体育大会）と全中（全国中学校卓球大会）を制した野田学園中高卓球部（以下、野田学園）の練習を紹介する新企画がスタート！
　野田学園を率いる橋津文彦総監督が、日頃取り組んでいる練習の方法やその根拠、ポイントを包み隠さず教えてくれる。
　練習なくして、勝利なし。中高日本一を果たした野田学園の練習から、最強のメソッドを手に入れよう！
※本文の技術解説は右利きプレーヤー同士の練習を想定しています。

練習の狙い
バック側へ2度突きされたときの判断力を磨く

　前回は、フォア側への2度突きに対応するための練習メニューを紹介しました。フォア側に来たボールを打球した後、相手にもう一度フォア側を突かれるケースへの対応を鍛えることは、今の卓球で勝つためのテーマの1つですが、2度突きされるのはフォア側だけではありません。バック側に来たボールを打球した後、相手にもう一度バック側を突かれる、いわゆる「バック側への2度突き」に遭うケースも多いでしょう。バック側への2度突きに対しては、フォアハンドとバックハンドのどちらで打球するのかを素早く判断する必要があります。
　そこで、今回は「バック側への2度突き」に対する判断力や対応力を磨くために野田学園で行っている練習メニューを紹介します。

練習内容
バック側2本または1本の3点のフットワーク練習

フォア側→ミドル（センターライン付近）→バック側2本（またはバック側→フォア側）の順に送られるボールに対して、基本的にフォアハンドドライブで打球する。

練習のポイント
低い姿勢を保ち、判断を素早く的確に行う

　この練習でバック側に2度突きされたときは、フォアハンドとバックハンドのどちらで打球するにしても、前回紹介した練習同様、体が浮かないよう低い姿勢を保つことがポイントです。低い姿勢をキープすることで体のバランスが保たれ、「ラケットをしっかり振り切れる」「次球へ対応しやすくなる」などのメリットが生まれます。
　また、バック側に来たボールに対して回り込んでフォアハンドで打球した後、バック側に2度突きされた場合は、自分の位置や時間的な余裕などの状況に応じて、もう一度フォアハンドで打球するのか、それともバックハンドに切り替えるのかを素早く的確に判断することが大切です。もう一度フォアハンドで打球する場合は、体勢が詰まらずにラケットをしっかり振り切ること。一方、バックハンドで打球する場合は、素早くバックハンドが打てる体勢に切り替え、早い打球点を捉えてラケットをしっかり振り切ることがポイントです。
　なお、フォア側とバック側だけでなく、ミドルに1本または2本の3点のフットワーク練習も行います。さらに、難度はとても高いですが、フォア側、ミドル、バック側の全てのコースを1本か2本にした3点のフットワーク練習も行い、選手たちの対応力を鍛えています。