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インタビュー プリティカ・パバド 
ヨーロッパ期待の16歳

写真提供=ITTF(国際卓球連盟)


 16歳のプリティカ・パバド Prithika Pavade(フランス)が東京オリンピック女子シングルスの出場資格を獲得した。パバドは左シェーク攻撃型。2004年8月2日生まれで、オリンピックには初出場となる。
 東京オリンピックのヨーロッパ予選は2021年4月21〜25日にギマランイス(ポルトガル)で行われた。グループリーグから出場したパバドは、リーグ戦を3勝0敗で通過。トーナメントでは第1シードのマテロバ(チェコ)、第3シードのノスコワ(ロシア)を含む4人の選手に勝利し、オリンピックの出場資格獲得した。オリンピック出場を決め、パバドはこう語る。

「東京オリンピックの出場資格を得ることができて、とてもうれしかったです。ヨーロッパ予選では、経験豊かな強い選手たちとの対戦が続いたので、とても厳しい戦いでしたが、最初から自分を信じて戦いました。その中で、何とかトーナメントを勝ち抜くことができて光栄に思います」

 ヨーロッパの有望な若手選手として期待を集めるパパド。幼い時から才能が注目されてきたが、その才能を最初に見いだした人物がニコラス・グレイナーだった。
 グレイナーはパバドを熱心に指導し、フランス国外での経験も積ませていた。2018年、2019年には日本を訪れて約1カ月滞在し、味の素ナショナルトレーニングセンターや日本生命、関東のいくつかの強豪大学などで強化練習を実施した。
 日本で練習した印象や、その後の国際大会などで感じた日本選手の印象をパパドはこう述べる。

「卓球で世界最高の国のひとつである日本での2度の合宿の経験は、私に多くのことをもたらしましたし、私は新しい卓球文化を学ぶことができました。
 特に私の卓球に関しては、これらの合宿で私の基礎の部分を強化することができました。実際に練習で相手をしてくれた選手のレベルは非常に高く、私はラリー戦でのボールの質を向上させることができたように思います。またサービスとレシーブで多くのことを学びました。
 私にとって、日本の卓球は普通ではありません。特にサービスとレシーブでは、日本選手は非常に多様であり、私は彼女たちのバリエーションの多さに、頻繁に混乱させられています。試合では、両ハンドのバランスがとても良く、カウンター技術に優れていると思います。
 それから、私が知っているトップレベルの日本選手に関して最も印象が強いのは、試合前の彼女たちの準備の仕方です。私はウオーミングアップの際に彼女たちをついつい見てしまいますが、細かい部分にまで気を配って試合前の準備を行っているのはとても印象的です」

 ちなみに、パバドは2018年に来日した際、東京卓球選手権大会に参加している。結果は、カデット女子で3位に入賞した。

「私が2018年に東京選手権大会のカデットの部に出場した時、すべての試合がとても難しかったことを覚えています。最も強い選手と、1~2回戦で対戦した選手の間に大きな差はなく、全体のレベルがとても高かった印象です」

2018年の東京卓球選手権大会カデットの部にて

「日本での滞在は、とても良い思い出です。複数のチームでの練習では卓球以外でもとても良い経験ができ、楽しかったです。私にこのような合宿および練習の機会を与えてくれた、フランスや日本のすべての皆さんに、感謝したいと思います」

すき焼きと天ぷらに舌鼓。右側がパバド。左側手前がグレイナー

 パパドは2018年、2019年には世界ジュニア卓球選手権大会に出場。幼い頃からの指導者であるニコラス・グレイナーは、2019年夏からはフランスのジュニアナショナルチーム監督となっていた。そして、グレイナーとともに挑んだ2020年10月9〜11日のヨーロッパユース・トップ10で、パバドは優勝を遂げた。
 だが、そのヨーロッパユース・トップ10の翌週に、グレイナーは心臓発作で急逝した。43歳だった。

「私はニコラスと多くの時間を共有してきました。私が卓球を始めた時には、彼はすでに私のクラブで指導者でしたし、私のキャリアのすべてで、私に同行してくれていたので、私たちは明らかに特別な関係だったと言えます。私がこのレベルに到達できたのは、両親とニコラスの素晴らしいチームワークのおかげです。彼らは一緒に私の強化プロジェクトを実行するために尽力してくれました。私は家族、卓球選手の友人、そして現在のコーチなど、すべての方に支えられながら、起きてしまったこと(ニコラスの死)を受け入れ、克服するために頑張っています」

ニコラス・グレイナー

 パバドの成長をサポートすることをライフワークとしていたグレイナー。そのグレイナーを失ったパバドの悲しみは計り知れないが、それでも彼女はヨーロッパ予選を懸命に戦い、勝ち抜いた。パバドはオリンピックへの思い、そして将来の目標についてこう教えてくれた。

「私は東京でのオリンピックに出場できることになりましたが、できるだけ多く勝ちたいと思っています。現段階では、どこまで勝ちたいとか、具体的な目標は設定していませんが、1試合1試合集中して戦いたいと思っています。現在のパンデミックにより、どのようになるか予測できませんが、開催されれば、これまで私が経験した大会とはまったく異なる雰囲気になると想定しています。
 私の将来の目標は、シニアの大きな大会の舞台で活躍し、世界で最高の選手の1人になることです。そしてもちろん、私の『究極の目標』はオリンピックで優勝することです。
 そして、卓球以外の人生での目標としては、何らかの勉強をしたいと思っています。今のところ具体的には決まっていませんが、勉強をしたいです」

文中敬称略
文=川合綾子 協力=久保真道、Christophe Legout


2019年世界ジュニア卓球選手権大会にて

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