いよいよ2026年全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部)が1月20日より東京体育館で開幕する。
これまで全日本卓球選手権大会(以下、全日本)は、シングルス4種目とダブルス3種目の計7種目を一斉に開催していたが、今年は、昨年に続いてシングルス4種目とダブルス3種目が分離開催される運びとなった。
シングルスは東京体育館(東京都)で1月20日から25日まで、ダブルスはスカイホール豊田(愛知県)で1月29日から2月1日にかけて開催される。
開幕に先駆けて、男子シングルスの有力選手と見どころを紹介しよう。
※男子シングルスの組み合わせはこちら(日本卓球協会特設サイト内)
【第1ブロック】
連覇を狙う松島が大本命のブロック
曽根、吉村真晴、濵田らが松島を追う
第1ブロックの本命はもちろん、第1シードの松島輝空(木下グループ)だ。昨年、衝撃の初優勝を飾って以降、WTTチャンピオンズ フランクフルト優勝を筆頭に目覚ましい成績を残し、世界ランキングも8位に入った(男子シングルス2026年第3週/1月13日発表)。松島が、第1ブロックはもちろん、今大会の本命と断じて異論はないだろう。18歳にして、すでに風格漂う松島には全日本の魔物もたやすく近づけそうにないが、追われる立場になったことがプレーにどう影響するか。松島のシード下には、2024年インターハイ王者の小野泰和(中央大)や2022年インターハイ三冠王の鈴木颯(愛知工業大)ら勢いのある選手が入った。連覇に向けて、まずは、スーパーシードの松島にとって初戦となる4回戦で、彼らの挑戦をしっかり跳ね返したい。
松島に待ったをかける有力候補としては、まず、前回8強の曽根翔(S_ONE卓球スタジオ)。日本屈指のチキータとバックハンドは松島を脅かす爆発力がある。昨年は準々決勝で松島に敗れているため、リベンジを狙っているはずだ。
2012年優勝の吉村真晴(SCOグループ)も打倒・松島を狙う。世界卓球2025ドーハでは混合ダブルスで銀メダルを獲得し、その存在感は色あせていない。4シードで臨んだ昨年は6回戦で松島に敗れ、彼の初優勝の足掛かりになってしまった。今年は、持ち前の超攻撃卓球にベテランの妙味を加えて立ちはだかりたい。
学生王者の濵田一輝(早稲田大)、社会人王者の野田颯太(日鉄物流ブレイザーズ)もトーナメントを駆け上がる力が十分ある。
全日学2位で鋭い裏面を武器にするペンドライブ型の前出陸杜(中央大)、ベテランの町飛鳥(ファースト)、2023年のジュニア王者・萩原啓至(愛知工業大)ら中シード勢にも注目だ。
また、町のシード下には日本リーグで活躍する宮川昌大(協和キリン)、インターハイ3位の谷本拓海(育英校)、濵田の下にはまだまだ強い松平健太(ファースト)、萩原のシード下には後期日本リーグ全勝の三部航平(シチズン時計)、ベテランの大矢英俊(ファースト)が入った。彼らシード下の実力者たちの勝ち上がりも見逃せない。
【第2ブロック】
王者返り咲きを狙う張本が本命
シード下の実力者たちにも注目
第2ブロックの本命は、張本智和(トヨタ自動車)だ。ディフェンディングチャンピオンとして迎えた昨年は準決勝で松島の猛攻に遭い、連覇を断たれた。しかし、全日本以降、世界卓球ドーハ2025こそ3回戦で戸上隼輔(井村屋グループ)との同士打ちに敗れ、振るわなかったものの、WTTチャンピオンズ 横浜、WTTファイナルズ 香港を制するなど、松島に勝るとも劣らない存在感を見せている。日本のエースとしての武威をあらためて示すべく、王者返り咲きを狙っているだろう。
次いで、左腕からの鋭い攻撃で前回ベスト8入りを果たした岡野俊介(朝日大)、前回ベスト16のファイター・神巧也(ファースト)、同じく前回16強でラリーに強い龍崎東寅(ケアリッツ・テクノロジーズ)ら外シード勢が張本を追う。
変幻自在のプレーが持ち味の英田理志(日の出医療福祉グループ)、昨年のインターハイ2位の伊藤佑太(星槎国際高横浜)、ラリー巧者の渡辺裕介(協和キリン)、ベテランの笠原弘光(888 TABLE TENNIS)ら中シード勢も第2ブロックを勝ち上がる有力候補だ。
また、岡野のシード下には2021年の全日本王者・及川瑞基(岡山リベッツ)、2019年3位で昨年の混合ダブルスを制した木造勇人(関西卓球アカデミー)が入った。及川も木造も上位に勝ち上がる力が十分あるだけに、誰が勝ち上がってくるのか興味深いブロックだ。
神のシード下に入った2017年ファイナリストの吉村和弘(ケアリッツアンドパートナーズ)も実績と爆発力を兼ね備えており、シード勢にとっては怖い存在だろう。
パリパラリンピック代表の舟山真弘(早稲田大)は及川のシード下に入った。昨年は左腕からの鋭い両ハンドで初戦の2回戦を勝利し、3回戦まで勝ち進んでいる。今年はどこまで勝ち上がるのか注目だ。
【第3ブロック】
戸上が本命も、猛者がひしめくサバイバルゾーン
世界ユース王者・川上はどこまで勝ち上がれるか
今大会の男子シングルスのドローは、優勝争いの軸になるであろう選手たちがバランスよく分かれた印象だが、その中でも強豪がそろったのが、この第3ブロックだろう。
とはいえ、軸になるのは、二度の全日本優勝経験を誇る戸上隼輔(井村屋グループ)だ。第2シードで臨んだ昨年は5回戦で谷垣佑真(愛知工業大)の豪打に惜敗したが、以降、上田仁をプライベートコーチに迎えると、世界卓球ドーハ2025の男子シングルスでベスト8に入り、男子ダブルスでは日本に64年ぶりとなる金メダルもたらす快挙を達成。ドイツ・ブンデスリーガでの勝率も高く、戸上が強豪ひしめく第3ブロックを勝ち上がっていく可能性は高い。
その戸上を昨年破り、4強まで勝ち上がった谷垣も、このブロックの有力候補だ。振れば決まる両ハンドの破壊力は戸上に勝るとも劣らない。谷垣と戸上が順当に勝ち上がれば6回戦で激突する。実現すれば、6回戦注目のカードだ。
3年連続8強の田中佑汰(金沢ポート)、世界卓球ドーハ2025日本代表で選手兼監督のベテラン・松平賢二(協和キリン)、ドイツ・ブンデスリーガで経験を積む村松雄斗(霧島整形外科病院)、2024年全日学王者・徳田幹太(早稲田大)、日本リーグで活躍する小野寺翔平(リコー)らシード勢も激戦ブロックの勝ち上がりを狙う。
中でも注目は、高校1年生の川上流星(星槎国際高横浜)。昨年のインターハイを制し、世界ユースをも制した両ハンドは、シニアでも十分通用する完成度がある。川上のシード下には、高木和卓(ファースト)、上村慶也(シチズン時計)ら実績十分の実力者が入った。期待の新鋭が第3ブロックの猛者たちとどう渡り合うのかは、今大会の見どころの一つだ。
そのほか、谷垣のシード下に入った全中優勝の大野颯真(木下アカデミー)、村松の下に入った2023年8強の吉山僚一(日本大)、小野寺の下に入った2019年ファイナリストの大島祐哉(琉球アスティーダ)、田中の下に入ったビッグトーナメント優勝の髙見真己(日鉄物流ブレイザーズ)、剛腕の酒井明日翔(T.O.M&卓球三昧)、インターハイ3位の面田知己(愛工大名電高)ら実力者たちの勝ち上がりにも注目したい。
【第4ブロック】
篠塚、宇田ら左腕の実力者がそろうブロック
有延、松下ら強打者もブロック突破をうかがう
第4ブロックは、注目の左腕が集まった。
中でも有力なのは、第2シードの篠塚大登(愛知工業大)だ。昨年は激戦をくぐり抜けて決勝まで勝ち進むも、松島の思いきった両ハンドの前に力尽きた。以降、世界卓球ドーハ2025では戸上と組んだ男子ダブルスで金メダルを獲得する快挙を成し遂げると、主戦場をドイツ・ブンデスリーガに移して研鑽を積んでいる。武者修行の成果を発揮して、トーナメントを駆け上がりたい。
2020年王者の宇田幸矢(協和キリン)も虎視眈々と二度目の優勝をうかがう。昨年は、協和キリンのエースとして、全日本実業団、後期日本リーグ、ファイナル4優勝に大きく貢献し、中国スマッシュで8強に入るなど、国際大会でも存在感を示した。昨年の全日本は準々決勝で篠塚と対戦し、ゲームオール9本の大接戦の末に敗れている。今回も両者が順当に勝ち上がれば準々決勝で対戦する。実現すれば、宇田としては是が非でもリベンジを果たしたいだろう。
前回のジュニア王者で世界ユース2位の吉山和希(岡山リベッツ)、2024年男子ダブルス優勝の小林広夢(ファースト)、迫力のフォアハンドが持ち味の石山慎(ケアリッツアンドパートナーズ)ら有力左腕のシード勢も勝ち上がりを狙う。
もちろん、左腕だけでなく、ペンドラの第一人者・松下大星(日の出医療福祉グループ)、豪打が魅力の有延大夢(T.T彩たま)ら右腕の強者たちも上位進出の有力候補だ。
ほかのブロック同様、この第4ブロックのシード下にも上位進出の期待がかかる実力者がひそんでいる。
果敢な両ハンドが魅力の松山祐季(クローバー歯科カスピッズ)は、松下のシード下に入った。名門のエース・阿部悠人(シチズン時計)、インターハイで悲願の初優勝を果たした野田学園の1年生エース・岩井田駿斗(野田学園)は有延、全日本上位常連の吉田雅己(Doream)、切れ味鋭い両ハンドが持ち味の坪井勇磨(クローバー歯科カスピッズ)は小林、ドイツ・ブンデスリーガで腕を磨く横谷晟((公財)宮崎県スポーツ協会)は吉山、2023年全中優勝の渡部民人(JOCエリートアカデミー/星槎)は篠塚のシード下にそれぞれ入った。彼らの勝ち上がりにも目が離せないブロックだ。
(まとめ=卓球レポート)




