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日本一の練習 野田学園#4 ケース別・フォア側への動きを磨く!

 2025年のインターハイ(全国高等学校総合体育大会)と全中(全国中学校卓球大会)を制した野田学園中高卓球部(以下、野田学園)の練習を紹介する新企画がスタート!
 野田学園を率いる橋津文彦総監督が、日頃取り組んでいる練習の方法やその根拠、ポイントを包み隠さず教えてくれる。
 練習なくして、勝利なし。中高日本一を果たした野田学園の練習から、最強のメソッドを手に入れよう!

練習の狙い
展開に応じたフォア側への動きを鍛える

 相手にフォア側を突かれるケースは試合でとても多く、そのときにしっかり対応できるかどうかは、勝敗に大きくかかわります。そのため、「フォア側への動きの強化」は、競技力向上において欠かせないテーマです。
 一口に「フォア側への動き」と言っても、その展開は一様ではありません。バック側でバックハンドを打った後にフォア側へ移動するケースと、バック側にフォアハンドで回り込んでからフォア側へ動くケースとでは、移動する距離や足の運び方、打球するタイミングなどが異なります。
 今回は、そうした異なる展開に応じたフォア側への動きを鍛えるために、野田学園で行っている練習メニューを紹介します。

練習内容
バック側で両ハンドを切り替えながらフォア側へ動く練習


練習者はバック側に送られるブロックに対してバックハンドとフォアハンドを1球ずつ切り替えて打球しながら、フォア側に送られるブロックに対してフォアハンドで打球する。練習相手はバック側にブロックを送りながら、どのタイミングでも構わないのでフォア側にブロックを送る。

練習のポイント
低い姿勢をキープし、適切な打球位置まで素早く動く

 この練習は、試合同様、フォア側にボールが来るのがバックハンドの後なのか、それともフォアハンドで回り込んだ後なのか分かりません。そのため、実戦に近い形でフォア側への動きが鍛えられます。
 練習のポイントは、「低い姿勢を保ってフォア側へ動く」ことです。フォア側へ動くときに上体が起き上がって体のバランスが崩れてしまうと、打球が安定しません。バックハンドとフォアハンド、どちらで打球した後にフォア側へ動くときも、低い姿勢を保つことが大切です。そうすると、フォア側へのフットワークがスムーズになり、それに伴って打球も安定します。
 フォア側へ動くときは「適切な打球位置まで動く」ことも、この練習のポイントです。フォア側に来たボールに対しては、動くのが遅れたり、動く距離が足りなかったりしてラケットが届かないケースはもちろんですが、動きすぎて体勢が詰まってしまうケースも好ましくありません。フォア側に来たボールを安定して打ち返すためには、遠すぎず近すぎない位置まで素早く動くことが大切です。これを踏まえ、フォア側に来たボールに対してベストな位置で打球するための足さばきや間合いの取り方などを、この練習で磨いています。
 今回の練習内容の紹介イラストは右利きの選手同士を想定していますが、右利きの選手と左利きの選手でこの練習を行うと、お互いがフォア側へ送るブロックのコースに角度がつくので、より練習の効果が高まります。

バックハンドからフォア側へ動いてフォアハンドドライブ



回り込みフォアハンドからフォア側へ動いてフォアハンドドライブ



 次回は、細かい動きとミドル(右利きの選手の右腰あたり)に来たボールへの対応を鍛えるために野田学園で行っている練習を紹介します。お楽しみに!

↓動画はこちら

(取材/まとめ=卓球レポート)

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