日本一の練習　野田学園#3 強打を決めきる力を養う！

　2025年のインターハイ（全国高等学校総合体育大会）と全中（全国中学校卓球大会）を制した野田学園中高卓球部（以下、野田学園）の練習を紹介する新企画がスタート！
　野田学園を率いる橋津文彦総監督が、日頃取り組んでいる練習の方法やその根拠、ポイントを包み隠さず教えてくれる。
　練習なくして、勝利なし。中高日本一を果たした野田学園の練習から、最強のメソッドを手に入れよう！
※本文の技術解説は右利きプレーヤー同士の練習を想定しています。

練習の狙い
強打の「動き」「判断力」「コース取り」を鍛える

　野田学園では選手たちの得点力を高めることを重視しており、そのために強打を磨く練習を日頃から多く取り入れています。強打は有効な得点手段ですが、やみくもな強打では得点につながらないケースも出てきます。
　強打を確実に得点に結び付けるためには、最も得点率の高そうなところへ打ち込むための動きや判断力、コース取りを鍛えることが重要になります。
　そこで、今回は、強打を確実に決めきる力を培うために野田学園で行っている練習メニューを紹介します。

練習内容
全面に送られるブロックを、バック側2本→フォア側2本の順に両ハンドで強打する練習

練習のポイント
体のバランスをしっかり保って強打を打ち分ける

　この練習では、全面に送られるブロックに瞬時に反応しつつ、決められたコースに強打を打たなければなりません。そのため、強打を決めるための動きや一瞬の判断力、それらに基づくコース取りを鍛えることができます。
　練習のポイントは、体のバランスを保つこと。体のバランスをしっかり保てば、どこにブロックが来ても素早く反応して強打が打ちやすくなります。
　強打を磨くためには、強打するコースをワンコースに限定するメニューもありますが、それだと難度があまり高まらないので、野田学園ではコースの打ち分けが求められるこの練習を取り入れています。ちなみに、この練習はOBの戸上隼輔（井村屋グループ）もよく行っていました。
　ここではバック側2本→フォア側2本の練習メニューを紹介しましたが、バック側1本→フォア側1本やバック側3本→フォア側3本など、強打を打ち分ける本数を加減することもあります。
　また、練習相手は基本的に強打に対してブロックしますが、ブロックだけでなく、少し伸ばしたりカウンター気味に返球したりして練習の難度をさらに高めるアレンジも加えています。

　次回は、フォア側への動きを鍛えるために野田学園で行っている練習を紹介します。お楽しみに！

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（取材／まとめ＝卓球レポート）